vaudou

vaudouさんの2月の読書メーター
記録初日
2013年02月22日
経過日数
1495日
読んだ本
313冊(1日平均0.21冊)
読んだページ
92075ページ(1日平均61ページ)
感想/レビュー
275件(投稿率87.9%)
本棚
4棚
性別
年齢
25歳

読書グラフ

最近の感想・レビュー(275件)

人と人が集うとそこに社会が生まれる。この自明の上に成り立つ世界は大きく広いが、その中に生きる人すべてを包括しない。普段から「常識」や「行儀」に照らして距離を探り合うことに慣れ過ぎていて、私たちはそれらを持たぬ声に思い至らない。それが交歓と呼ぶにはあまりに行ったきりな感情や発露に出会したとき、そこにもまたコミュニケートを図る思いが込められているということに。だが誰しもじつはそうした声を持つのではないか。あみ子という目を通じ、すぐそこにある発信と無数に存在する不通の声をも、今村夏子はすくい上げている。
★5 - コメント(0) - 3月25日

ロシアのホラー作家の本邦初翻訳。自身26歳のときに発表した処女作だそうだが、いずれも古き良きホラーの血脈を継いだ甲乙つけがたい短編が並ぶ。表題作「むずかしい年ごろ」よくもまあ蠢いていて素晴らしい(なにがとは言わない)。露の国の冷たい風土描写が怖さを底上げする「生者たち」もなかなか。
★4 - コメント(0) - 3月24日

「学校に行く道すがら、サンドロ、と名前を囁きながら一人で泣いた。アニタは母親の赤く腫れた顔に気づいていた。でも何も言わなかった。二人で手をつないで、彼らの空き地に着くまでにはそんな跡は消えていた。ほかの者は褒めた。ミジアは本当に頑張り屋だと。ミジアは、人がこれほどまで勇気と礼儀―内面にあるものと外面に見えるもの―を混同することに驚いた」
★6 - コメント(0) - 3月20日

ありとあらゆる小説技法(言葉遊び、2人称、タイポグラフィー、入れ子構造などなど)の見本市。この世にはおそろしく奇天烈なことを思いつく人だとか、気の遠くなるような労力をかけ、偏執的なまでに工夫を凝らして小説を書くような人間が大勢いる。そしてその精華は、往々にして難物である。本書はピンチョン研究の大家たる木原氏のわかりやすく、射程の広い手引きによって、そんなとっつきにくい実験小説という名の氷山に足をかける一歩目となりうるものだ。そこからよじ登れるか否かは読者次第。
★10 - コメント(0) - 3月11日

高橋ヨシキ氏は、人々を蠱惑してやまないティズニーの舞台セットの裏側に案内してくれる。ヒトラーと白雪姫、あるいはダンボと奇形。禁忌な歴史にも精通する著者ならではの切り口が、ディズニーの推進力は「魔術への信頼」と、一方で時流という「現実」から密に影響を受けてきたという背景を、皮肉にも浮き彫りにする。ウォルトが偉大な夢追い人だったのは明白だが、さらにマットペインティングやテクノロジーとの歩みをも掘り下げることでより立体的なディズニー考として読める。いかがわしさを孕んだ遊園地がディズニー化する変遷も面白い。
★13 - コメント(0) - 3月7日

やはりまったく油断ならない作家である。胡散臭く、とってつけた物言いの間隙に、思わずドキッとするような、まさに世の摂理を喝破した一文と唐突に遭遇する。それこそが古栗を読む快楽に他ならない。およそ人間性が甚だ欠如した精神や振る舞いにこそ、人間性の何たるかが宿っているとでも言いたげなその文章は、わりかし寛容なはずの小説界のTPOすらいとも簡単に踏み超えて疾走する。手垢のついたクリシェと文学表現が幸福に同居する、「グローバライズ」の双子ともいえる傑作中篇集。想像せよ。
★10 - コメント(0) - 3月2日

優れた文学は声無き声を拾い上げる。
★6 - コメント(0) - 3月1日

恋人同伴で訪れたスペインのリゾート地で起こる喜悲劇が、散文的なリズムで語られるボラーニョ流、夏の終わり。燦々と輝く太陽に背を向け、ボードゲームの記事を書くためウダウダと呻吟するウド。時折ビーチに出かけては<狼><仔羊>ら風変わりな現地人とツルむウド。オーナー夫人フラウ・エルゼに魅せられていくウド。そして<火傷>を誘い「第三帝国」に興じるウド。どこへ行こうと異邦人であることを体現した主人公は、異質なもの故かの地の周縁を彷徨うのみだ。初期の長編の時点で、すでにして死の気配が濃いことも含め示唆的。
★10 - コメント(0) - 2月24日

vaudouさんの感想・レビュー

著者グラフ

最近読んだ著者:今村夏子 アンナスタロビネツ アリス・フェルネ 木原善彦 高橋ヨシキ 木下古栗 フリオリャマサーレス ロベルト・ボラーニョ S‐Fマガジン編集部 チャイナミエヴィル
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