アンドロギュノスの裔 (渡辺温全集)の不在証明さんの感想

読みあたりは童話のように軽妙で、何ともいえぬ奇妙なおもしろさ。山高帽子とステッキが良く似合う。数多いとは言えない作品群、これだけしか書き得なかったのが惜しまれるくらい、好みな作品ばかり。一番良かった『可哀相な姉』―通過儀礼と済ませてしまうような冷淡さはなく、しかし私のしたことは一見人道に悖るものであるのは違いない。それでも、血の通った残酷行為の中に、姉への愛情を見つけてしまうのは、単なる思い違いだろうか。私は姉を愛していたのです、そう言われても疑わない。
★14 - コメント(0) - 2016年9月19日

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