ミステリーの主人公は、基本的に「お節介」である。頼まれもしないのに真相を知りたがるのである。横山秀夫さんの作品に登場する主人公たちは、あまり「お節介」ではないが、やはり知りたがりで、中途半端に調べて確証もないのに思いこみ、逡巡する人たちが多い。
この『深追い』に登場する主人公たちも、例外ではなく、自らの弱さに翻弄され、脛に傷を負ってしまった人たちである。彼らは、脛の傷を隠し生きている。そして欲のために新たに負った傷をも一度は隠蔽しようとするが、何かに気づき真実のために顔を上げ「人生はやり直せる」とつぶやく。
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