ぱんなこった

ぱんなこったさんの2月の読書メーター
記録初日
2015年08月10日
経過日数
594日
読んだ本
196冊(1日平均0.3冊)
読んだページ
55716ページ(1日平均83ページ)
感想/レビュー
67件(投稿率34.2%)
本棚
2棚
性別
自己紹介
マイペースな読書を心掛ける、保守的なミーハーです。読書以外には音楽、映画、珈琲、ファッションが好きです。

読書グラフ

最近の感想・レビュー(67件)

リアルに描かれた一人の男の人生記。そう聞いていたものだから、ぼくの記録されていない人生のスペースが解析することを拒否するのではないかと。若輩者に充てられた際限ある尺によってストーナーの人生を宛がいながらも、彼の人生の終演は自分の人生の終わりを意味したかのような感覚に囚われてしまったのはなぜだろうか。個人を越えた人間の根底にある汎用性という川の流れに、一匹の稚魚が流さてしまったような物語がきっかけだろうか。
★10 - コメント(0) - 2月22日

過去の足枷に縛られて生きていけるほどの気概はない、とは言え前に進むには分別が付きすぎている。そんな老緑のような境地に至った夫婦の生活を淡々と進められていくのだから、そりゃ地味極まりないのも仕方がないのだろう。しかし、極めて日常的で恒常的に起こり得るフワッとした考えが深化させられた思考として文章に織りなされる漱石の手腕。生のまま移り変わる四季を捉えたような質素ながら味わい深い文章の余韻に浸ることが出来るのも日本人だからであるし、それは慶賀すべきことであると思う。
★17 - コメント(0) - 1月31日

これまでの彼の作品にみられる一人称を主軸とした村上作品特有のエキスを、意図的に排している。それは、カメラワークのような中立的な語り手だからこそ成し得たニュートラルな視点の炙り出しに成功しているからであろう。たしかに実験的であると評される本作だが、内容はかなりコントロールが効いている印象だ。後半の姉と一体化を図ろうとする描写がマリの真夜中の歩みを端的に示したものであるならば、眠っている姉の存在が【夜】という異界のメタファーであり、マリは姉に近づくために【夜】に足を踏み入れたということになる。
★15 - コメント(0) - 1月20日

岡田亨や綿谷昇はリアリズムとしてもっている本来の特性だけではなく、メタファーとして捉えることが可能だ。それは「善/悪」でもいいだろう。厄介なのは単なる二元論で整理出来ず、悪は入り交じってくる。それも、悪は気付かないほど巧妙に。他の登場人物だってその二人のメタファーの延長線上にあるより細分化されたメタファーとも捉えることが可能だろう。こうしたクミコを巡る二人の綱引き合戦は過去の物語の一部として編み込まれひとつの年代記となる。これまでのような分断された「ぼく」だけの物語じゃなく。
★9 - コメント(1) - 1月16日

物語が核心部に向けて急降下するにつれて、その深度は際限なく奥行きを広げていく。岡田亨と同じように、読者は井戸の底へ下っていかなくてはならない。そして、井戸の底にある一面真っ暗な暗闇の中で、ただ手探りに、実態のない「なにか」を掴みとろうと奮闘する。再三掴み取ったと思っては消えてしまう実態のない「なにか」との終わりなき闘争に、やれやれ。とため息を吐いてしまいながらも、居心地よく居座ってしまう僕は立派な村上主義者だろう。
★10 - コメント(0) - 1月6日

リアリズムの典型といってもいい岡田亨の一人称をベースに、非リアリズムの色彩が融和してくる。それは、リアリズムなのに歪であることと非リアリズムでありながら論理的であることの交わりで、シュールともいえる。この奇妙な結合こそが〝ムラカミワールド〟の真骨頂である。消えた猫、幾度となく鳴り止まない電話、奇妙な名前の人たち、深い井戸、超然的な能力。アーヴィングのようひたすら繰り返されるリフレインに乗って広がり続ける風呂敷に上手い具合に身体を乗せることが出来たなら、あとは物語がもつ「熱」に引っ張られていくだけだ。
★13 - コメント(0) - 1月3日

メタ的な作品にあたることが多い近年。SF、現代文学、ミステリーと領域を区分することなく使用される手法である。読者が作品の外から汲み取る「曖昧さ」のようなものを、加工しない、ナマモノノママで否応なしにつきつけてくる小説構造のことだとぼくは思っている。その分勘が働かない(ぼくみたいな)人間でもグサグサ刺さってくる。それに、結局これだけの分量にもかかわらずメインとなる登場人物のキャラクターがほんのわずかしかわからないってことになるんだから、登場人物の確認の意味でも次作を読みたくさせるのは上手いなー。
★51 - コメント(0) - 2016年12月31日

強烈な激烈感を透明感あるクリアな文体に封じ込めた、「コインロッカ~」をはじめとした諸作品の特徴は影を潜めている。かれの文体への濃度が、作品における臭いに比例するとするならば、この作品は限りなく密度が低いため、くせがなく読みやすいよう感じる。そういった意味でも龍の作品でこの作品が一番すきだ。彼のエッセイでみられるような、直截的でありながら断定的な物言いに、居心地のよさを見出だしたとき説教されているような気分になる。ぼくにとって龍は説教文学である。(なんじゃこの感想は)
★9 - コメント(0) - 2016年12月20日

ぱんなこったさんの感想・レビュー

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最近読んだ著者:岡崎京子 宣伝会議 村上春樹 天野祐吉 是枝裕和,樋口景一 樋口毅宏 鶴田謙二,梶尾真治 キネマ旬報映画総合研究所 こうの史代 ジョン・ウィリアムズ
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