ネタバレ途中までこれは…と思っていた形式がありそれが当てはまりつつももう一つひっくり返す。湯川が推理するトリックが人々の気持ちとうまくまとまって物語になっている。完黙で無罪という実際の事件もあったし。ラストのまとめ方もうまい。ガリレオ長編は安定してるなあ。そしてこれはとある作品をうまくなぞっているがそれを明かしてしまうと全部わかっちゃう（笑）。

ネタバレ同年代の作家さんでずっと読んでいて「自転公転」が次々と賞をとってつぎはどんな長編を読めるのだろうと思っていたときに突然の訃報。最後の日まで書き綴られた日記。別れの言葉は言っても言っても言い切れないとある。ご自分もどんどんとでてくる症状と戦いながら病気の人への温かい言葉。これからもずっと読み続けますね。

ネタバレこれは評価がわかれるのがわかる（笑）。わたしはすごく好きな恩田陸。「ユージニア」もすっごく好きだもの。ある意味対話だけではなしが進むので読む人を選ぶよね。語られる作品と作者の謎がそれぞれ説得力のある言葉なのでこれを結論として受けるのではなく、万華鏡のようにそれぞれが回してみているのだと思う。いろんな映画や小説についてもでてくるのも好き。

ネタバレ認知症のカケイさんの語り。行ったり来たりを繰り返して彼女の人生が語られる。殴られ奪われ。手に職をでミシンを覚え文字を覚え。ミシンのリズムに乗せられていくところが凄まじくわたしもまた、足踏みミシンを一緒に踏んでいた。そして連れられていく場所へ。