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2024年3月の読書メーターまとめ

tamami
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感想・レビュー
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2024年3月に読んだ本
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2024年3月のお気に入り登録
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  • haru
  • さとまる

2024年3月のお気に入られ登録
5

  • naka
  • 中玉ケビン砂糖
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  • Kentaro

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

tamami
本書を手に取り何度か、「これ作者が考えた虚構の話だよな」という想いが頭を過ぎった。描かれた世界が、あまりにも現実のそれを彷彿とさせるものだったからだ。迫真の世界を描く秘密は、著者のあとがきでも触れられているが、定時制高校に通う、一人一人年齢も性格も生活の状況も異なる生徒たちが、チームを組み、工夫を凝らした実験を繰り返しては、課題に迫っていく。一途な追究の姿に心を動かされ、目の下が潤むのを覚える。一つの石ころに隠された秘密が知りたくて、ハンマーを振るった少年の日が懐かしい。素晴らしい物語を読ませてもらった。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
13

tamami
百田尚樹さんと有本香さんによる、日本保守党の結党宣言。月刊誌掲載のお二人の対談、論文と、同党を支持する方々の応援の言葉が併載されている。「憲法改正」推進、「LGBT理解促進法」反対etc.、著者達の政治的な立場については、諾否があることだろう。大いに議論をと言いたいところであるが、わが国のメディア!論壇!ネット界隈!では、著者達の主張するようなテーマは、スルーされるか感情論の横行の場と成り果てるか、議論の場そのものが成立することが少ない。どのような議論であっても、先ずは耳を傾けることから民主主義が始まる。
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tamami
はて、自分の10代の読書と言えば、名作文学全集の類いは卒業したものの、それに続く青少年を対象にした作品は限られていた。様々な分野でそれこそ汗牛充棟の観がある現在の若者達は幸せだと思う。一方で、候補がありすぎる悩みもあるかも。その意味で、読書人がブックトークのような形で推し本を紹介するのは良い試みではないか。具体的な書名については差し控えるが、全体として良書が多く、真面目な読書体験になりそうである。欲を言えば、もっとハチャメチャな世界を描いた作品や、読書そのものの面白さを味わえる作品があっても良かったかな。
しょうじ@創作「熾火」執筆中。
2024/03/29 18:50

読んでる最中です!

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tamami
アメリカイエローストーン公園に、健全な生態系の維持のために再導入された14頭のオオカミを巡る物語。著者のリック・マッキンタイアは、再導入された1995年以来、現在までオオカミの観察を続けているが、本書はその始めの5年間の記録。350頁を超える本書の大部分は、再導入までの経緯と、著者がイエローストーンに奉職するまでの事情を除けば、ひたすら同公園でのオオカミたちの行動観察記録が記される。再導入以来100頭を超えるまでに増えたオオカミたちの、個体識別を基にした詳細な記録では、著者は個性あるオオカミたちの擬人化を
tamami
2024/03/28 01:33

避けながらも、一頭一頭の性別・血統はもちろん、生育歴・家族構成・行動特性や性格などについて、愛情ある筆致で描き出していく。その膨大な記録の中からは、8と21で記される2頭の父子のオオカミの「感動的な生き方」が、特筆される存在として浮かび上がってくる。著者は、野生のオオカミ達の行動に、大きな人間性を感じているかのようである。近年わが国でも、シカによる食害が大きな問題になっているが、絶滅したオオカミの移入策等も含めて、自然を人為的にコントロールすることの是非について考えるための資料を、本書は提供してくれる。

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tamami
著者は、第一章第一節において、縄文時代に端を発した、イエやムラ、縄文土器の形に顕著に認められる「円の思想」が後の神道へと発展し、日本人及び日本文化を形成してきたと記す。縄文人は、自然を、人間を大切にし、明るい気持をもって人生を愉しむ事で、精霊の恵みを受けられると考えた。一万年以上にわたる縄文時代を経て、自然は人の力を克服するものではなく、あるがままの姿として受け入れることが大切であり、「人は誰もが善人である」という発想も取るようになってきた。第二節以降、縄文人の出自から「村社会」を形成するまでに発展してき
tamami
2024/03/27 02:25

た縄文文化のダイナミズムに触れ、日本文化はその発展の中で生まれたと説く。以下第六章まで、大陸との交渉、仏教や漢字との接触、イエ中心の日本社会のあり方、人間平等と「村社会」等のテーマで論じていく。総じて「性善説」的日本人論!と言えなくもないが、読んでいて元気が出てくる著者の言説には、大いに賛成したくなる。終章で、「円の思想」を変質させてしまうものと題し、現代日本の状況をふり返り悪しき個人主義の濫觴に対して、相手に合わせる柔軟性をもって生きる事が大切と説かれる。これからの人生の題目の一つとして心しようと思う。

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tamami
世界経済に関して、その総資産の半分以上は全人口の数%の人々の下にあり、残りを大部分の人々が分け合っていると言われる。近代以降、どのような歴史的な流れの下にそのような構造が出来上がったのか。本書は、所謂修正主義を自称するお二人の対談であるが、上記のような仕組みが生まれる経緯や関わった人々の思惑が、一つの歴史観からという限定付きではあるが、解り易く説かれる。経済の大きなうねりの中で動いた、チャーチル、ヒトラー、ルーズベルト等の歴史上の要人が俎上に挙げられ、「世界史B」の釈明史観に立脚した思い込みが払拭される。
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tamami
そもそも新書の一冊として気軽に手にしたのが間違いの基であった。倫理学原論と謳っているからには、倫理学とは何かが記されているかと思ったのだが、兎に角硬質な文章で、読み通すのが難しい。著者の脳内ではこんな文章が渦巻いているのだろう。けれども、不思議な書物でもある。どの頁を開いても、著者の考えている倫理的な観点や意義の面白さが文章として展開されていて、時にビアスの『悪魔の辞典』のような記述にも出会う。曰く、「徳とは、社会や組織のあり方を決定する特別な立場のひとがいることが前提となったうえで、前近代では支配身分、
tamami
2024/03/20 14:42

今日ではエリートとされる特別な人々の倫理規定のことでしかないように思われる。それなりの所得が保障される職業であるならば、妬まれることのないための、その職業に付随した職業倫理でもある」。曰く、「道徳やモラルは、しばしば旧世代の人々が新しく生まれてきた人々に自分たちとおなじ生き方を押しつけようとするものであったが、それが今日新しく生まれてきた世代の人々に免除されるようになったことで、われわれは虚しくも、寄る辺なき倫理の真空をあてどなく彷徨う孤独な生活に追いやられているといえなくもない」寄る辺なき倫理の真空!

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tamami
地元地方紙の書評欄で取り上げられた一冊。著者は西日本中心に貿易アドバイザーなどを務める経済人。著者は、自分が実際に見聞した事実から導き出した、平成の30年間日本がデフレ経済に陥り、低成長に喘いできた原因の一端が、日本の業者が行ってきた自損型輸入にあるとする。自損型輸入というのは、日本の産業が培ってきた工業製品、農産物などの製造ノウハウを外国、主として中国に抜け駆け的に売り渡し、安価に作られた製品を日本に逆輸入し、独占的に稼ごうという商法のことを言う。そのような製品農産物は、そこそこな品質を持ち、極めて安価
tamami
2024/03/14 01:02

に販売されるため、消費者の圧倒的支持を得て、販路を急速に拡大していく。このような商法は、一見すると法を犯しているわけではなく、より良いものをより安くと、良いことずくめであるが、そこに大きな罠がある。長い目で見たとき、そのような商法は、日本が培ってきた産業の基盤を衰えさせ、国力を衰退させる。コスパが良いだけの商品は、その土地その土地が培ってきた文化力もなければ製品へのこだわりもなく、人々の思いのかけらも込められていないものである。そして、将来一部の工業製品といえども、日本が製造できなくなった暁には、原材料を

tamami
2024/03/14 01:23

供給するかの国の言いなりになるしかない。経済は市場原理が支配する世界であるというが、その市場の底の底を全く別の原理が支配しているとしたら恐ろしいことではないか。著者は消費者がそれに気づき、行動を変えていくことが唯一の対処法であるとする。一言で言えば、それは消費者主導の地産地消、である。コスパ病は、現在のわが国のあらゆる局面で猛威を振るっている。グローバル化、サスティナビリティー等々の意味不明な言葉に踊らされることなく、日々の行動の意味を考え、自ら変えていくことが、デフレマインドからの脱却に繋がるのである。

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tamami
群ようこさん初読み。店先でパラパラと立ち読みをしていたら、「捨てたくないヤマダさん」などというフレーズが目に飛び込んできて、衝動的に購入してしまう。今や国民病?といってもよい、要断捨離症候群の人々が登場する連作小説集。どれも「モノ」の所有に固執する人々を巡る、軽いノリで書かれた物語といったところか。誰にでも起こりそうな、見方によって贅沢な悩みとも言える出来事ではあるが、ごく近しい人との問題故に、簡単に落とし所が見つからないところに、現代を感じてしまう。自分の心を見透かされる物語、と思うのは私だけだろうか。
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tamami
日本史分野で今を時めく磯田先生の、著名な歴史研究者・文学者等との対談の記録。対談者の専門とする領域と、先生の幅広い領域が見事にかみ合い、どれも大変興味深く読ませてもらった。織田信長や坂本龍馬といった、日本史のリーダーについての常識を覆す見方が披露されたり、幕末維新と昭和の敗戦の関係が取り沙汰されたりと、意外性に富む語り口が面白い。戦国時代について、吉川英治文学の影響が強い自分など、戦国武将の死因の有力説など、最近の歴史研究の成果を知ることで既成の知識を揺すぶられ、歴史の奥深さを改めて知らされる思いである。
が「ナイス!」と言っています。
tamami
本書を手に取り何度か、「これ作者が考えた虚構の話だよな」という想いが頭を過ぎった。描かれた世界が、あまりにも現実のそれを彷彿とさせるものだったからだ。迫真の世界を描く秘密は、著者のあとがきでも触れられているが、定時制高校に通う、一人一人年齢も性格も生活の状況も異なる生徒たちが、チームを組み、工夫を凝らした実験を繰り返しては、課題に迫っていく。一途な追究の姿に心を動かされ、目の下が潤むのを覚える。一つの石ころに隠された秘密が知りたくて、ハンマーを振るった少年の日が懐かしい。素晴らしい物語を読ませてもらった。
が「ナイス!」と言っています。
tamami
本書の冒頭、「この書物は、人間にとって原始的な存在の在り方、原型的な思考の在り方、原型的な表現の在り方を問うたもの」とある。以下ホモ・サピエンスの登場に始まり、人類史上の主要な出来事にトピック的に焦点をあて、広範な論者の説を援用、場所論、縄文論、南島論、まれびと論と展開していく。ごくたまに、各説の関連がほの見えたと思った途端に、難解な文章に行く手を阻まれる。子供の頃から言葉について考えてきたという著者の考えを理解するには、末尾の人名索引にある膨大な論者の著作に親しみ、慣れることが必須であるとの結論に到る。
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tamami
古代ギリシアといえば、都市国家、直接民主制等の名称と共に出て来た国との印象が強かったが、今回、塩野さんの華麗な筆裁きで読む彼の国の歴史は、わが国の縄文時代が終焉に向かう頃に、リクルゴス、ソロンといった個人名で詳細に語られ、彼我の大きな違いを意識する。後半ペルシャとの長年に渡る戦役について記された部分は、二千年の昔のこととは思えない具体性に富み、大いに心躍らされる。古代ギリシアの民主制と言われるが、ペルシャ戦での勝利の経緯を見れば、政治家個人の資質が最高度に発揮された独裁政治であったとも言えるのではないか。
が「ナイス!」と言っています。
tamami
鎌田先生初読み。少々訳あって、郷里に縁がある方の著作や地元を知るための本をピックアップ。身体や心のあり方について先生が話される事柄は、折々に接する機会があったけれども、こうしてまとめられたものを拝見すると、改めて得心させられる。困難にぶつかったり、心の不調を感じたりしたときに、サラッと開いて読むことで、効いてくるビタミンのような本。名言、至言が詰まっているけれども、一つ選ぶとすれば、「価値観を変えるとんがりレッスン」にある、自分の人生の質を高める秘訣は、自分流にこだわって「変さ値」を高めること、だろうか。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/12/09(1595日経過)
記録初日
2019/07/26(1731日経過)
読んだ本
895冊(1日平均0.52冊)
読んだページ
222625ページ(1日平均128ページ)
感想・レビュー
892件(投稿率99.7%)
本棚
9棚
性別
自己紹介

半世紀にわたって買いためた積ん読本に囲まれる日々。少しずつ減らそうとするものの、新刊・古本が同じくらい入ってくる。

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