ヴェネツィア

ヴェネツィアさんの2月の読書メーター
記録初日
2011年04月03日
経過日数
2185日
読んだ本
2502冊(1日平均1.15冊)
読んだページ
671068ページ(1日平均307ページ)
感想/レビュー
2335件(投稿率93.3%)
本棚
83棚
性別
職業
専門職

読書グラフ

最近の感想・レビュー(2335件)

鷺沢萌は初読。本書は20の掌編からなる小説集。主人公はいずれも20代の男女(一部例外も)。これはもう明らかに都会の文学だ。それぞれの時の、それぞれの一瞬の煌めきや躊躇いを掬い取っている。いい意味でも、またそうでない意味でも軽快だ。そこに生の深い意味を求めることはできない。しかしまた、それらも確かな生の軌跡である。この作家は、生のある断片を切り取って見せるのが実にうまい。鷺沢萌。彼女自身の生は想像通りとはいえ、あまりにも儚い。彼女はこの世にとうとう錨を降ろすことはなかったのだろうか。作家の生こそがせつない。
★311 - コメント(0) - 3月19日

井上ひさしのお芝居にしては何とも愛想のないタイトル。井上芝居といえば例えば『頭痛肩こり樋口一葉』といったネーミングの方が馴染みが深い。本篇でもう一つ特徴的なのは、これまた井上芝居にしては笑いの要素が極めて少ないこと。また、登場人物たちは、ことごとく劇の中でダブルキャストを演じるのだが、戯曲を読んでいる場合はともかく、舞台で見ていてわかるものだろうかと心配になる。さらには、歴史上実在の人物である小林一茶を、お芝居とはいえあんなに貶めてもいいものかと。こんなに珍しい要素の多いこのお芝居。玄人受けするのだろう。
★274 - コメント(1) - 3月19日

まずは写真家としての小林紀晴。表紙の写真に見られるように、戸外で写しているにもいるにもかかわらず、背景が暗く中心の人物だけにスポットライトが当たったかのようなポートレイトが彼の持ち味。他の人物写真も概ねこうしたタッチ。それぞれが固有のドラマを背負っているかのようだ。文章もまたいい。写真家自身が定職を捨てて、アジアを放浪しているといったデラシネ感が、被写体である彼らの心を開くのだろうか。彼らの全てが「ここでないどこか」を求めているのだろう。そして、そんな場所などはどこにもないことをみんなが知っているのだ。
★266 - コメント(3) - 3月18日

イギリス各地の民衆芸能や祝祭劇が文献に現れるのは13世紀からであるらしいが、もちろんそれ以前から脈々と受け継がれてきたはずである。本書はシェイクスピア劇の背後にそうした民衆芸能を望見するものである。『真夏の夜の夢』や『お気に召すまま』などの喜劇は言うに及ばず、『ハムレット』の亡霊などをもこうした民衆劇から読み解いてゆく。一方、見方を変えれば、シェイクスピア劇がそうした膨大なまでの伝統芸能を背後に持ちながら、屹立した一人の天才作家によって、見事に自立した近代劇が誕生したということでもあるだろう。
★268 - コメント(1) - 3月18日

イタリア各地の出張先から夜ごとの電話で、小さな愛娘に一夜に一話のお伽話。これはイタリア版千夜一夜の物語。ただし、本家がふんだんに持っているエロティックなお話はなし。なにしろ、娘はまだ小さいのだ。そして、一つ一つのお話はとっても短いショートショート。なにしろ電話代もばかにならないものだから。時々はいくらかは長めのお話も。内容は、他愛ないものの、ちょっとシュールなお伽話。原文のイタリア語で読めないのが残念。イタリアの子どもたちや、元は子どもだった人たちみんなに愛されているのも、さもありなんといった風情。
★317 - コメント(5) - 3月17日

50歳前後の執筆だが、女性に心惹かれながら去ってゆくことや、回想記のスタイルをとっていることなど、鷗外の若き日の『舞姫』を想起させる。表題となった雁は、直接的にではないものの、やはりお玉の哀しい宿命といったものを表象するだろうし、そのことは翻って岡田の喪失感(おそらくこれは読者にも共有される)にも繋がるだろう。また、岡田を新しい時代に向けて飛翔してゆくもの、そして一方のお玉をそうした時代の躍動からは取り残されてゆく前時代の感傷と捉えることもできそうだ。「スバル」への連載は明治から大正への過渡期でもあった。
★332 - コメント(3) - 3月17日

森枝卓士氏といえば、アジアの奥深くにまで潜り込み、その地ならではの食を求めて路地裏から屋台にいたるまでを渉猟する、というのが私のこれまで抱いていた勝手なイメージだった。ところが、今回の紀行はいずれも豪奢を尽くしたものばかり。例えばオリエント・イクスプレスであり、ラッフルズ・ホテルにタイ最高級のクラビ・リゾート等々。それは快適だろうと思う。お金さえあればねえ。篇中で最も行きたいところを挙げるならマレーシアのムル国立公園かな。濃密なばかりの熱帯雨林に囲まれている上に、なにしろ、甲虫類の宝庫のようなのだ。
★265 - コメント(0) - 3月16日

副題にもあるように、著者は「文化鳥類学」を標榜する。それぞれの鳥たちが持つ固有の文化、あるいは人間社会とのかかわりの中での人間の側の鳥をめぐる文化が語られる。各篇は短く、題材も身近なところから取られていて、分かりやすい。もちろん、これまでに知らなかったことも多々紹介されている。例えば、ハイタカ(小型の猛禽類)1羽が生存するには一年間に779羽のシジュウカラ(換算値)が必要で、シジュウカラ1羽は125,000匹のマツシャクトリ(換算値)が必要であることなど。食物連鎖を通じて、自然界の脅威の一端を見る思いだ。
★288 - コメント(3) - 3月16日

ヴェネツィアさんの感想・レビュー

最近のつぶやき

明日(3月20日)~3月28日までシェムリアップに行ってきます。私は電子機器を携行して行きませんので、1週間ばかり「読書メーター」をお休みいたします。今回は熱帯モンスーン地域なので、エンターテインメント小説ばかりを10数冊持って行くつもりです。
★222 - コメント(19) - 3月19日 7時47分

2月はやはり待望の新作『騎士団長殺し』ですね。☆2017年2月の読書メーター 読んだ本の数:28冊 読んだページ数:9566ページ ナイス数:14264ナイス ★2017年2月に読んだ本一覧はこちら→ リンク
★254 - コメント(0) - 3月1日 7時52分

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最近読んだ著者:鷺沢萠 井上ひさし 小林紀晴 石井美樹子 ジャンニ・ロダーリ 森鴎外 森枝卓士 柴田敏隆 森見登美彦 W.H.ハドソン
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