2020年7月の注目本!トレンドワードまとめ

読書家が集まる読書メーターで2020年5月-6月にアクセスが多かった本の情報をピックアップ!

注目の新刊から、ドラマ・映画・アニメなどメディア化作品の原作小説、社会情勢を反映した再注目の作品も。
一部作品には試し読みも。ぜひ読みたい本を見つける参考に。

*感想・レビューはネタバレを含む投稿を除き、ナイスが多い順に自動で表示されます。

注目のできごと

緊急事態宣言の解除、2020年上半期 芥川賞・直木賞候補作発表

#コロナ時代の僕ら

ヴェネツィア

24時間限定公開版で。著者のジョルダーノは作家だが、大学院では素粒子物理学を専攻。本書は、そんな著者によるコロナ禍に対する緊急アピール。分析は数学モデルを用いて冷静沈着になされるが、それを語る思い、さらには今、一人の作家として、そして現代に生きるインテリゲンチャとして、ぜひとも緊急に伝えなければとの思いは熱い。それは、とりわけ「あとがき」に何度も繰り返される「僕は忘れたくない」に顕著に表れているだろう。コロナウイルスから自らを守ることよりも、弱者(さまざまな位相の)を巻き込まないことの責任を強く説く。

ナイス ★642

美紀ちゃん

2020年4月に出版。 まだまだもやもや時期なのに、的確な指摘だと思う。コロナを止めるにはワクチンが必要。中国武漢市の市場では様々な野生動物が生きたまま、互いに密接した状態で扱われていた。異種混合は病原体が伝染しやすい。この病原体がなぜ発生したのか?つきとめることは、重要な疫学のミッション。秘密実験の研究室からアンプルがひとつ盗まれた説。 万里の長城は月から見えるという噂があるが、確かに巨大だが幅がひどく狭い。月から見えるはずがない。フェイクニュースは広まりやすい。無数の憶測がさらに増えて不正確な思考に。

ナイス ★302

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#ロザン菅 京大式

京大芸人式日本史
鉄之助

巻末の「宇治原チョイス語句」を選んでから、一気に書き上げたような1冊。読むほうも、一気に飛ばし読み。

ナイス ★114

mj

わかりやすいです。情報量も抑えめ。ここを突破口に、苦手意識を克服... できるのか?

ナイス ★69

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#太宰治 孫 石原燃

鉄之助

祖父・太宰治から3世代にわたる芥川賞ノミネート。母・津島祐子も2度、候補になっている。”3度目の正直”ならず石原燃のデビュー作は受賞を逃したが、作品としてなかなか面白かった。「父親を知らない家で育つ」と、男を見る目がない、というフレーズにドキッとした。家庭を顧みなかった太宰の残滓が、こう言わせたのか…と思ってしまった。何人もの「死」が描かれるが、母の臨終の場面が忘れられない。 続く →

ナイス ★252

starbro

第163回芥川龍之介賞受賞作・候補作第二弾(2/5)、石原 燃(太宰治の孫)、初読です。太宰治、津島佑子、石原 燃と親・子・孫、三世代の作品を読むとは思いませんでした。芥川賞候補作らしい暗さ、暗さという太宰治のDNAは引き継がれているようです(笑)但し、本作には芥川賞受賞する程の新しさ、パワーは感じられませんでした。 https://ddnavi.com/review/641873/a/

ナイス ★227

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#淡交社 能楽ものがたり

starbro

澤田 瞳子は、新作中心に読んでいる作家です。能の曲目のストーリー(私は、薪能を一回観ただけの超素人のため、ほとんど解りません)からインスパイアされた8編の時代小説連作短編集でした。オススメは、『やま巡り─山姥』&表題作『稚児桜─花月』&『秋の扇─班女』の3本です♪

ナイス ★267

修一郎

梵唄でも動植綵絵でも澤田さんの本を読むときにはテーマとなる芸能を映像で鑑賞しながら読むんです。今回も元ネタの能楽を鑑賞しながらです。相変わらずどの能楽も同じに聞こえてしまうけども。お話の一つ一つは能のストーリーそのものではないんですが,それでも謡の中に豊かな物語が含まれていることが実感できて堪能しました。でもね,出版社は淡交社だし,これ,能楽に親しみをもってもらうために創作した企画本ですよね。なぜこれをわざわざ直木賞候補にしたのかが不思議。澤田さん,他にもがっつり人と歴史を描きこんだ作品が多々あるのに。。

ナイス ★152

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#今村翔吾 直木賞候補

じんかん
鉄之助

”天下の悪人”と思われていた松永久秀の違った面を、ビビッドに描いてくれた大作だった。信長が狂言回しのような役回りで、筋が展開するのも新鮮だった。松永は「成り上がり」に違いはないが、文字を書くのが上手く三好家の祐筆から出世が始まったり、茶の湯では千利休の”兄弟子”だったり、懐石料理を自ら作って客人をもてなしたり……、なかなかの教養人だったのかも知れない。戦国時代の面白さを十二分に堪能できた。

ナイス ★633

starbro

今村 翔吾、2作目です。松永久秀の物語は、何作か読んだことがありますが、織田信長が、松永久秀の半生を語ると言う構成にまず驚かされました。今まで松永久秀≒極悪非道な梟雄というイメージですが、180°ひっくり返り、正に義の人です。歴史は勝者が著わしているとは言え、どちらが史実に近いのでしょうか?いずれにしても圧倒的な快作、本書で直木賞再ノミネート、受賞もあるかも知れません。織田信長も松永久秀も私も無神論者です(笑)

ナイス ★619

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#アイスプラネット 中2国語 教科書

アイスプラネット
☆よいこ

中学2年生の国語にお邪魔してブックトーク。▽ぐうちゃんはインドシナ半島から帰ってきたよ。シカの開きを食べたらしいよ、写真のインパクト大。1キロメートルのアナコンダの話は本当だと思う?教科書の話には出てこなかったけど、主人公には小4の妹のんちゃんがいて、カタツムリを捕まえてくる。カタツムリの足は1本だね、2本~10本の脚をもつ生き物はそれぞれ何かな?世界を見てきたぐうちゃんの話はほら話に聞こえるけど、すごく面白い。ぐうちゃんと主人公は山に登って土星観測をする。その後北極圏に行きアイスプラネットの写真をとるよ

ナイス ★78

BlueBerry

課題図書に良さそうな本だと思いました。大人でも勉強になる事が多かったと思います。小説とゆーよりもエッセイみたいな感じかな。

ナイス ★49

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#山月記 現代文 教科書

ヴェネツィア

中島敦の小説の中では、高校の教科書に掲載されることの多い『山月記』がもっともよく知られているだろう。では、彼の最も真骨頂を発揮した作品はといえば、それはやはり『李陵』だ。「漢の武帝の天漢二年九月、騎都尉・李陵は歩卒五千を率い、辺塞虜鄣を発して北へ向った」―この最初の1文から、既に我々読者は紀元前1世紀の広大な中国大陸の辺境へと誘われるのである。そして、中島敦の描く李陵、司馬遷、蘇武、それぞれの運命や行動を追体験するのだ。中篇小説でありながら、あたかも大長編を読んだかのような読後感もまた特筆に値するだろう。

ナイス ★425

ehirano1

僭越ながら、当方の読書経験からこういう薄い本は難解か面白いかのどちらかである場合が多いのですが、これは後者でした。とは言え、注釈多いし漢文もあってすんなりとはいきませんけど、推測しながら通読した後、注釈で確認しました。まるで国語の試験を受けている錯覚に陥りましたが、不思議と嫌な感じはせず、むしろ楽しかったくらいでした。再読したい良書だと思います。

ナイス ★281

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#大河の一滴 世界一受けたい授業

三代目 びあだいまおう

大作家が、自身の経験を踏まえて紡いだ自己啓発本は初めてかも。いや、自己啓発ではない。自分を見つめ直す捉え方の示唆というべきか。とても共感し共鳴した。物事や世の中をどう見てゆけばよいのか、ストレスフルで、簡単に自己嫌悪に陥りがちな現代。生きてることそのものに価値があり、マイナス思考も大事だと説く。苦しんでいる人がいたら、頑張れと励ましの言葉をかけるのでなく、相手に寄り添いその人の苦しみを分かってあげることこそ大事と。今を生きる全ての人に、あなたはそのままで素晴らしいんだよと示してくれる自分応援歌です‼️🙇

ナイス ★311

ehirano1

読中はひたすらページを捲り、そして読後は著者から教えを受けたような感覚になりました。そういう意味では著者と対話ができたのかなと、とっても満足のいく読書となりました。再び著者と話したくなったら、再読しようと思います(こういう時、本というのは有難いですね)。

ナイス ★235

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#わたしの幸せな結婚 なろう小説

海猫

美世は名家に生まれたものの、虐げられて育ってしまう。そんな彼女が冷酷無慈悲と噂の若き軍人、清霞のもとへ嫁入りを命じられる。まず形だけの結婚が先にあって本当の愛が生まれるといった話や雰囲気は、少女向けライトノベルの味わいが強い。清霞が一見冷たいようで実は不器用な人で、彼の愛情に美世が心開いていく心理も良く描けている。前半は展開上、重いが後半で事態が一気に好転していく様は爽快。定番の展開だが、期待通りに盛り上がった。異能設定は最初必要か?と思ったがこれも後半派手に見せ場がある。気になる引きがあるし次巻も読む。

ナイス ★490

guinness mama

★★★★★ この世界観好きだ。ヒロインのしなやかな強さも好き。サクサク、既刊4巻、一気読み。コミカライズ版も2冊読了。感想は5巻が出る前、もう一度、一気読みしようと思っているのでその時に。

ナイス ★372

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#未来少年コナン原作

Tadashi_N

テーマの重さが児童文学を越えている。コナンの原作というより原案。宮崎駿は偉大。

ナイス ★32

ぷるっちょ

ツイッターで「復刊ドットコムで『未来少年コナン』の原作が復刊!」と流れていたので購入。アニメの方は最近「ニコニコ動画の岡田斗司夫ゼミの解説動画」を一通り視聴済み。アニメの原作とはいったものの舞台設定が同じなだけで全く別な作品だった。モンスリーが出てこない。コナンとジムシィも仲良しコンビじゃない。津波が来たところで物語は終わっているが、アニメの方はそこからが本番。本作からアニメの展開を考えた宮崎駿はやっぱり天才だな。

ナイス ★20

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#アーヤと魔女原作

アーヤと魔女
海猫

孤児院で育ったアーヤが魔女の家にひきとられたものの、こきつかわれるばかり。アーヤは魔女をやりこめようとするが…といったお話。主人公の少女アーヤが好奇心と勇気の持ち主なので応援したくなる。作品のイメージがカラフルな上に、佐竹美保の色彩豊かなイラストがたくさん載っていて大いに気分が出た。ただし、これからさらに展開するストーリーのプロローグ部分だけ読んだ印象。おそらく連作になるはずの作品だったのだろうけれど、著者が亡くなってしまって残念無念。ジブリで宮崎吾朗監督によって3DCGアニメ化だそうで、ほどほどに期待。

ナイス ★125

さつき

アニメを観て尻切れトンボな感じが気になりましたが、原作を読んでもそれは埋まらず。著者最後の作品とのことなので、おそらく本当はもっと長い物語だったのでしょう。アーヤの生い立ち、子供を捨てた母の事情、マンドレークとベラ・ヤーガの関係の謎などがアーヤの成長と共に描かれるはずだったのでは…と思うと残念でなりません。いつも調子よくバイタリティ溢れるアーヤは愛すべき存在。彼女の活躍をもっと読みたかったな。

ナイス ★78

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#アミ小さな宇宙人 大人向け童話

アミ 小さな宇宙人
p.ntsk

10歳の男の子ペドゥリートの前に突如現れた小さな宇宙人アミが円盤で宇宙を旅しながら様々な神秘や宇宙の基本法である愛について説くSFファンタジー。未開世界から文明世界に変わる為に必要なのはより高次なる愛。物語の中で語られるメッセージや事柄には紛れもない“真実”が込められていると思いました。アミのような存在はきっといると信じています。子供向けの優しいファンタジーの体をしていますが中身は示唆に富むメッセージで溢れていて是非とも読んで欲しいシリーズです。表紙とあとがきをさくらももこさんが書かれています。

ナイス ★61

(*'ω' *)@k_s

市立図書~宇宙人のアミが少年ペドロと出会い、宇宙を旅する中で宇宙の理と今の世界を学ぶ問答集のような本~利己心が世界を蝕み、愚かな人間は争いを正当化する。宇宙は愛に満ちあふれ、愛するものがあれば誰でも幸せになれる。全てのものは、みんなのもの。比較せず一様に。アミの説くお話は一見正しいようで、きちんと考えるべき内容だと思う。小4の娘とともに読了。子どもと本の内容について一緒に考えられるのはいいですね。プレミア本のようで高値すぎて購入をためらっていたところ、図書館で発見✨残りの2冊も近いうちに読みたい(^^♪

ナイス ★58

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#ミステリと言う勿れ ネタバレ

もんらっしぇ

多くの読友さんの書棚にあり、またドラマ化もされて色んな「つぶ」も散見。気になって読んでみました。面白いです♪まず、主人公。私、女性だとばかり思ってましたし、勝手な思い込みで「ロシアンハット」を被っているんだと勘違いしてました~(>_<)などと本論と関係ないことばかり書いてるのでレビューが長くなりますw(-_-;) で、1巻目第一話の感想をさっそく⇒ちゃんとミステリーになってるじゃないですか!まことに僭越ながら、作者さんとっても優秀で頭の良い方ですね。プロット、ストーリー展開言うことなしの合格点!

ナイス ★189

myaon

整がしゃべるしゃべる。ぐさぐさくる感じが好き。リアルで話が長い人って苦手だけど、こういう聞かせる系は好き。 ▼久能整(くのう ととのう) 大学生。天パ。カレー好き。友達、彼女ナシ。父親に恨みがある?絵画好き。 ▼「ごみ捨て…どこからですか」 「女の人が一人混ざっているとおじさんたちはやりにくいんですよ」 「真実は人の数だけあるんですよ」 「復讐のためなら時間を作れたんですか」 「子供だったことはあります」 義務と権利。 便宜上そうなっているだけ。 「事故やもしくは殺されたのに自殺だと片付けられること」

ナイス ★160

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#記憶喪失になった僕がみたせかい

Ikutan

交通事故で記憶喪失になった18歳の筆者が、少しずつ周囲を理解し、新たな自分を生き始め、草木染職人として独立するまでを綴った手記。記憶喪失という言葉は知っていても、具体的にイメージしたことがなかったので、想像を絶することばかりだった。心細かっただろうし、辛かっただろう。ただ彼には、絵を描くという夢中になれるものがあったことと、そのことに気づいて、見守ってくれたご両親がいたことがよかった。特に、思いきって社会に送り出したお母さんが素晴らしい。新たな感性で染められた作品の写真からは、繊細な優しさが伝わってくる。

ナイス ★91

kou

とにかく凄い。食事、睡眠、読み書き等々、生まれてからの18年間の記憶を無くしてからの体験記・・・想像を絶するものがあった。そして、各章に挟まれる「母の記憶」は心に重く響く感じがした。本人のやる気、家族や周りの支えがあれば、ここまで出来るんだな!と勇気と共に暖かい気持ちになった。

ナイス ★80

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#池永陽 珈琲屋の人々

ちょこまーぶる

久しく積読本だったんですが、ようやく読みました。商店街で古くからの喫茶店というものは常連客の集う所であり、悩み事を相談する場所でもあるんですね。この本には、様々な人間模様が描かれていて、それを押し付けの言葉とか説教ではなく、普通の会話の中で主人公や常連客の心情で諭していくという素晴らしい人々が描かれています。個人的には、二話目の心を忘れた少女推しですかね。それにしても、こんな喫茶店に出会えないものだろうか?

ナイス ★245

おしゃべりメガネ

いい意味で、とてもアッサリした人情物語です。喫茶店「珈琲屋」を舞台に、ワケありマスターを中心としたあらゆる人間関係を、それぞれの視点やおかれた状況によって展開していく人間模様は絶品でした。単純にふんわり&ノンビリとした話だけではなく、どちらかというとブラックユーモアよりな話が多く、幾分シリアスになりながらも、各々が‘再生’へむかっていく展開は非常にココロが救われました。人間誰しもが持つココロの‘すきま風’に対し、どんな思いを自分は、そして周囲の人々は持ち得るのか、考えさせてくれるとても素敵な作品でした。

ナイス ★235

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