きみといたい、朽ち果てるまで ~絶望の街イタギリにてのハイランドさんの感想

ホラー小説大賞優秀賞だが、ホラーというよりもディストピア小説である。有象無象の人々が棲む吹き溜まりイタギリ。そこに生きるゴミ屋の少年晴史と似顔絵描きの少女シズク。ほのかな恋愛のほかはイタギリのグロテスクな描写が続く。イタギリというスラムの創造はこの小説の一つの重要なファクターなのだが、陰惨ではあるが類型的。シズクという少女の造形は個人的には良かったと思うのだが、晴史のイタギリからの解放のためのイニシエーションがそういうことであれば、納得しがたいものがある。今までの物語が嘘になる。あ、これ献本当たりました。
★84 - コメント(0) - 1月7日

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