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2025年1月の読書メーターまとめ

佐々陽太朗(K.Tsubota)
読んだ本
9
読んだページ
2527ページ
感想・レビュー
9
ナイス
605ナイス

2025年1月に読んだ本
9

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

佐々陽太朗(K.Tsubota)
文通武者修行と称して延々と綴られた優に百通を超える手紙をむさぼるように読むことになろうとは。「おっぱい」という言葉を数え切れないほど読まされてしまったぞ。馬鹿馬鹿しさも茲に極まれり。ちなみに私は十数年前にこの『恋文の技術』を一度読んでいる。水ぼうそう、おたふく風邪、はしか、風疹、猩紅熱といった禍々しい病原体ですら、一度かかってしまえば二度はかからないというのに、森見氏の言葉は私の脳をまたしても冒してしまった。不条理ともいえる中毒性を森見氏の文章は持つ。要注意である。
が「ナイス!」と言っています。

2025年1月の感想・レビュー一覧
9

佐々陽太朗(K.Tsubota)
ネタバレ先日、岩波文庫版・内藤濯氏の訳で読んだばかりだが、今回は新訳、新潮文庫版・河野万里子氏の訳である。訳者が変わったところで、話の内容が変わったりはしない。もしそんな改変が加えられたなら、それは原作に対する冒涜だ。しかしそれでも訳者が変われば読んだ印象はずいぶん変わる。内藤氏の訳に比べ語り口がずいぶんやわらかに感じられる。それは女性ならではのものかもしれない。そしていくぶん読みやすくも感じる。それは訳者の特性というより、訳された時が、より今に近いということによるのかもしれない。
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佐々陽太朗(K.Tsubota)
第一話の「二冊の本」と番外編「あの日の図書館」が特に良かった。そして何よりも良かったのが大崎梢氏の解説。驚いたことに大崎氏と緑川氏は、お互いがプロの作家になる前から知り合いだったとは。お二人に共通するのは本に注ぐ愛情、そして本を愛する人々への温かい目差しだ。本シリーズはしおりちゃんが六年生になった時点で完結となったが、いつの日にか大学生になったしおりさんを主人公にした新たなシリーズを読んでみたいものだ。いやひょっとして司書になったしおりさんシリーズを読めるかもしれないと期待する。
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佐々陽太朗(K.Tsubota)
ネタバレ愛媛県伊予市、松山市の南西にある田舎町を舞台に女四代の人生が描かれる。ぞんざいに言ってしまうと、男たちに翻弄され、不当に扱われながらも男に依存し墜ちていく人生。母のそうした生きかたから抜け出そうとあがくが、母を切り捨てることができない。抜け出せない蟻地獄、連綿と続く負のスパイラルがそこにあり、それを諦めてしまうのか、あるいはそれに抗い立ち向かうのか。悲惨で救いようのない物語だが、自分の主体的な選択によって自ら人生を形作ることができるといった前向きなメッセージも含まれており、その意味で希望の物語でもある。
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佐々陽太朗(K.Tsubota)
ネタバレわかったようでわからない話の数々だったが、いろんなことを考えさせられる物語だった。「かんじんなことは、目に見えない」 想像力を働かせ、自分を離れて考えてみる。ほんとうに大切なこと、本当に美しいものがわかるまで。そういうことかな。
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佐々陽太朗(K.Tsubota)
ジュブナイルだけあって、小説中に発生する事件はごく日常的なものだ。人が死んだりすることもない。小説で衝撃的な事件を読み慣れた身には、もっと衝撃的なもの、驚きの大どんでん返しみたいなものをついつい求めてしまいがちだ。本書はそんな自分がほっとしながら読める小説だ。豪華なうまいものを食べ続ける日々を過ごしていると、お茶漬けや粥が無性に食べたくなることがある。なんでもないピュアなものが、しみじみおいしいと感じることがある。私にとってこのシリーズはそんな小説だ。ジジイがこんな小説をなどと笑わないでいただきたい。
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佐々陽太朗(K.Tsubota)
ネタバレ結末をどう解釈するか。元の世界に戻った主人公リョウが東尋坊で絶望のうちに死を選ぶのか、それともやはり家に戻ってこれまでどおり諦念的に生きていくのかの二者択一というのが大方の解釈だろう。しかし、よくよく考えてみると、死なずに生きていく、しかし生きかたは変えてというのもありかなと。というのも、迷い込んだパラレルワールドでの経験でリョウは人の行い一つで未来が変わることを知ったのだから。それを知って死を選ぶとは思えない。未来を自らが切り開くべく、諦念的な態度を捨て、積極的に人生にかかわろうとするのではなかろうか。
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佐々陽太朗(K.Tsubota)
読んでまず思ったのは「デブ猫ちゃん」が愛おしいのなんの。(ツンデレ系+ブサカワ系)÷2の主人公マルのかわいいことこの上ない。早見氏の文章によるキャラクター作りもさることながら、かのうかりんさんの絵が抜群に良い。そして早見氏の狙いどおりに愛媛の魅力が読み手に伝わってくる。現に本書を読み終えて私は「今年の旅先は愛媛に決定!」という気分になっている。 かくなる上は「デブ猫ちゃん」愛媛三部作の残り二作も読まねばならぬ。そして『八月の母』も読もう。
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佐々陽太朗(K.Tsubota)
文通武者修行と称して延々と綴られた優に百通を超える手紙をむさぼるように読むことになろうとは。「おっぱい」という言葉を数え切れないほど読まされてしまったぞ。馬鹿馬鹿しさも茲に極まれり。ちなみに私は十数年前にこの『恋文の技術』を一度読んでいる。水ぼうそう、おたふく風邪、はしか、風疹、猩紅熱といった禍々しい病原体ですら、一度かかってしまえば二度はかからないというのに、森見氏の言葉は私の脳をまたしても冒してしまった。不条理ともいえる中毒性を森見氏の文章は持つ。要注意である。
が「ナイス!」と言っています。
佐々陽太朗(K.Tsubota)
ネタバレクライマックスはやはり文学賞にノミネートされ、その結果を知らされた場面だろう。「文学賞受賞にどれほどの意味があるというのか」というのはある。しかし、その賞がどうしても欲しいと願うのは作家の偽らざる気持ちだ。決して名誉欲や金銭欲ではない。一つの小説が上梓されるまでに、著者だけでなく、編集者その他スタッフ、著者の家族など大切な人などの様々な思いが込められているからこそ、作家は受賞を切実に願うのだということ。そのことが腑に落ちた。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2009/02/04(5858日経過)
記録初日
2008/03/23(6176日経過)
読んだ本
1751冊(1日平均0.28冊)
読んだページ
524483ページ(1日平均84ページ)
感想・レビュー
1729件(投稿率98.7%)
本棚
62棚
性別
現住所
兵庫県
外部サイト
URL/ブログ
http://jhon-wells.hatenablog.com/
自己紹介

本と酒をこよなく愛し、文庫本をポケットに日本中の名居酒屋を飲み歩く。
趣味は読書、音楽鑑賞、居酒屋めぐり旅。
読書は主に小説。ミステリー(特にハードボイルド)が好きです。好きな作家(シリーズ)は、フリーマントル(チャーリーマフィン)、チャンドラー(フィリップマーロー)、藤原伊織、大沢在昌(新宿鮫)、石田衣良(池袋ウエストゲートパーク)、ローレンス・ブロック(マット・スカダー)、ディック・フランシス(競馬)、ロバート・B・パーカー(スペンサー)、スティーヴン ハンター(ボブ・リー・スワガー)、高村薫、クィネル(クリーシー)、R・D・ウィングフィールド(フロスト警部)、キース・ピータースン(ウェルズ)などなど・・。
十数年前からロードバイクを輪行して全国各地を自転車で走り回っている。宿泊地では地元の酒飲みが足しげく通う名居酒屋を探し、その地ならではの料理を肴に地酒をやるのを無上の喜びとしている。
2018年にハンドルネームを「ウェルズ」から「佐々陽太朗」に変更しました。私、生粋のモンゴロイドですし、酒も日本酒を好みます。ささ=酒、ようたろう=酔うたろう、てなバカなネーミングです。

【ブログURL】
http://jhon-wells.hatenablog.com/

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