宮部さんの創る物語は、優しい人が不幸になったり、殺される話が多い。
『過去のない手紙』和也は、静子を見習わなければならない部分がある、と気づいた。彼女が今の暮らしと縁を切って、新しい人間になろうと試みたことだ。
『八月の雪』充の知っている おじいちゃんは、情けない老人の一人でしかなかった。だけどその老人は、中隊長どのの命令に従って、死ぬ気でついていった二十代の若者だった。それを知った充は、「僕にはまだまだ知りたいことがある。そう思った。知らなければならないことがある。小さいことも、大きいことも」と思った。
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