横山秀夫さんの文体は、終身検視官 倉石のキャラクターと同じぐらい「ぶっきら棒」だが、まるで検視官の肩越しに現場をのぞいているような「臨場感」が凄いと思う。自分の頭をダンベルで殴る自殺の方法などには無理を感じないでもないが、登場人物は、いずれも人間臭く描かれており感情移入できる。特に倉石は魅力的に描かれており、かつての部下や改心組の永嶋に情けをかけるような行動を取る辺りは、ファンにとっては感涙ものだろう。後半のどんでん返しの波状攻撃は、本当に凄い。
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