表題作の『真相』をはじめ、この短編集の物語に登場する主人公の多くは、脛にあり得ないほど大きな傷をもつ人達である。つっちーさんが『臨場』の主人公「倉石 終身検視官」の台詞「こざっぱり生きてる奴なんてこの世の中にはいやしねえ。」を名言だとピックアップされていたが、このような主人公を中心に物語が展開するところが横山秀夫さんの作品の特徴だと思う。
英雄のような主人公に憧れ、その主人公が出す結果に溜飲を下げる物語が多い中、横山さんの創る物語には、自分自身が過去にしてしまった道徳などに背いた行為をえぐり出される怖さが…
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます