真田信之 真田家を継いだ男の半生の電羊齋さんの感想

本書は、主に関ヶ原合戦後から大坂夏の陣後までの真田信之を扱っており、同著者の『「豊臣大名」真田一族』(洋泉社)のいわば続編。関ヶ原後に真田家を継いだ信之による領国支配体制と家臣団の再編成、領国復興への取組、幕府・本多家との関係、大坂の陣での動きを文書史料に基づき描き出す。また「信之」への改名後、一時期「信幸」に戻しているのも興味深い。そして内政ではやはり出浦昌相の活躍が目立つ。本書からは戦国大名から近世大名への移行過程にあった真田家の様子が垣間見える。今後、信之の後半生の研究がさらに進むことを期待したい。
★3 - コメント(1) - 2016年6月23日
電羊齋
もう一つ興味深いのが、大坂の陣に伴う軍役動員の状況。著者は文書史料により、この段階でもなお戦時での農民の武士化(被官化)が行われていたことを示す。そして、いわゆる「兵農分離」への疑問を呈している。
- 06/24 18:45


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268冊/57481ページ/男性/43/その他

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