かつみす

かつみすさんの2月の読書メーター
記録初日
2014年07月30日
経過日数
971日
読んだ本
149冊(1日平均0.15冊)
読んだページ
44996ページ(1日平均46ページ)
感想/レビュー
148件(投稿率99.3%)
本棚
2棚
性別
現住所
大阪府
自己紹介
仕事と雑用の合間にちょこちょこ読んでいます。
好きなのは文学。小説が多かったのですが、最近は細切れ時間でも読める詩や古典にも興味がわいてきました。
電子書籍端末も愛用しています。自炊ができるよう悪戦苦闘中。。
(2017.1)

読書グラフ

最近の感想・レビュー(148件)

震災直後の2年間、東北各地をめぐって目にしたものを描いた、スケッチ集のような作品。最初のあたりは被災の傷跡が目につくけれど、本全体としては、祠や塚、お社、商店街、駅、バス停、史跡といった、ちょっと寂しくて、でもどこか懐かしい光景が、丁寧な筆致でいつくしむように描かれていく。とぼけた案内役の〈日の鳥〉君は、こうのさんの昔の作品「こっこさん」に出てくる、目つきの鋭いニワトリに似ている。そういえばあのマンガには、絵を描くことに熱心なお姉ちゃんが出ていた。あの子が大きくなったら、こんなスケッチを描いたのだろうな。
★2 - コメント(0) - 3月26日

茨木のり子『詩のこころを読む』に所収の「夕方の三十分」という詩に惹かれ、それがもともと入っていた詩集を入手。1960年に出版された時のままの形で復刻。妻は病気で療養中。だから幼い娘ユリの面倒は、〈オトーチャマ〉の「僕」が見なければならない。朝、手を引いて幼稚園に連れて行き、遅れて出勤する後ろめたさ。大酒を飲んで娘を泣かせて自分嫌悪。そんな自嘲ぎみのユーモアの先に訪れる、小さな人との静かで美しい時間。まさに夕方の30分で読める小詩集。温かい気持ちになりたい時に。同じ詩人の『ひとりの女に』も復刊を希望します。
★6 - コメント(0) - 3月24日

現存する最古の歌集『万葉集』。7~8世紀という気が遠くなるほど昔につくられたのに、そして言葉も相当に変わっているのに、そこに盛られた人の感情は、今とさほど変わらない。道ならぬ恋も含めて、男女の愛をうたう相聞歌と、愛しい人との別れを嘆きつつうたう挽歌に優れたものが多い。終わり頃の大伴家持の歌も良いものがあって、不遇な晩年のことを知ってよけい好きになった。そういえば昔学校で読んだな、という歌にたくさん出会えた。その時は呪文のようにちんぷんかんぷんでも、小さい時に言葉のリズムに馴染んでおくのはとても大事と思う。
★9 - コメント(0) - 3月22日

「考えに線を引いて、それ以上は考えられないようにできればいいのに。でもハリネズミにはわかっていた。それは無理だということが。」他人とつながりたいと思っても自意識過剰で踏み切れず、頭のなかで次々に想像を組み立てては壊していく。そんなことは自分にもある。それは苦しいことだけど、想像のなかでハリネズミを訪問する数々の動物たちの姿に接していくと、孤独であることもそれなりに楽しく、他人についてあれこれと思い悩むこと自体にかかわりの種子があるとも思えてくる。やがて訪れる現実でのささやかな出会いにほっとして本を閉じた。
★12 - コメント(0) - 3月20日

扱っている詩の多くが、童話屋『ポケット詩集』とかぶっていて、この本が種本だったと分かった。気に入ったのは黒田三郎、石垣りん、吉野弘といった人たちの作品。金子光晴の詩に触れて、日本の詩は「哀」を基調としたものが多くて、「怒」をあらわすものが少ない、という指摘にはっとさせられた。詩もすばらしいけれど、それに添えた文章が作品を的確に論じていて、でも冷徹にならずに温かみのあるものになっていることに感心。文章から浮かび上がる茨木さんは、歯切れの良い、気丈な人生の大先輩。あまり詳しく知らないけれど、当たっているかな。
★11 - コメント(0) - 3月19日

キリスト教が禁じられた江戸時代の日本。ポルトガル人司祭のロドリゴはマカオから九州に潜入し、日本人の隠れ信徒を鼓舞しようとするが、捕縛され長崎へ。信仰を棄てるよう次第に追いつめられていくロドリゴの心理が、じっくりと書き込まれていく。日本人通辞や奉行、そしてかつての師と繰り広げる、信仰をめぐる深いやりとりも読みどころ。ロドリゴと、その行く手に現れては消えるキチジローのペアは、イエスとユダの関係に重なる。信仰をめぐる人の弱さをじっと見つめる物語。50年前の作品だけど、いつになっても古びそうにない歴史小説の名作。
★34 - コメント(0) - 3月14日

人あたりの良い好男子のディック・ダイバーは、精神を病んだ美しいニコールに惹かれ、結婚するが、次第に行き詰まり、全てを失っていく。その過程が凝った文体で描かれる。『ギャツビー』と比べると上手に書けた作品とは言えないけど、『夜はやさし』はずっと痛々しい話で、こちらの方が心にズシリとくるような。若い女優ローズマリーをはじめ、ヨーロッパを転々として暮らすアメリカ人それぞれの個性が丹念に描かれているのも魅力。無残な話ではあるけれど、明るいリヴィエラの浜辺で過ごすダイバー夫妻の幸福(そう)な姿がずっと頭に残りそうだ。
★5 - コメント(0) - 2月28日

広瀬正『マイナス・ゼロ』には、『陰獣』のネタばらしがあっけらかんとされているから要注意。このSFにそんなネタばれがあるのは、ちゃんとした理由があるのだけど、もうこれ以上言えない。「屋根裏の散歩者」などへの間接的な言及があるように、この小説は乱歩による自画像の試みという性格がとても強い。おぞましいエログロ作家=犯罪者である大江春泥と、理知的な探偵作家「私」との知恵比べが物語の主軸だけど、どちらも乱歩自身の一面なのだ。乱歩こそ、理知と怪奇を融合したE. A. ポウの正統的な後継者だということが納得できる一作。
★5 - コメント(0) - 2月17日

かつみすさんの感想・レビュー

著者グラフ

最近読んだ著者:こうの史代 黒田三郎 トーンテレヘン 茨木のり子 遠藤周作 F.スコットフィッツジェラルド 江戸川乱歩 広瀬正 太田治子
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