あこがれのkanaさんの感想

語り手となるヘガティーと麦くんは小学生。けれど、これは単なる児童文学ではなく大人の為の純文学だと思いました。未映子氏の言葉の海にどっぷりと浸かれるこの幸せは筆舌に尽くしがたい。日本語が母国語でよかったと噛み締めたくなるような作品です。スーパーのサンドイッチ売り場のお姉さんが気になってしょうがない麦くんとお父さんの秘密を知ってしまったヘガティーが互いに支え合い、恋愛なんかよりもっとピュアで透き通った友情を育み成長していくのですが、小学生が使える簡単な言葉で繊細な感情を丁寧に紡ぎ出すその技術は素晴らしい。
★49 - コメント(0) - 1月20日

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699冊/196348ページ/女性/営業・企画系

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