難読漢字の本、いいのがなかったので、うれしい。▽A4サイズ、ハードカバー。調べ学習系の装丁。▽第１章（全体の1/5位）がクイズなどの導入。▽第２章が難読漢字の「図鑑」。分類：生き物、植物、食べ物、道具・物、名前、人・生活、日本語。「図鑑」とあるが、イラストが掲載されているものは、収録漢字のうち１/3もない印象。現代っ子は、意味だけ読んでも理解が難しいかも。

第一部：小４女子が主人公の新しく作ったお話。自分の名前に不満を抱く女子だが、その名前には祖母の忘れがたい被爆の体験が関係していたことを知り、原爆投下の事実を初めて我がこととして捉えるようになる。 第二部：原爆詩。「ヒロシマの空」が衝撃的だった。想像しても想像しても、決して思い至らないような恐ろしい現実があったのだと、打ちのめされる。

2年生に読み聞かせする本をとのリクエストに対し提供。いまの小学生は全員、3.11後世代。まず事実が分かること、次にあの時のみんなの心が伝わるもの、そして絵が明瞭なこと。よいバランスの絵本でした。▽「今日は海が青いよ」2ヶ月後の避難所で聞いた言葉。絵本と同じだった。

人生に無駄なことはひとつもない、全てが自分の一部になる、それが「たとえ、ちぐはぐでも、いびつでも、もつれていても、わかりにくくても、どれも美しいものになるはず」。失敗のない、効率のよい人生を期待される世の中の風潮だけど、実際に成長しつつある子どもたちは窮屈で不安な気持ちを抱えている。そんな子どもたちに届けたいエール。高学年に。