良かった。「誰かいい人いない？」「なんかピンとこないんだよね」結婚相談所の小野里さんの言葉が、痛いところをついている。謙虚なようでいて、みんな自己評価額が高すぎる、確かに。

良かった。マルティン・ベックの本人や家族、仲間たちの人間くさいところが明らかになっていく。イライラの矛先が全て若いスカッケに向いてたり、ラーソンには腕力しかないのかと思ったら粘り強さと裕福な育ちだったりと、みんなのやり取りも楽しめた。しかし、この新訳シリーズここで止まってしまうらしい。残念。旧訳は英語版からだし、どうしても今ほど簡単にスウェーデン情報を手に入れられてないだろうからなあ。

良かった。「誰かいい人いない？」「なんかピンとこないんだよね」結婚相談所の小野里さんの言葉が、痛いところをついている。謙虚なようでいて、みんな自己評価額が高すぎる、確かに。

良かった。ベックの仲間や家族の人間像がどんどんくっきりとしてきた。身近な人たちみたい。スウェーデンでも、時代がちがっても、地方や人種の差別は根深いと思った。殺人の理由があまりに身勝手だが、身勝手じゃなければ、犯罪のその一線を越えられないだろうな。

菱木晃子さんの講演会を聞いたので、手に取った。ジュニア向けの伝記のよう。北欧ミステリーが好きでよく読むけれど、デンマークとスウェーデンの関係性は知らなかったな。

小説で読む、リアル謎解きゲーム。登場人物が誰役なのか混乱して、何度も配役ページを読み返した。自分がピップになったかのように楽しめた。なぜ、ピップが自由研究のテーマを殺人事件に選んだのかの流れが上手く説明されてた。なるほどの前日譚となっていた。

楽しかった。血の繋がりだけが家族じゃない。家族だと、大事な人たちだと思えたらそれが家族。移動図書館に乗って、物語の世界を楽しみながら現実からの逃避行ができたら自分の存在そのものも曖昧になって、なりたいものになれる気がする。虐待といじめがきっかけになっているのが辛いけど、どうやら希望の光が見えてきそうだ。明るい物語の終わりは、救い。

良かった。自分の母親に、なかなか面と向かって聞けないけど、ゆったりとしたいい時間が持てたんだろうな。優生保護法、嫌な響きだね。誰もが老いるし、病や事故で不自由になることだってある。効率化を目指すことで余裕が生まれるならいいのだが、どうもそんな感じに思えないのが悲しい。

熱い思いを感じることなく、歴史を斜め上から見ているような気分だった。何かにすがらなければ生きていけない時もあるだろうけれど、どうしても宗教の組織には胡散臭さを感じてしまう。自分に敬虔さが足りないからかな。

元ヤクザの祖父、宗教にはまる祖母、聾の両親。なかなかの家族構成。家族だからこそ、照れもあって伝えきれない思いが上手く消化できずに、距離をとってしまう。思いを伝えるって難しい。著者が社会人として生活できてるってことは、悪くない家庭だったてことだよね、きっと。

良かった。丸山正樹さんとの対談を読んで知った作家さん。身内の誰かのためって言葉や態度、そこに自己満足や自己顕示欲が一つもないってことはないだろう。家族だからこそ、そばにいなければならないってこともなくて、適切な距離を保っていられればいいのに。思いの強さや家族の歴史が、素直な表現を邪魔しちゃうのも。意外な展開だったけれど、衛、健蔵、妙子、百合の行動はきっと自分でもやってしまうだろうと思った。偏見、根強いな。

基本的な命名ルールはあるけれども、あれ？っていう名前たち。面白かった。

ウイキペディアに、こんな関わり方があるんだね。なんか、読みづらかった。

面白かった。主要人物が死ぬはずはないと思いながらも、もしかしたらとドキドキだった。いろんな人物がいろんな思惑を抱えながら、目の前の敵に向かって行く。組織の上の方に立つ者は、どいつもこいつも自己顕示欲の強い俗物のように見えてくるね。