ファイト・クラブのTCrbさんの感想

ぼくがこれを知ってるのは、タイラーがこれを知ってるからだ。詩的と言うべきか、現実と虚構、過去と現在、具象と抽象を軽妙に行き来する文体で目を眩ませる。物質文明の中で肉体を屹立させ破壊衝動を探求していった先に待つラストでは、映画とは対称的な絶望と希望の形が示されている。映画版よりも、仏教的な刹那性が押し出されているのでは。特に原作とは違う、タイラーの出会いの場面。あの「掌」は孫悟空が落書きした御釈迦様の手を思い起こさせる。ぼくはレイモンド・K・K・K・ハッセル君だ。ところでこの作家も翻訳止まってるのね(泣)
★5 - コメント(0) - 2011年1月25日

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