物語りは、二人の女性の自殺と、一人の女性の交通事故死という事件から始まり、一人の女性の事故死が、不幸な境遇にありながら健気に生き、ようやく落ち着いた家族を手に入れた青年の人生に再び暗雲を呼び寄せる。女性をはねたのは、青年を引きとった伯父が運転するタクシーだったからである。
青年は、伯父が関与した事故が業務上過失致死罪ではないことを証明するために、立ち上がる。第二回(1989年)日本推理サスペンス大賞を受賞したという肩書がなかったとしても、私は、この作品が宮部みゆきさんの代表作の一つとして押したいと思う。
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