米澤穂信の警察もの小説。集められてきた様々な出来事の断片から事件の全体像を再構成して真相を導き出す葛警部の名推理は淡々とした描写で決して派手さはないが、いぶし銀の魅力的な良さがありました。不思議と引き込まれる文体でしたね。

米澤穂信の警察もの小説。集められてきた様々な出来事の断片から事件の全体像を再構成して真相を導き出す葛警部の名推理は淡々とした描写で決して派手さはないが、いぶし銀の魅力的な良さがありました。不思議と引き込まれる文体でしたね。

春夏秋冬代行者シリーズの三作目。主役はこれまでの季節の代行者ではなく、前作でもちらりと登場していた世界に朝をもたらす暁の射手。このシリーズは現人神である主人と護り手との主従関係のあり方が物語のキモとなっているが、今回もお互いに大切な存在と想い合っていながら、なかなか踏み込めないもどかしさが、良かったですね。二人の関係性を丁寧に描写していったからこそ、終盤での他の神々を巻き込んでの大救命作戦に感情移入できた訳で、最後はちゃんと大団円を迎えられて良かったです