NHK「100分de名著」の宮沢賢治特集から。ファンタジーだけでない賢治作品の一面。人間のどうしようもない裏の顔を描いた賢治作品ということでいくつか紹介されていたものの中から。女王になりたい赤い美しいダァリヤ、その取り巻きのような黄色い2本のダァリヤ、高い空をゆくまなづる、ひっそりと咲いている無口な白いダァリヤ。花の命は短くて。私を見てと美しく咲き誇る花よりも、色の変わらぬ松がよい。なんつって。賢治童話はやはり真意を汲むのが難しい。(童話に松は出てきません)
★47 - コメント(2) - 3月22日

再読本。子供のように小柄で童顔、猫のような目と人懐っこさを持つ猫丸先輩の日常の謎系短編ミステリー。最終話だけは、少し不気味なラスト。どれも猫丸先輩の推理というか推測で、それが決定打かどうかはわからないのだけれど、ついつい、この本の登場人物たちのように、ほほう、きっとそうだそうだ!という気分になってしまう。
★42 - コメント(0) - 3月19日

脚本家・作家、山田太一の選んだ、人間が生きることのかなしさを描いた作品のアンソロジー。中でも初めて読んだ時実新子の『私のアンドレ』が良かった。私の中の女の部分が共鳴したのか。女のかなしみ、いや夫婦のかなしみか。このタイトルのアンドレとは、もちろん『ベルサイユのばら』のオスカルである。他にも貧困家庭のかなしみ、戦争のかなしみ、差別のかなしみ、母国語を奪われるかなしみ、家族を亡くすかなしみ、同性愛のかなしみ。どれも人間の愚かさ、どうしようもなさ、抗いようのない運命のかなしみの物語。
★49 - コメント(3) - 3月17日

読んでいると、電車に乗りたくなる。駅そばで立ち食いしたくなる。関西の食べテツもいくつか載っているので(著者の荷宮さんが兵庫県出身の人なので)、近いうちに行って食べテツしてみたいと思う。駅弁は電車に揺られて食べるからこそ美味しいのでああって、買って帰って家で食べても美味しくないのでは?と思っていたことを反省。家で食べても美味しいものもあるらしい。巻末の東海林さだおさんとの対談もお2人それぞれの駅弁の話などおもしろい。
★45 - コメント(0) - 3月17日

名古屋には何度か行ったことがあり、その時に食べた名古屋めしのいくつかを思い出しながら楽しく読了。日常の謎系短編ミステリー。手羽先、カレーうどん、エビフライ、鬼まんじゅう、寿がきや、味噌おでん。そして、毎回必ず出てくる名古屋のモーニングと喫茶ユトリロの卵サンド(これが美味しそう!)。ユトリロの常連になりたい。読んでいると、近鉄特急に乗って名古屋へ行きたくなってしまう。シリーズ化してもらいたい!!
★46 - コメント(2) - 3月15日

簡単に出来て、豪快で、男が作る料理の紹介……と言いつつ、材料が庶民的でないものも時々混じっていたりするけれど、それでいいのだ。男なのだ。料理の作り方を知りたいというより、池田満寿夫のエッセイが目当て。奥様と仲が良さそうなところも素敵。
★47 - コメント(0) - 3月15日

監督小津安二郎の人となり、映画のストーリーなどと絡めて、小津映画に出てくる言葉から辿る古き良き日本の美しい側面。小道具、衣装、役者の話す台詞のひとつひとつ、細部にまで凝って凝って作り上げる理想の世界。私は小津映画で好きなのは、女の人たちの動いている姿。畳の上の新聞を拾い上げ、脱ぎ捨ててある背広を拾ってハンガーにかける姿。バケツの中で雑巾を絞り縁側を雑巾がけする姿。タイプライターを打っている姿など。読んでいると、小津映画を見返したくなること請け合い。
★35 - コメント(0) - 3月14日

版画家山本容子さんのプラハ旅行絵日記。憧れのプラハ。行ってみたいなチェコ。赤いノートに色鉛筆などで絵が描かれているため、見にくくて何が描いてあるのかよくわからないものもいくつか……。ブックオフオンラインで買ったので中身を見ていないので買ってしまったけれど、中身を見ていたら買わなかったなぁ。プラハのビールは美味しそう。
★28 - コメント(3) - 3月12日

俳人、中村汀女さんの手紙の書き方指南書。だいぶ昔に書かれたものらしく、今、誰かに書く手紙の例としては少し古いけれど、美しい日本語の連なりにうっとりと読了。
★41 - コメント(0) - 3月8日

3月8日水木しげる御大誕生日に読了。ノンフィクション作家大泉実成さんと水木しげる先生のマレーシア旅行記。世界中の妖怪(精霊)像を手に入れるため、フィールドワークも兼ね、マレーシアのジャングル奥地に住むセノイ族の村に滞在する。紀行文として、または水木しげるという人観察日記としてみても面白い。水木しげるが描いたセノイに伝わる妖怪画のページもたくさんもあり、お得な気分。大泉さんと水木御大コンビのメキシコ版とオーストラリアアボリジニ版も文庫化して下さい。お願いします!
★44 - コメント(0) - 3月8日

あんこ好き、あんこ部員としては、このタイトル気になってしまうじゃないですか。珈琲と和菓子は合うんです。もちろん、タイトル通り、豆大福と珈琲を用意して読み始める。初片岡義男。和菓子は、豆大福とたい焼きが登場。そして、この著者は珈琲だけでなく文房具にもこだわりがあるらしい。ノートブックの方眼の升目や万年筆のインクの話などとても印象的。あんこ好きだけでなく、文房具好きにもうれしい描写。
★57 - コメント(4) - 3月8日

特集の「旅人のおかえりごはん」という言葉にグッとくる。旅から帰ったら、これを食べたい、これを食べるという短いエッセイ。もう少し色んな人のおかえりごはんを知りたかった読みたかったなぁ。沖縄の美榮のお料理、白あんだぎいを食べてみたい。枝元なほみさんと平松洋子さんとの卵料理の対談。『おべんとうの時間』の阿部さんご夫婦のおべんとう(表紙のおにぎりは阿部了さんのおべんとう)。初めてこの雑誌を読んだけれど、写真も文章もとても素敵で眺めているのが楽しい。リニューアル前のku:nelをユニセックスにした感じ。
★51 - コメント(4) - 3月7日

病に倒れて以来、書き続けた「日記」。死の数時間前まで書いていたという。そのことを知って読み始めたので、読み終えてしまうのが怖いようなさびしい気持ちで少しずつ読んだ。自分の意志で自由にならない自分の体。毎日のリハビリ。奥様や飼い猫たちとの微笑ましい日々。新聞やニュースで知る、この国のことを憂う日々。自分のことを嘘吐きだと言う野坂さん。それでも、日本を思う心。後に残される若い人たちのことを思う心。戦争に対する気持ちには嘘は無かった。
★53 - コメント(3) - 3月7日

ものすごく久しぶりに読むanan。普段、官能なんて意識せずに暮らしてる。まずい……と思わないと、まずい、のか?まずい……のよねぇ?などと思いながら、私よりも若い“大人の女”の皆さんが語る男に感じる官能などを読んでいた。官能小説紹介コーナーなど。山内マリコさんの「結婚してみました日記」エッセイおもしろい。山内マリコさん、気にはなっていたけれど初めて読んだ。パフュームのインタビューあって、これは連載なのかしら?書籍化したら、まとめて読んでみたい。朝井リョウさんと古市憲寿さんの短い対談コーナーもおもしろかった。
★48 - コメント(1) - 3月5日

読友様の感想を読んで読みたくなって。名は体を表す、毒島は刑事と作家の二足の草鞋を履く。出版界内幕ミステリー短編集。悪を憎んでいるというより、合法的に人を罵ることが出来るのが楽しそう。うふふ、うふふと笑いながら人の心をガンガン抉る……だけなら、ただの嫌なおっさんなのだけれど、鋭く事件を解決してしまう切れ者刑事でもあるのだった。
★56 - コメント(3) - 3月1日

骨董屋、古本屋、洋服屋、理髪店、みみや(悩みを聞く)、5つのお店に関わる短編ミステリー。店主が殺されるもの、お店で謎の出来事が起こる日常の謎もの、お店が事件解決の証拠になるものなど。「潮騒理髪店」風景描写もいいし、さわやかな余韻が残る。
★56 - コメント(0) - 2月28日

杉浦日向子さんのエッセイ集。江戸に関する本の書評なども。夏の休日、朝からビール二度寝して、風呂。濡れた髪のままでトマトにかぶりつきまたビール。塩むすびをこしらえて、丸ままきゅうりに味噌つけて。ゴロゴロ読書して、夕暮れ冷奴と丸干しでまたビール。焼きおにぎりはきっと昼の塩むすびの残りだ。そんな日向子さんの休日、夏になったら実践してみたい。
★53 - コメント(0) - 2月27日

どこかにある少しだけ不思議な町の人たちの連作短編集。川上さんの描く、ちょっとなげやりで淡々とした感じのする中年女性が好きだ。この本だと、スナック愛のママ。お客がほとんど入っていることが無いのになぜかつぶれない。思わず「ざんげの値打ちもない」を検索してYouTubeで聞いてしまった。ちあきなおみの「夜へ急ぐ人」に次ぐ衝撃の昭和歌謡。この歌が十八番ってスナック愛のママの過去が気になる。
★61 - コメント(1) - 2月26日

雑誌『オリーブ』の創刊からの歴史、酒井さんの分析能力が冴えます。さすが、マーガレット酒井!雑誌を見て、かわいい……と、うっとりとしていたけれど、真似してみようと思ったことは一度もなかったなぁ……。
★57 - コメント(0) - 2月22日

能・文楽など日本の文化、源氏物語を出発点とする日本文学への愛あふれるキーン先生のエッセイ集。戦争を経験したからこその平和への想い。交友関係、三島、谷崎など文豪たちとの思い出。どれも美しい日本語で語られている。
★49 - コメント(0) - 2月22日

京都にある陰の一軍内閣 二条内閣に大阪府知事が教育改革を頼みにきて、文部科学大臣 新門辰郎が大阪の教育を変えるために乗り出します。なんといっても、ラストの二条首相の台詞「長いつきあいやったけど、小松はんまだわかってはりまへんなあ。言葉を間違えたらあきまへん。二条内閣は東京に『下る』のどす」(小松=記者が「上京される折には、取材をよろしくお願いします」と言った返事として)というところで思わずニヤリ。
★43 - コメント(0) - 2月19日

私の勝手な思い込みなんですが「絵や写真の第一線で活躍している人たちは文章もいい」というもの。この著者甲斐大策さんも例外ではなく、私の思い込みはまた強くなっていくのでした。冷静で非常に落ち着いているけれど、あたたかい目線を持っている人が多い気がする。そして、そういう人の書く文章は間違いなくおもしろい。大連生まれの甲斐さんが子供の頃食べた鍋貼(焼餃子)、アフガニスタンなど中東の地で食べる餃子に似た食べ物、中国本場の水餃(子)、それぞれに土地での思い出、人との出会いがある。
★48 - コメント(1) - 2月19日

清水ミチコさんと酒井順子さんのリレーエッセイ。といっても、前半はあまりお互いの前回のエッセイに言及せずにすすむ。後半になってくると、お互いのやり取りも増えてくる。エッセイのお題は、それぞれでリンクはしていない。清水ミチコさん物真似、TV番組での存在感、エッセイ(TVブロスの連載の書籍化)やブログが大好きなので、酒井さんがべた褒めするのも、わかるわかるーと同じミッチャンファンのような気持ちになってしまった。
★57 - コメント(0) - 2月18日

小川洋子さんの最新作『不時着する流星たち』の期間限定一話「誘拐の女王」だけkindleお試し読みキャンペーン。少女の母が再婚した相手の連れ子である姉との話。空想壁のある少女に、姉(精神に病を抱えている)は、自分はずっと誘拐されていたのだと打ち明ける……。不穏な空気を漂わせながらも、不気味ではないのが小川洋子さんの作品世界だなーと思う。
★42 - コメント(0) - 2月17日

読友さんの感想を読んで。戦争漫画のアンソロジー。石ノ森章太郎『くだんのはは』(原作・小松左京):近い将来に起こる凶事(大戦)を予期させられて恐い……。 星野之宣『落雷』:その落雷は原爆を忘れて暮らす日本人への天罰? 山上たつひこ『地上』:ロボットが管理する地下の牢獄から脱獄しようとした囚人。これが地球の未来か? ひらまつつとむ『飛ぶ教室』:たまたまシェルターに入った子供たちと担任教師、そこで核戦争が……。 諸星大二郎『百鬼夜行』:生物兵器? 続く →
★44 - コメント(2) - 2月17日

「海老のん」と「あかねぶー」の掛け合いが楽しい。この2人、もしかして……と思っていたらラストで、照れながらもくっついてくれて良かった!うん、菫子さんより、人間的にはあかねぶーの方がいいと思う!!日常の謎系ミステリーだと思っていたら、殺人事件なども2話ほどあり、どちらかというと、このキャラクターたちには日常の謎の方が合っているように思う。
★45 - コメント(0) - 2月17日

森見登美彦さんの対談集。メンバー:劇団ひとり、万城目学、瀧波ユカリ、柴崎友香、うすた京介、綾辻行人、神山健治、上田誠、羽海野チカ、大江麻理子、萩尾望都、飴村行、本上まなみ、綿矢りさの14人。最後に10年前の森見氏と現在の森見氏との今昔対談(小説)があり。万城目さんと、綾辻さんとの対談が良かった。全体的に京都に関する話が多かった印象。森見さんの作家としてのスタイルや、苦労、悩みなどが語られていて、ファンとしては、そうだったのかーという感じ。
★56 - コメント(0) - 2月16日

太宰治未完の絶筆『グッド・バイ』を元にした戯曲。こちらは・無しのグッドバイ。前半、太宰の描いた部分はかなり忠実に再現されていて、私がツボだった「おそれいりまめ。」もちゃんとキヌ子の台詞にあった。戯曲だから読みにくいかも?という先入観に反して、非常に読みやすくてどんどん読めた。元の設定とドタバタテイストをそのままに、太宰が書けなかったその後の話が描かれている。太宰に対しても登場人物たちに対しても愛があり、読んでいて幸せな気持ちになった。これは、舞台を見たかったなぁ!!
★49 - コメント(0) - 2月14日

太宰治の絶筆。未完の書。田舎の妻と子を東京へ呼び寄せ、身辺整理をしようとする編集者・田島周二、汚い声にガサツな言動大食らいの怪力女だが絶世の美女・キヌ子に妻のふりをさせて愛人たちの元を訪れるドタバタ劇。未完なので、これからというところで終わってしまっていて続きが読みたくなる。太宰はこの後、どんな風に話をもっていこうとしていたのかな。どういうラストを思い描いていたのだろう。つぶやきでも書いたけれど、キヌ子の「おそれいりまめ。」がツボに入ってしまい読みながら爆笑してしまった。
★51 - コメント(3) - 2月13日

著者の久世光彦が子供の頃、父親の書棚から抜き出し、親に隠れてこっそりと読んだ「大人の悪い夢をみせてくれる本」。乱歩、海野十三、久生十蘭、稲垣足穂、鏡花、岡本綺堂など……。こっそりと隠れて読むことで一層甘美な毒がまわる。他にも、漱石『吾輩は猫である』に対する偏愛。本に関する様々が美しい文章で語られていて、またもや、読みたい本が増えてしまう!!『一九三四年冬―乱歩』再読したくなった。
★50 - コメント(6) - 2月13日

『しゃばけ』シリーズ十四弾。空を飛びたい男の「妖になりたい」、忘れられた元・道祖神の「人になりたい」、猫又の長を決める対決の「猫になりたい」、不思議な子供を拾った男と見合いをした女中のおようの「親になりたい」、若くして亡くなった跡取り息子の幽霊の「りっぱになりたい」。色んな「なりたい」が若だんなに持ち込まれる。さて、若だんな、生まれかわったら何に「なりたい」?
★53 - コメント(2) - 2月11日

朝ごはんのアンソロジー。ごはんとお味噌汁で和風の朝ごはん、それとも、トーストとハムエッグスの洋風の朝ごはん。はたまた、中華風にお粥や、ベトナム風にフォー。子供の頃に、母が作ってくれた朝ごはんの思い出、家族のために自分で作る朝ごはん。旅先のホテルで、海辺の旅館で。和風派は、卵かけごはんと、納豆ごはんが多い。一番食べてみたいのは、吉村昭さんの『朝のうどん』の瀬戸内海の小さな島で地元の人しか行かないうどん屋さんのうどん。今回、初めて読んだ筒井ともみさんの他の本も読んでみたい。
★61 - コメント(2) - 2月11日

再読。繰り返して読むと、その恐さがまた身に沁みる。国民生活楽しさ指数の向上を目指す「大ケラー国」が介入した後の自己満足的な正義感と楽しさ(テレビで戦争のニュースを見ながら他人事の義憤を感じている自分にも通じる)や、フィルが死に人数が逆転した途端、凶暴化し外ホーナー人に襲いかかる内ホーナー人。大いなる創造主に「今度こそ」と願いを吹き込まれ作られたはずなのに、またも、自分とは違う者に対する憎しみが生まれ……。フィルのそばで寛ぐリオーナが、不穏な空気を感じさせEND……。うーん……やっぱり、恐い!!
★46 - コメント(0) - 2月10日

早稲田大学の探検部出身のノンフィクション作家、10年先輩の高野秀幸さん、後輩の角幡唯介さんの対談集。探検と冒険との違い、探検部に入ろうとしたきっかけ、探検部の活動、探検部気質から、お互いの旅・冒険の話、作家としてのスタイルの違い、文体の話、小説とノンフィクション、お互いの著作についてなど、語り合った一冊。高野秀幸さんしか知らなかったけれど、とてもおもしろく読めた。
★55 - コメント(2) - 2月10日

著者の金田さんが自宅用の活版印刷機を購入し、季節ごとに知人に送っていた葉書が一冊の本に。私も活版印刷のあの文字が大好きで、同じ本でも出来れば、昔の活版印刷の機械で印刷された本が買いたいと思う。こんな葉書が届いたらうれしいだろうなぁ。とにかく、葉書に使用している紙、印刷された文字、絵など全てが抜群のセンス。少しレトロな雰囲気があり、それが活版印刷の文字とすごく合っている。眺めているだけでうれしくなる。
★48 - コメント(0) - 2月9日

大人向けのジェノサイド寓話。翻訳者、岸本佐知子さんが、#反トランプ・ブックフェア として「ほんとに今こそジョージ・ソーンダース『短くて恐ろしいフィルの時代』を多くの人に読んでほしいんですよ」とツイートしておられ、図書館で借りてみた。小国「内ホーナー国」を大国「外ホーナー国」がどのようにして支配し、小国の人々を自分たちとは違う恐ろしい存在として抹殺しようとするのか、権力を握る者、追従する者、無責任なマスコミ。ブラックユーモア満載で笑いながらも、恐い、恐い話だ。
★81 - コメント(0) - 2月9日

ドイツ・オーストリア・チェコの教会、礼拝堂、墓を巡る旅。引用>> まず第一に、一人称の死体は存在しない。自分の死体というのは「ない」。自分の死体が生じたときには、それを見る自分がいない。/ 二人称はなかなか死体にならない。その人だとわかる部分が残存する限り、それはその人そのものなのである。自分の親の死体を指して「死体」と表現する人はいない。/ 死体が人称変化するということは、死体は「客観的事実」などではなく、人そのものだということである。
★50 - コメント(0) - 2月7日

イタリアの料理を軸に展開する人間模様を描いたエッセイ集。カラブリアの無口な漁師三兄弟、カラブリアのことが知りたくて毎週金曜日兄弟が出店する市場へ魚を仕入れに行く。豊富な海の幸の描写に、漫画『るきさん』でイタリアへ行ったるきさんが「魚好きな私にはうれしいです」っていう場面を思い出した。ミラノの街中の話もあるけれど、どちらかというとイタリアの田舎での料理やワインの方が印象的。近所の農家でとれる食材が出てくる村のレストランや、リグリアのワイン工場で飲むワインなど。美味しそうで食欲が沸く。
★56 - コメント(0) - 2月7日

イスラエル人の著者が描く、戦闘の続くテルアビブの街で息子が生まれた日から、ホロコーストを生き抜いた父が死ぬまでの7年間を描いたエッセイ集。非日常が日常になる日々。アイロニカルなユーモア。息子・妻をはじめ、兄姉・家族への愛。爆撃があり、建物が壊れ、人が死ぬ……そんな街でも、子供は生まれ、そして育っていく。くすっとさせられたり、ほろりとさせられたり。兵役中の著者が夜に書いた処女作を持ち、誰かに読んでもらいたくて、早朝、兄の家を訪ねる「ぼくの初めての小説」がとても好き。
★59 - コメント(1) - 2月6日

シリーズ3作目。今回、娘のミーユンちゃんがパリのリセへ。下宿先の家族に可愛がられて、そこの家の長男と恋愛関係に……。どこまでも妻と娘に甘い優しい近藤さん……と思いきや、心に抱えた前妻の死と闇の章を読んで、胸がつまった。もしも、近藤さんがシリーズ一作目『サイゴンから来た妻と娘』の後、会社を辞めて作家として暮らしていたら、こんな早過ぎる死は迎えなかったのかと思ったりもする。これは過労死じゃないの……。もっと生きて、もっと作品を残してもらいたかった。
★45 - コメント(0) - 2月5日


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