ヴェニスの商人 14巻の /dʒaˈbrafkjuː/さんの感想

四大悲劇などに比べると,だいぶプロットや人物同士の関係はシンプルで理解しやすい。……のであるが,提示(推奨?)されている価値観や面白みとなると一筋縄ではいかない多面性がある。当時の観客の差別的なユダヤ人観にのっかって溜飲を下げさせているのか,逆にそうした態度を戯画化して揶揄しシャイロックの悲劇をも描いているのか。箱選びが「見た目や通念に惑わされるべからず」のアレゴリーであるなら(変装した女達に指輪の件でかつがれるのも同じモチーフなのかも),後者ととるのが妥当か。ともあれ,解釈しがいのある作品だと思う。
★5 - コメント(1) - 2015年9月29日
/dʒaˈbrafkjuː/
投機的に出資した貿易船が沈んでしまって大損害をだすエピソードや異国の人や地名がたくさん出てくるのは大航海時代らしい雰囲気があってよい。ギリシア(ローマ)神話が頻繁に引用されているのは,イタリア,ヴェネチアらしさを出す演出だったりするのだろうか
- 09/29 23:56


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