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2024年3月の読書メーターまとめ

のっち♬
読んだ本
31
読んだページ
5113ページ
感想・レビュー
31
ナイス
6144ナイス

2024年3月に読んだ本
31

2024年3月のお気に入り登録
17

  • ぶぶ ひこ
  • やなたま
  • ねお(=^・^=) 早くスマホほしい!!
  • ミュポトワ@猫mode
  • choconaut
  • kfkf
  • ゆーざん
  • 結城綾
  • たーぼー
  • フレフレ
  • いちご
  • はりね🦔
  • 🐾あゆ🐾🎮🎧@魅音とペア画中!
  • ほのか。@Ritoとペア画中@サウクラメンバーと話したい
  • 神野 謙也 (こむと交際中!!) @超超超高浮上 @もりうさ🐇🟣を許すな・@ななもり🟣を許すな こむが好きすぎて最近色々暴走し始めてる…笑  こむに合わせてこれ長文にしてるけどなかなか書くものがなくて困ってる笑
  • なな@なのちゃんとペア画中
  • 舜

2024年3月のお気に入られ登録
17

  • ぶぶ ひこ
  • ねお(=^・^=) 早くスマホほしい!!
  • ミュポトワ@猫mode
  • やなたま
  • choconaut
  • kfkf
  • ゆーざん
  • 結城綾
  • たーぼー
  • フレフレ
  • いちご
  • はりね🦔
  • 🐾あゆ🐾🎮🎧@魅音とペア画中!
  • ほのか。@Ritoとペア画中@サウクラメンバーと話したい
  • 神野 謙也 (こむと交際中!!) @超超超高浮上 @もりうさ🐇🟣を許すな・@ななもり🟣を許すな こむが好きすぎて最近色々暴走し始めてる…笑  こむに合わせてこれ長文にしてるけどなかなか書くものがなくて困ってる笑
  • なな@なのちゃんとペア画中
  • 舜

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

のっち♬
「島にいる間、決して殺人犯を見つけてはならない」という爆弾を盾にとったクローズドサークル。十戒は前提としてユニークだし、ロジックの遊びも程よい文量。ただ、『方舟』と比較すると"こっくりさん"で犯人に是非を伺えるのと、大した悶着や立ち回りもなしに救済手段が明示されているので緊迫感では及ばない。また、ある程度予測がつきやすくてどんでん返しの比重が高めなのだが、フェアネスは意見が大きく分かれそうなくらいに際どい。真相の方が更に荒唐無稽でも面白いミステリなのは確か。最後で『方舟』とのリンクを仄めかす演出が心憎い。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

のっち♬

身辺事情により絵本一冊読むのが精一杯の日々です。でも6年くらい?趣味に没頭できたので悔いはありません。アルバムだって1万枚聴き込んだし https://rateyourmusic.com/~El_somni 50万回再生したし。2024年2月読んだ本:36冊、3532ページ https://bookmeter.com/users/1091037/summary/monthly/2024/2 これからも減ると思いますが今月もどうぞよろしくお願いします☺️写真はその割に手間暇かけたあんかけ炒飯🍚

身辺事情により絵本一冊読むのが精一杯の日々です。でも6年くらい?趣味に没頭できたので悔いはありません。アルバムだって1万枚聴き込んだし https://rateyourmusic.com/~El_somni 50万回再生したし。2024年2月読んだ本:36冊、3532ページ https://bookmeter.com/users/1091037/summary/monthly/2024/2 これからも減ると思いますが今月もどうぞよろしくお願いします☺️写真はその割に手間暇かけたあんかけ炒飯🍚
のっち♬
2024/03/06 18:43

クイケンも今年80ですし、全集に要する録音量って半端じゃないですからね。そう考えると鈴木雅明のバイタリティは凄いです。コレクター精神が芽生えた場合は鈴木氏にするとして、比べながら少しずつ聴いてみようと思います🎼

ヴェネツィア
2024/03/06 18:43

それはぜひ。

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
31

のっち♬
『和菓子のアン』第4作。店長交代にはじまり周囲も杏子にも転機が訪れる。これまでのマイペースな成長から一転して、今回は少しギアチェンジした様子。特にハラスメント絡みの先輩と後輩の問題は新店長を皮切りに来店客、家族、同僚、元上司など至る所で現れる。立花の拗らせぶりを見るにテーマ性に無理に寄せると場のテンションが乱高下する嫌いがある。和歌山出張編は当シリーズの面目躍如な楽しいグルメ旅。梅干し、海鮮、祭、パンダ、温泉、ラーメンと要所は押さえてある。単に社会派化するよりも感覚や効能に訴える方が差別化しやすいと思う。
レモン
2024/04/06 19:06

4作目のグルメ旅は和歌山なんですね!のっちさんレビューでより楽しみになりました✨図書館予約冊数オーバーでまだまだ読めなさそうなのが残念です🥲

のっち♬
2024/04/07 01:26

レモンさん、私も随分と待たされました。和歌山はお気に入りのグルメスポットなので共感しましたね〜🍜

が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
いも掘りの遠足が雨で翌週に延期になってしまった園児たちは、掘り出すいもについて想像を巡らせる。地中で寝かせればそれだけ大きくなるという願望は、"いも一つに一体何ページ使うのか"というサイズに発展。インパクトだけでストーリー性が消散しそう。そして園児たちはそれだけで飽き足らず、運搬法、洗浄場面、遊びへの応用、料理して食べ、最後はおならで空を飛ぶ帰宅するまで膨らませる。話同様に素朴な作画は、空想上の存在のいもがいつの間にか現実に存在しているかのような錯覚を起こさせる。願望こそが現実を作ると言わんばかりの力感。
が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
新キャラ錬成が煮詰まったのか、あるいはアドベンチャー願望が更に湧いてきたのか連作が急増してきた。キザな剣豪とホイ・クエンは『ドラゴンボール』のヤムチャと人造人間8号の原型に見える。また、キャラメルマン3号のメカニック特別大図解には作者のメカに対する執心が垣間見れる。4巻最大の事件といえば千兵衛とみどりの結婚。恋愛描写が苦手な鳥山らしい突拍子のなさ。手に負えないアラレ&ガジラ相手に毎度愛情を注ぐ千兵衛を優しい表情で眺める前振りも彼らしくて印象的。スケベを補って余りある家庭人素質が天才性以上に彼女を射止めた。
が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
森永乳業のひ素混入粉ミルクを飲んだために障碍を負ったはせがわくん。本作は彼を仲間に入れてあらゆる局面で足を引っ張られる友人視点で彼を描く。おばちゃんに説明された背景を「ようわからへん」とはねつけた「ぼく」は「しんどい」「頭にくる」「きらいや」とぼやきながら目の前のはせがわくんから直に何かを汲み取ろうともがくのだった。いらだちを体現した力強い文字のタッチが生々しい。当時を「よわみそ」と振り返る作者視点も重なり、見る痛みと見られる痛みが複層化するから尚更。結果、歴史物よりも哲学的な色合いの処女作に仕上がった。
が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
映画化に伴い原作小説を脚本に再構築。形式の特質もあってそれぞれの登場人物に対する移入度が上がり、「現実」の多様性、ひいてはこれが現実感覚の衰退ではなく別の現実体験のドラマであることをより鮮やかに提示出来ている。そして、著者自身が神経症を患ったために人物の短所に対しても温かな眼差しが感じられる。また、エンペドクレスら古代ギリシャ哲学との類似性を指摘されたことも大いに刺激になったようだ。原作から飛躍したエンディングも読みどころで、エントロピー増大による衰微や冷却を超越するものへのロマンが一味違った余韻を残す。
が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
超能力者と反能力者が企業スパイとして暗躍する1992年、爆弾事故を契機に測定技師の現実に衰退及び実体化現象が起こる。車がクラッシックカーへ、テレビが真空管ラジオへ、死人からのメッセージが落書きや違反切符に現れる大胆な設定。意識のパワーゲームであらゆる事象が変化する層を想定し、現実との境界線を取り去ったような世界観。著者は終生のテーマ「現実とは何か?」の問いに挑む初期作として、その土台の脆弱さを独特の死生観に直結したメタファーを絡めつつ侵入行為が氾濫する斬新な構図で表現した。郷愁が不気味な浮遊感となる余韻。
が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
ショートケーキを食べられて家出するきのこ、見かけは暴走族の牛乳配達員、脱線の激しい宮本ムサシなど、些細なことに過激な反応をするのがギャグの基本になっている。とりわけ転校生スコップや、破壊の限りを尽くす『大都会島』は、住民の都会に対する当たりの強さを感じたり。さて、3巻になるとキャラクター造形は少し落ち着いてきたが、Dr.マシリトは外せまい。担当者の鳥嶋がモデルらしく、「原稿を飛行機郵便である出版社に送るため空港へといそいだ」当時の鳥山の仕事環境が垣間見れる。睡眠時間僅か週20分の超激務の鬱憤の産物なのか。
が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
ネタバレおおばあちゃんの留守の間におなべのスープの番をすることになったきっこといたち達。このおなべには生き生きとした表情があって、「おなべおなべにえたかな?」とたずねると、「にえたかどうだかたべてみよ グツ」と応えるのだ。さて、味見をし過ぎたきっこたちはにんじんスープを全部食べ尽くしてしまうのだが、おなべが新たなスープを作るべく指示を出し、帰ってきたおおばあちゃんも咎めず褒める点がほっこりポイント。食べたら満腹、みんなで寝転がる。大らかな世界観と春の訪れを味合うストーリーにフィットした作画は牧歌的な温かみが充満。
が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
LUNA SEAの1997年シングル集。A面もカップリング曲も水準も業界随一で、初心者からコアなファンまで楽しめる内容。浮遊感のあるギターフレーズと閉塞的な音響が絶品な「Claustrophobia」、リズム隊が一際ヘヴィな「SLAVE」、クリーントーンの引き立つINORANらしい世界観の「RAIN」「TWICE」、6拍子に乗るエフェクトヴォーカルが斬新な「FALLOUT」、無機質なシンセがSUGIZO特有の退廃美を引き立てる「Ray」など良曲揃い。LUNA SEAの表と裏を象徴する、価値の高いベスト盤。
が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
6度転職した著者自身の経験に基づき転職の是非の判断基準から成功させるためのアドバイスが記されている。表題を「転職」ならぬ「展職」と銘打つのは"転がるのではなく発展的な"職を提唱しているから。冷静な自己分析を基盤に、転職をマーケティングへの一大プロジェクトとして見なす著者。心得やマナーには座右の銘「謙虚・温柔・感謝」が通底している。特に「転職先候補の企業にはできるだけ足を運んでみる」のは今の時代おざなりにされがちな点だろう。モチベーション維持法も洗練された思考を垣間見れる。目新しさはないがまとめには良い本。
が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
ネタバレ池にいたカエルが目にしたのは、近くの山が噴火してカレーが流れだすという光景。作画は至極素朴かつ伸びやかなタッチで、それでいて幾ら繰り返し眺めていても一向に飽きの来ない爽快な色調に作者の卓越したセンスが発揮されている。まさに絵本そのものが"いくらでも食べられるカレー"のような存在なのだ。そして、カレーライス状になった山の形が大きく変貌するくらいに食べてしまい、満腹したカエルは「カレカレカレー」と鳴くという可愛らしくも突き抜けたシュールさもまた彼にしか出せないもの。彼の不条理は独自の隠し味が常に盛られている。
が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
LUNA SEAの『真冬の野外』へ至るヒストリー。基本『真冬の野外』なので走馬灯の様に挿入される過去映像や舞台裏が見どころ。緊張関係にあったJとSUGIZOはパフォーマンスも楽器破壊も競う様に激しい。普段からコミュニケーションは最低限のようだ。猛スピードで演奏される「PRECIOUS...」のRYUICHIは狂気が迸ってる、友人を喪い「なぜ夢を見ちゃいけない!」と訴える一幕も印象的。「CIVILIZE」のラフな音質はJの技巧の高さが伝わる。ハードワークで次第に垢抜けて消耗していくバンドの軌跡。★3.5/5
が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
「いつでも誰でも、転職できる状態」になるためには情報を見極める「思考の軸」が肝心。マーケットバリューの高め方、仕事のライフサイクル、マーケットの検索手法、会社やエージェントの見極め方など転職にまつわる不安や葛藤を包括的に汲んだ物語形式の構成もわかりやすい。特に「心からやりたいこと」が見つからない状態重視のbeing型人間は腹を括るために一読の価値あり。小スケールな「やりたいこと」に基づく仮ラベリングを判断軸に、マーケットとの釣り合いや、緊張と緩和のバランスなど若手には自身と環境の整備の指針に一役買いそう。
ALATA
2024/03/23 20:51

このまま会社にいていいの?私は転職数回で今の会社に37年。渇望、結婚、人間関係いろいろあったっけど、結局石の上にも三年と言った趣。ということは自分にっていたのかなぁ...というところ。この本おもしろそう。

のっち♬
2024/03/23 21:02

ALATAさん、私が生まれた頃からお勤めなんですね。ビギナーな私には良い本でしたよ。是非是非♪

が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
『ちんぷくまんぷく あっぺらこのきんぴらこ じょんからぴこたこ めっきらもっきらどおんどん』—遊ぶ友達が誰もいないかんたがしめ縄の巻かれた木の下で、このインパクト絶大な節を歌うと穴の中から声がかかる。その中には遊んでほしい三匹の化け物たちがいて、かんたは一緒に遊ぶことに。モモンガーごっこ、おたからこうかん、なわとび、化け物たちの風貌も強烈な分だけ愉悦も相応に伝わって来るので一抹の寂寞感が残る余韻に仕上がった。うねりの効いた作画も美しく、特に水晶玉の不思議な輝きは神秘的。韻の踏んだ文章も演劇向きと言えそう。
が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
LUNA SEAの1996年12月23日横浜スタジアム公演。ソロ活動へ入る一大転換点。とにかく「寒かった」らしく、凍てつき乾燥した空気を通した音は硬質でクリアー。特にベース音の力感は随一で、「IN MY DREAM」など歌心がよく出ている。アルペジオパートばかりのINORANは手元が固まらないよう難儀していそう。当時も遅い曲はより遅く実演していたが今回ばかりは殆ど全曲そのままかテンポアップして演奏。「IN FUTURE」は特に速く、回転ドラムソロは勢い重視。「MOON」のステージ演出が神秘的。★4.5/5
が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
絵描きの時間に何も描けないでいる主人公を見て、先生はしるしをつけることで描くきっかけを作ってやり個性を引き出していく。黄色、緑、赤、青と色彩が多彩になるだけでなく、てんの周りに輪も何重にも描かれていく。「てん」が「個」なら、それがスケールアップするプロセスは人生の年期や経験、あるいは様々な縁といったものにもとれそうだ。そこには上手い下手を比較する尺度やお手本といった概念は存在しない。ほんのちっぽけなことに秘められた大きな意味や豊かな可能性を素朴に抽出した本作は、子供たち以上に大人たちにもウケそうな絵本だ。
が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
自己理解メソッドの体系化において絶対的な自負心を持つ著者が示唆する「才能の見つけ方」。曰く才能とは「つい、やってしまうこと」であり、日常に埋もれた本能や習性を掘り起こすアプローチを採る。平明な表現と明晰な筋立てで、就活用の自己分析に不慣れな読者には入門書としてアリだと思う。啓発臭や"短所を克服しないのは社会貢献"といったユニークな持論と合う合わないはあまり問題ではない。要は巻末のフローチャートや才能の具体例1000リスト、才能を『見つける→活かす→育てる』300の質問。短所を長所に即言い換えできて実用的。
戸部アンソン
2024/03/22 10:41

のっちさま♬ 私もこれ買いましたけども300もの質問に答える才能がなかった。こんなに飽きっぽいのは、きっと類をみない才能だと開き直りました。

のっち♬
2024/03/22 11:19

戸部さん、まだやってみていないのでそこら辺はまだ何とも言えないのですが、友人に見せたところ、「これは萎える」と言われました(^^;;

が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
引き続き強烈なキャラクターが続々と登場する。奇妙なませ方をした5歳児きのこ、全国に名古屋弁を広めたニコちゃん大王、基本的にせこいスッパマンと犬猿の仲のパーザン。中でもスッパマンとニコちゃんは鳥山好みのバカバカしい話がどんどん思い浮かぶらしく愛着や喜悦が顕現している、「地球割り」はアラレの代名詞的ネタの一つ。また、大魔王探し、宇宙旅行、タイムスリップなど挿絵にも顕れた作者の冒険&怪獣好きが色濃くなった。山吹相手に千兵衛は醜態続きだが、カンケリで便器に隠れる彼女も只者ではない。作者参加型ギャグも本作の持ち味。
が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
発明家則巻千兵衛と少女型ロボット則巻アラレを中心としたペンギン村の日常。序盤のアラレは敬語を使う美少女で、徐々にキャッチーなデザインに定着。大抵のことに動じない呑気で大らかなペンギン村の気風や、人間と動物・無生物及び御伽噺と史実の境界が曖昧で愛嬌たっぷりな世界観は、赤塚や藤子らを刷新する独創性。「んちゃ」「ほよよ」「かっくいーっ」「つおい?」等舌足らずなアラレ語は早速大人気。飄々とした彼女が珍しく怒る『熊さん友だち』や『ドンべ物語』は作者の優しさを感じる。『イチゴパンツ大作戦』は"アホの天才"の面目躍如。
が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
『人間っておかしいな。鬼は悪いってきめているんだから。鬼にも色々あるのにな。人間も色々いるみたいに』—節分に棲家を追いやられた黒鬼の子は病床の母を看病する貧しい娘の元へ辿り着き、彼女の健気な嘘を現実にすべくおにたは人間に扮して煮豆と赤飯を届ける。貧困や不条理を語るトーンの低さはあまんの真骨頂。いわさきの朧げな水彩画は幻想的なタッチを貫きながらも、少女の痩せ細った足や指先の悴みに真実味を添えている。見えないものを想像することは恐れにも救いにもなりうる。哀感と優しさと静けさを絶妙な按配で共在させた余韻は絶品。
yomineko@猫と共に生きる
2024/03/20 06:40

おはようございます😊読みたい本に登録させて頂きました📚人間が一番悪いと思います(笑)

のっち♬
2024/03/20 09:03

yominekoさん、現代では殊更ウケが良いのではないかな?と考えています。

が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
もし日常の様々な場所に穴が空いたら?青空に、靴の底に、月に、電信柱に、こうもり傘に、食卓に…数々の穴は単に迷惑で侮れないだけではなく、何の法則性も突拍子もなくて実にシュール。リズミカルな文章にのって次はどこに空くのだろうと毎ページ毎ページマジックショウのようなスリルで読者を魅了する。それとコントラストをなすように町工場、商店、電車、自動車、道路などの背景は日常感と緩やかな時間感覚に満ち、シュールさを引き立てている。最後は帽子に穴が空いて草が生い茂った禿頭が飛び立つという突拍子のない井上ワールド全開の作品。
が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
「島にいる間、決して殺人犯を見つけてはならない」という爆弾を盾にとったクローズドサークル。十戒は前提としてユニークだし、ロジックの遊びも程よい文量。ただ、『方舟』と比較すると"こっくりさん"で犯人に是非を伺えるのと、大した悶着や立ち回りもなしに救済手段が明示されているので緊迫感では及ばない。また、ある程度予測がつきやすくてどんでん返しの比重が高めなのだが、フェアネスは意見が大きく分かれそうなくらいに際どい。真相の方が更に荒唐無稽でも面白いミステリなのは確か。最後で『方舟』とのリンクを仄めかす演出が心憎い。
が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
『不思議な図書館』第2作。主役は宗介のクラスメイトの少女へシフトし、千夜一夜物語の世界へ。意外なものが盗まれた『アリババと40人の盗賊』、相続で身内抗争が起こる『アラジンと魔法のランプ』、最後はメタ構造まで広がり、話毎の連関性が前作より遥かに錯綜した手の込んだ仕上がりになっている。また、航海に出たがらない船乗りシンドバッドの言い分は至極真っ当で、物語に必要なのは決して理性的・合理的な判断ばかりでないことが暗示される。葵の負けず嫌いが祟る件では"完璧な嘘"というファンタジーの美学を提示、ここは予定調和過ぎ。
が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
ネタバレ多数の安全か少数の救命かという王道的ジレンマが救出編の起点。主人公を連れ帰るためにかぎりある人生のなかの一年を犠牲にした同僚クルーはもちろんのこと、彼女らを迂回するナンセンスな上層部も一応善意ではある。こうした敵役不在で人間味とその善性を終始フォーカスし続ける点や、通信が切れようがベッドルームがはじけようが船に風穴を空けようが実態の逼迫に対してウィットに富んだコメントをクールに飛び交わせる点も著者の芸風なのだろう。科学知見とエンターテイメントの往還はディディールの担保力により描きながら着実に成長している。
が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
森の中で豊かに楽しく暮らすこびとたち。主役はいざというときしゃがんで毒きのこに扮することができる赤地に白点の帽子を被ったこどもたち。リスやカエルやコウモリと天真爛漫に遊び、フクロウの授業を傾聴する様は秀逸なデザイン性も相まってとても愛らしい。四季の移ろいや自然の美しさ、質素な生活の営みが細やかに描写されており、妖精が登場するファンタジーの世界観でありながら、日常感も絶妙な按配で打ち出した点も魅力的。特にきのこに至ってはヤマドリダケ、アンズタケ、ベニテングタケなど特定可能なほど緻密で、作者の育ちを伺わせる。
が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
有人火星探査の中止引き上げの際に独り置き去りにされた植物学者兼機械工学技師。物語は主人公の一人称語りと関係者の三人称視点を入れ子にする構造で進行。前者の緻密にディディールを追求した科学自体で大方プロットを創造するオタク志向な作風は処女作にして既に確立。バクテリアを利用してジャガイモを栽培したり、ヒドラジン還元で水を生成したりと大胆なリスクを取り果敢に挑戦するこの"火星のロビンソン"は、ユーモラスな語りも相まって読者に親近感を保持させる人物像。素人には説明が専門的過ぎてスリルと具体像が掴みづらいのがネック。
やま
2024/03/13 12:12

映画面白かったですよ。ジャガイモとか水の作り方とか。

のっち♬
2024/03/13 12:37

やまさん、ウィアー氏原作の映画はどれも見応えありそうなので楽しみです!

が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
テンシュテット指揮ロンドンフィル、1990年8月30日ライヴ。ウェーバーは比較的軽妙でキレのいい反応に良好な関係が伺える。ブラームスはマーラーの時のような圧倒的熱量とスケール感。体当たりで応えるブレンデルも他では聴けないくらい情熱的、一般に評される彼の「理知的」な側面以外をかくも引き出したテンシュテット恐るべし。ベートーヴェンも重心の低くて畳み掛けるような推進力と起伏に富んだ演奏。緩徐楽章でも緊張は緩まないし、しなやかなフレージングと重厚な熱気、こと終楽章の高揚感は素晴らしい。共に筆頭級の超名演。★5/5
のっち♬
2024/03/05 21:48

ウェーバー:オベロン序曲 https://youtu.be/d-F6siaJrVQ?si=Bbncjwu44Cnr2ZS4 ブラームス:ピアノ協奏曲第1番(ピアノ:アルフレッド・ブレンデル) https://youtu.be/4XvT1UpCyPI?si=IndAzkGIpfa14dza ベートーヴェン: 交響曲第5番 https://youtu.be/J6TYtRTB1D8?si=ic5WRz0Q7zN27_g-

が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
いつもがみがみ怒っているので妻と仕事を交代したおやじさん。果たして晩御飯までにバターを作れるのか?主役の挙動もさることながら、豚、牛、犬、猫、アヒルなど周囲の動物たちも表情豊かに描かれている。牛相手に双方「ちゅうぶらりん」とかかなりシュールなのだが、この賑やかさ、ひいては真剣になるほどユーモラスへ傾倒していく様には山﨑の旺盛なサービス精神が発揮されている。赤ん坊の存在には、ニューヨークのアトリエで絵筆を休ませずに二男をあやしていた自身の経験を匂わせるものがある。作画にもユーモアにも精一杯情熱を注いだ絵本。
が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
おおあたりがモチーフの5篇。表題作でまず世間と個人のおおあたりの乖離を扱う。『長崎屋の怪談』は多層的な話術を駆使して追う側と追われる側を不穏に変転させる充実作、こんな妖の世界でもホラーテイストに仕上がった。『はてはて』では貧乏神と娑婆気濃厚ネタの相性が顕在化。若だんなとの馴れ初めを描いた『あいしょう』から、確かな成長を描く『暁を覚えず』への流れは三人称なのに兄や視点的に映す効果がある。栄吉饅頭の恐るべき破壊力、親譲りの無鉄砲で子供の時から命拾いばかりしている若だんなの強運と周囲の悪運のコントラストが強烈。
が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
ネタバレ『どろぼうがっこう』第3作。第2作と同時出版で、こちらは主に"子育てお父さん"へ向けた作品らしいが、男女同権思想が入り込む余地が微塵もないピカレスク作風が清々しい。しかし、歌心の試し方は予想外にしない飛躍度。村人観戦の地域密着型設定からしてシュールなのに『ドル箱リレー競争』『にせ札わたし競争』『逆どろけいゲーム』と、愉快な泥棒専門競技が並んでいる。更には昼休みに泥棒が入る。その名もアレ・カッポレ。弁当をめぐむ校長とのやりとりも昭和の刑事ドラマの構図まんまで、このレトロ感が通じるお父さんはクスッとくるかも。
が「ナイス!」と言っています。
のっち♬
『どろぼうがっこう』第2作。40年越しの続編。その間、脱獄を調査して「見事な脱出法が手本になったらまずい」と描き直し続けたのだから相変わらずの完璧主義者。勢いが生んだ第1作はその点で奇跡だったし、案の定絶妙な粗削り感は減退した。服役中の校長は地味だ。それでも目眩く変転するコント展開は健在。最後まで何度も捻りを入れるし、日付を付記して起承転結を明確化し服役中の体操や作業の模様もいきいきと描かれている。表面上は"最良の脱獄は模範囚"という教訓的なオチでも、紙一重で殺生沙汰という片意地張らないご都合主義が痛快。
ルカ
2024/03/10 21:04

『どろぼうがっこう』は、子供が保育園の劇でやっていて、なんて面白い本なんだろうと感心したんですよ。続編があるとは知りませんでした。それも40年越しとは!

のっち♬
2024/03/10 21:21

ルカさん、保育園の劇とは!良い時代ですね〜。続編を望む声は本人の想像以上に多くて根強かったようです。くまさかとらえもんせんせーが良いです。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2020/01/21(1558日経過)
記録初日
2008/05/25(5816日経過)
読んだ本
2272冊(1日平均0.39冊)
読んだページ
514844ページ(1日平均88ページ)
感想・レビュー
2271件(投稿率100.0%)
本棚
88棚
外部サイト
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