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2024年2月の読書メーターまとめ

佐々陽太朗(K.Tsubota)
読んだ本
7
読んだページ
1934ページ
感想・レビュー
7
ナイス
484ナイス

2024年2月に読んだ本
7

2024年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

佐々陽太朗(K.Tsubota)
ネタバレおそらくファンの多くは小説としての魅力よりも、成瀬あかりというキャラ推しが多いのではないだろうか。周りとの調和を考えて自分を抑えること、これは他人と共に生きていくうえでの大人としてのマナーだろう。そこのところ成瀬は自分の心のまままっすぐに突き進む。成瀬にすれば、彼女のもって生まれた怜悧な頭脳で考え導き出されたなすべき事は明々白々。戸惑ったり迷ったりする理由がないのである。なぜならそれこそ正解だからだ。正解を確信すればあとはそれを行うだけ。そのまっすぐな姿は爽快だ。
が「ナイス!」と言っています。

2024年2月の感想・レビュー一覧
7

佐々陽太朗(K.Tsubota)
ネタバレかつて共産主義で世界をリードしたという誇りと、ヨーロッパから見下されてきたという劣等感が同居しているロシア人にしてみれば、古代ルーシを建国したのがスラブ人ではなくヴァイキングだったことや、異民族に何百年も支配され、その庇護下で発展したというのは認めたくないことかもしれない。しかしだからといって「ならば書き換えてしまえ」とばかりに事実とは言い難いことを歴史と称するのは学問としていかがなものか。しかし「”歴史認識”とは、”いかにして自国が有利になる歴史を認めさせるか”というゲームでしかない」という悲しい現実。
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佐々陽太朗(K.Tsubota)
ネタバレ戦に次ぐ戦、凄惨な殺戮に倦む大野七郎久高。儒学で人は生来「至善」であって、誠を尽くし続ければ人は「天地と参なる」と教えられたのに、現実は人は人たることを捨て、禽獣と変わらぬ行いを続けている。また朝鮮に被差別民の白丁として生まれた明鐘。儒学を学び、いつか仕官して理由もなく虐げられる白丁たちを自由にするという夢を持つ。いつか二人は「天地と参なる」人をみることができるのだろうか。諦めずに人の誠と道を信じ続けることができるのだろうか。そうした問いかけが本作の肝なのだろう。ワクワクしながら読ませていただいた。
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佐々陽太朗(K.Tsubota)
著者・杉田氏は東京高田馬場にあった伝説の居酒屋『真菜板』のご主人。杉田氏は今、鳥取県の智頭町に引っ越され奥様と一緒にうどん屋『真菜板』を営んでいらっしゃる。私は今年の1月19日に飲み仲間とそのお店を訪問し、杉田氏の蘊蓄を聴かせていただきながら食事した。燗酒の魅力、熟成酒の魅力を余すことなく教えていただき、貴重な酒をあれこれ利き酒させていただいた。ありがたいことです。
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佐々陽太朗(K.Tsubota)
感動的であたたかさに満ちた物語です。しかし同時にどうにも救いようのない人間の行いを描いた物語でもあります。実際に私はどうしても救われた気になれず、いまもずっと引きずってしまっています。人間はなんと愚かで、罪深く、残虐な生きものなのだろう。そして自分もまたそんな人間のひとりなのだというやるせなさ。この物語は決して過去のものではない。今この時もウクライナで、新疆ウイグル自治区で、パレスチナでジェノサイドが行われている。主義も、宗教も、正義も、人を幸せにしたためしがない。それでも希望を持ち、闘っていくしかない。
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佐々陽太朗(K.Tsubota)
ネタバレ国家の力によって領土、政治体制、制度、文化、その他あらゆるものが変えられていった時代にあって、小国、少数民族はその大きな波に飲み込まれるしかないのか。古来から大切に守り続けてきた生活様式が文明の名において消されようとしている。それは何ゆえなのか。強者の文明、多数の価値観が正義だなどと誰が決められよう。そうした疑問を読者に突きつけてくる問題作です。歴史をバックボーンにしっかりした骨格を持ち、読者の心に強い問いかけを突きつける。なるほど直木賞受賞作にふさわしい。
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佐々陽太朗(K.Tsubota)
ネタバレおそらくファンの多くは小説としての魅力よりも、成瀬あかりというキャラ推しが多いのではないだろうか。周りとの調和を考えて自分を抑えること、これは他人と共に生きていくうえでの大人としてのマナーだろう。そこのところ成瀬は自分の心のまままっすぐに突き進む。成瀬にすれば、彼女のもって生まれた怜悧な頭脳で考え導き出されたなすべき事は明々白々。戸惑ったり迷ったりする理由がないのである。なぜならそれこそ正解だからだ。正解を確信すればあとはそれを行うだけ。そのまっすぐな姿は爽快だ。
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佐々陽太朗(K.Tsubota)
ネタバレ「俺が電話口で泣きそうになると『母親の私が泣かないのに、なぜお前が泣くの。しっかりしなさい』と叱られるんだ」 これは監訳者である有本香氏が「監訳者あとがき」で紹介したエピソードだ。ドルクンは電話で母と話すとき、強制収容所に閉じ込められ苦しんでいるであろうことに思いを馳せ、つい泣きそうになってしまう。そうすると母がドルクンをこう叱咤したという。なんと強い母か。中国共産党はウィグル人に対し大量虐殺、逮捕と重刑判決、収容所への隔離、洗脳、つまりはジェノサイドを行っている。人間のすることじゃない。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2009/02/04(5533日経過)
記録初日
2008/03/23(5851日経過)
読んだ本
1697冊(1日平均0.29冊)
読んだページ
507807ページ(1日平均86ページ)
感想・レビュー
1675件(投稿率98.7%)
本棚
61棚
性別
現住所
兵庫県
外部サイト
URL/ブログ
http://jhon-wells.hatenablog.com/
自己紹介

本と酒をこよなく愛し、文庫本をポケットに日本中の名居酒屋を飲み歩く。
趣味は読書、音楽鑑賞、居酒屋めぐり旅。
読書は主に小説。ミステリー(特にハードボイルド)が好きです。好きな作家(シリーズ)は、フリーマントル(チャーリーマフィン)、チャンドラー(フィリップマーロー)、藤原伊織、大沢在昌(新宿鮫)、石田衣良(池袋ウエストゲートパーク)、ローレンス・ブロック(マット・スカダー)、ディック・フランシス(競馬)、ロバート・B・パーカー(スペンサー)、スティーヴン ハンター(ボブ・リー・スワガー)、高村薫、クィネル(クリーシー)、R・D・ウィングフィールド(フロスト警部)、キース・ピータースン(ウェルズ)などなど・・。
十数年前からロードバイクを輪行して全国各地を自転車で走り回っている。宿泊地では地元の酒飲みが足しげく通う名居酒屋を探し、その地ならではの料理を肴に地酒をやるのを無上の喜びとしている。
2018年にハンドルネームを「ウェルズ」から「佐々陽太朗」に変更しました。私、生粋のモンゴロイドですし、酒も日本酒を好みます。ささ=酒、ようたろう=酔うたろう、てなバカなネーミングです。

【ブログURL】
http://jhon-wells.hatenablog.com/

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