読書メーター KADOKAWA Group

さとうしん
さんの感想・レビュー

さとうしん
新着
キャパの代表作、スペイン内戦時に撮影された「崩れ落ちる兵士」は、兵士の戦死する瞬間を撮影したものではなく、死ぬふりをさせて撮影した「やらせ」によるものではないかという疑惑から出発し、そこから撮影された場所と時期、写真にうつる人物、撮影した人物(すなわち撮影者はキャパではないのではないかという疑惑)と、どんどんと問題が広がっていく。本書の結論は敢えて伏せておくが、キャパが偶然によって得られた名声に見合うカメラマンになろうと奮闘し、やはり偶然によってもうひとつの代表作「波の中の兵士」を得る過程は感童を覚えた。
さとうしん

「戦場で必死に戦ってる兵士が死ぬふりなんて応じるものなのか」という疑問に、「外国人とカメラが珍しかった当時の現地人ならやる」と複数の人が答えているのが印象的。生きるか死ぬかの場面でそういう「悪のり」に付き合ってくれるのも、やはり戦場の「リアリズム」なのだろう。

01/25 19:02
  • ぶんこ
  • absinthe
0255文字
全1件中 1-1 件を表示

さとうしん
さんの最近の感想・レビュー

蒼頡たちの宴 (ちくま学芸文庫 タ 14-1)

蒼頡たちの宴 (ちくま学芸文庫 タ 14-1)

武田 雅哉
漢字の表音化、あるいは漢字にかわる文字の作成に邁進した「二つ目の蒼頡」たちの物…続きを読む
蓮花楼 1 (ヴォワリエブックス)

蓮花楼 1 (ヴォワリエブックス)

藤萍
出だしの時点で方多病が李蓮花と既に知り合って6年経過していたりとドラマ版とは随…続きを読む
半生【はんせい】の絆 (ハヤカワepi文庫)

半生【はんせい】の絆 (ハヤカワepi文庫)

張 愛玲
張愛玲作品は今まで翻訳で短編集を読んだことがあるだけだが、短編とはまったく味わ…続きを読む
史学の近代中国  顧頡剛と胡適・傅斯年の思想と行動

史学の近代中国  顧頡剛と胡適・傅斯年の思想と行動

竹元 規人
第2章で議論されている胡適と顧頡剛が崔述を「再発見」したことと顧のいわゆる加上…続きを読む
歴史のなかの貨幣 銅銭がつないだ東アジア (岩波新書 新赤版 2057)

歴史のなかの貨幣 銅銭がつないだ東アジア (岩波新書 新赤版 2057)

黒田 明伸
貨幣が必ずしも額面通りの価値で流通しなかった時代の話。中国銭が中国本土や日本以…続きを読む
『史記』はいかにして編まれたか: 蘇秦・張儀・孟嘗君列伝の成立 (プリミエ・コレクション 135)

『史記』はいかにして編まれたか: 蘇秦・張儀・孟嘗君列伝の成立 (プリミエ・コレクション 135)

斎藤 賢
蘇秦列伝、孟嘗君列伝、張儀列伝の分析を通して、蘇秦・張儀と合従連衡策が結びつけ…続きを読む

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/01/19(4098日経過)
記録初日
2014/01/19(4098日経過)
読んだ本
1682冊(1日平均0.41冊)
読んだページ
486401ページ(1日平均118ページ)
感想・レビュー
1477件(投稿率87.8%)
本棚
8棚
性別
外部サイト
URL/ブログ
http://blog.goo.ne.jp/xizhou257/
自己紹介

歴史関係の本を主に読んでます。

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう