沈黙のいむたんさんの感想

息を詰めてページを繰った。身体的苦痛ではなく神への疑念で司祭はぶれた。唄を口ずさみ殉教した村人と比べると、あまりにも簡単な転向に思えなじりたくなる。深く深くキリストを愛しているがために、その沈黙に耐えられなかったのかもしれない。信仰って何なんだろうと思ってしまった。十字架への執着、天国に対する稚拙な憧れなど、司教が度々戸惑いを覚えたように多くの日本人は当時キリスト教を正しく理解していなかった。信じれば救われるというどこか日蓮宗にも通じた盲目的な信仰心を感じる。
★23 - コメント(0) - 3月20日

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8冊/3367ページ/女性

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