「人はなぜ生きるのか?」という哲学的な問いと指針を与えられているように感じる内容でした。主人公は、実は妻を殺した現職警察官 梶総一郎で、その事件に絡み、三人称で語る登場人物(刑事・検事・記者・弁護士・裁判官・看守)は、実は脇役だったのではないかと思うような構成でした。
何らかの理由で出世への道を閉ざされ、恙無く生きたいと願っている登場人物たちに、梶総一郎が犯した事件が不可解な疑問を伴って重くのしかかり、彼らが真相の解明への情動に突き動かされて行く過程で、彼らの人生を揺り動かし変化させます。目頭が震えました。
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