沈黙のトッポ64さんの感想

棄教することでしか苦しむ人々を救えないという極限状態で、これまでの自分の生き方を捨て棄教するか、なお神を信じつづけるか、究極の二択を通じて、「神の沈黙」とキリストが説く「愛」とは何かを考えさせられる。キリストの受難を追体験するようなストーリー展開でありながら、棄教に追い込まれる司教ロドリコの苦悩には、非キリスト教徒の僕の心にも響いた。結局、神はいないのか?著者自身がキリスト教徒でありながら、宗教上タブーとされる問いをあえて取り上げ、疑問を投げかける本書は、多くが無宗教の我々日本人も、一度は読むべきである。
★31 - コメント(0) - 3月20日

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