横山作品の中で名作と称えられる『第三の時効』だが、私は少々込み入り過ぎていて解りにくかった。フィクションンなのだから、何でもあり、著者の思うがままであるが、読者が共感できる登場人物の心理や、読者が知らなかった知識などを盛り込むことでリアリティを出して行くのがミステリーだと思う。
『第三の時効』は、競い合う三班が、互いに絡み合う事件や、共同戦線を張る事件への対応を描きだすことで、人間模様をあぶりだすというテーマなので、犯行の動機や犯人のトリックなどのリアリティが若干弱くなってしまっているような気がした。
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