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2024年7月の読書メーターまとめ

イアン
読んだ本
13
読んだページ
4534ページ
感想・レビュー
13
ナイス
3225ナイス

2024年7月に読んだ本
13

2024年7月のお気に入り登録
7

  • 秋田 優
  • らいき
  • 布遊
  • ao
  • 華
  • TT
  • 中玉ケビン砂糖

2024年7月のお気に入られ登録
6

  • 秋田 優
  • らいき
  • 布遊
  • ao
  • 華
  • TT

2024年7月にナイスが最も多かった感想・レビュー

イアン
★★★★★★★★☆☆芸能界の裏側を描いた染井為人の短編集。スキャンダルにより干された実力派俳優・恭二の元に届いた破格のオファー。長年在籍した事務所を離れ、出演を決意した彼に待ち受けていたものとは…(「クラックアップ」)。女優や芸人、マネージャーなど芸能界に携わる人々の視点から綴られる7つの物語。それはブラックだったりハートフルだったりするのだけれど、いずれも捻りの効いたオチが用意されており、構成力の巧さが光る。芸能界の光と影をコンセプトとするなら、芸能界の裏方から作家へ転身した若者の話も読んでみたかった。
CABIN
2024/07/01 22:04

染井為人さんは贔屓にしてる作家さんなので、読友さんが読んでくれているのを見ると嬉しいです。

イアン
2024/07/02 21:11

CABINさん、その気持ちわかります(笑)短編集は初めてでしたがオチが効いててさすがでした。

が「ナイス!」と言っています。

2024年7月にナイスが最も多かったつぶやき

イアン

11冊中5冊と図らずも「島」を舞台とする作品を多く読んだ6月。月間ベストは森博嗣の『すべてがFになる』と夕木春央の『十戒』。どちらも孤島で起こる連続殺人を扱った作品だけど、同じ月にこうした本格ミステリを皮肉った『名探偵の掟』を読めたのも何かの縁?。2024年6月の読書メーター 読んだ本の数:11冊 読んだページ数:3987ページ ナイス数:3193ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1121679/summary/monthly/2024/6

Vanc
2024/07/03 22:53

イアンさん、いつもお世話になっております。先月の共読は夕木、貫井作品の2冊でした。他にも気になる作品がありトライ予定。今月も宜しくお願いします。

イアン
2024/07/03 23:33

Vancさん、夕木春央は読メで知った作家さんですが、『方舟』『十戒』に続く旧約聖書シリーズ?に期待ですね。今月も宜しくお願いします。

が「ナイス!」と言っています。

2024年7月の感想・レビュー一覧
13

イアン
★★★★★☆☆☆☆☆沖縄を巡る混沌が深みを増す下巻。運命を変えた「嘉手納アギヤー」から10数年が経ち、それぞれの道を歩み始めたグスク、レイ、ヤマコの3人。消息を絶った英雄を捜し出すという志は同じであるにも関わらず、いがみ合い袂を分かつ彼ら。やがて明らかとなる戦果とは…。お世辞にもリーダビリティが高いとは言えず、必要以上に醜く描かれる米軍の所業の数々に、一種のプロパガンダ的な思惑を感じてしまった。巻末に「この作品はフィクションです」と記していないのは、沖縄に寄り添い続けた著者の作家としての矜持ゆえだろうか。
が「ナイス!」と言っています。
イアン
節目の550冊目は直木賞と山田風太郎賞をW受賞した真藤順丈の長編。戦後の沖縄で米軍基地から物資を盗み出す戦果アギヤー。その中でも圧倒的な手腕とリーダーシップを備えた英雄的存在〝オンちゃん〟がある夜、忽然と姿を消してしまう。弟のレイ、親友のグスク、恋人のヤマコはその人生を賭してかつての英雄の行方を追うが…。戦後の沖縄が見舞われた苦悩を、語り部を通じて丁寧に拾い上げた力作。なぜ彼は姿を消さなければならなかったのか。手にしたとされる〝予定にない戦果〟とは。沖縄特有の言い回しに苦戦しつつも、真相を探るべく下巻へ。
が「ナイス!」と言っています。
イアン
★★★★★★★☆☆☆三ツ鐘署を舞台とした横山秀夫の短編集。鑑識係の三枝は15年前に海で溺れている所を大学生グループに救助されるが、その最中に一人の大学生が命を落としてしまう。それ以来毎年遺族宅を訪れていた三枝だったが、1枚の写真に違和感を覚え…(「又聞き」)。交通課、生活安全課、会計課など必ずしも派手な事件を扱う訳ではない7人の男たちの物語。『第三の時効』や『半落ち』と比べると事件自体の地味さは否めないが、警察官自身が抱える問題に焦点を当てた作品が多い。作者名を伏せて読み始めても分かる程の横山クオリティ。
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イアン
★★★★★☆☆☆☆☆写真を使った道尾秀介のショートショート集。1枚の写真に文章とタイトルを添えることで、読者の想像をかき立てる新感覚の54編。短いもので1行、長くても2ページ程度。同系統の『いけない』シリーズより更に短く、「意味が分かると怖い」系の話が好きな人にはお勧め。「つちのうま」から「今夜」への繋がりが個人的に好みだったが、実は半分も理解できなかったなんて口が裂けても言えない。不況に喘ぐ出版業界を盛り上げようと新たな試みを模索する著者の心意気は買うが、立ち読みで読み切れてしまうレベルなのが勿体ない。
NADIA
2024/07/24 04:50

『いけない』シリーズのショート版…。まあ、好きな人は好きだと思うけど、私もネタバレサイトにお世話になったクチなので止めとこうと思います(笑)

イアン
2024/07/24 21:54

NADIAさん、あまりにも短すぎて…(笑) まぁ小説としてではなく、写真で一言!みたいな大喜利集だと思えば楽しめるかもしれません。

が「ナイス!」と言っています。
イアン
★★★★★★★☆☆☆『すべてがFになる』の1年後を描いたS&Mシリーズ第2弾。N大学構内の低温度実験室で2人の大学院生が惨殺された。密室殺人の解明を始めた犀川と萌絵だったが、やがてもう一つの白骨死体が発見され…。如何にしてその密室は構築され、犯人は逃げおおせたのか。前作ほどのインパクトはないものの、与えられた条件から仮定を積み重ね一つの解を導く推理手法は、数学の難問に対するアプローチと酷似している。この先、犀川と萌絵の関係はどう変化していくのか。「数学は何の役に立つのか」と問われた犀川の答えが、実に粋だ。
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イアン
★★★★★★☆☆☆☆新たなダークヒーローの誕生を予感させる中山七里の長編。捜査一課の刑事・瑠衣は、父が勤める中堅ゼネコンで発生した連続不審死の捜査にあたる。しかし事態は瑠衣にとって残酷な方向へ転がり始め…。これまでも刑法39条など現行法では罰せられない不条理を描いてきた中山七里が、満を持して送り出す私刑執行人<ハングマン>。その裁きは正義か、暴虐か。扱うテーマが深いだけに、瑠衣の直情径行な振る舞いが浮いてしまう。その決断に至る胸の裡をもっと丁寧に描いてもよかった。何でもできる辣腕ハッカーはちょっとズルい。
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イアン
★★★★★★★☆☆☆本格推理をメタ的視点で捉えた『名探偵の掟』の続編。図書館を訪れた作家の私が迷い込んだ不思議な空間。そこは「本格推理」という概念が存在しない街だった…。名探偵・天下一となった私が盗掘事件の謎を探る中で遭遇した密室殺人と人間消失。「本格の概念がない」という特殊設定がユニークだが、前作のようなコメディー要素はなく、あるのは本格推理に対する真摯な考察と自問自答のみ。本当に好きな場所なら、思い出の中だけでなくたまには訪れてみてほしい。円熟味を増した東野圭吾が描く本格推理、読んでみたくないですか?
みゆ
2024/07/17 11:36

『掟』と同系列ならしばらくいいかなと思ってたんだけど、コメディ要素を排した本格推理への真摯な考察とは!読んでみたいです('◇')ゞ

イアン
2024/07/17 22:44

みゆさん、一応続編の扱いですが、雰囲気はだいぶ異なりますね。とはいえ前作の記憶が残っているうちに読むと、東野圭吾の「本格推理」に対する気持ちのゆらぎが垣間見れて興味深いですよ。ぜひ読んでみてください!

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イアン
★★★★☆☆☆☆☆☆バレエを扱った芦沢央の長編。演劇界の鬼才・誉田率いる劇団の初演直前に、主役に抜擢された藤谷が失踪する。しかしそれは何人もの人生の歯車を狂わせる序章に過ぎなかった…。藤谷の恋人や代役のルームメイトなど、総勢5人の視点からその日何があったのかを炙り出していく。「カイン」を扱うだけにミステリファンなら当然殺人が起こるのは予想できるのだが、それが一向に訪れず冗長に感じてしまった。バレエや絵画といった芸術的感性を要求する作品だが、核となるテーマをとことん研究し作品に昇華させる芦沢スタイルは健在。
が「ナイス!」と言っています。
イアン
★★★★★★★☆☆☆40代男性課長の日常を綴った奥田英朗の短編集。部長昇進を目前に控えた茂徳。しかし抜擢されたのは同い年の中途採用・陽子だった。陽子の徹底した合理主義に反発する茂徳だったが…(「ボス」)。上司からは無理難題を押し付けられ、部下との距離間に悩み、家庭では子供の進路や親の老後を案ずる。どこにでもいるおじさん達が主役なだけに大きな事件が起きるわけではないのだが、それでも一気に読ませてしまうのはさすが。将来、働き方改革や女性の社会進出が完全に浸透したら、彼らの言動はあり得ないと嗤われるのだろうか。
が「ナイス!」と言っています。
イアン
★★★★★★☆☆☆☆知念実希人の児童書ミステリ第2弾。雪が降り積もったある日、突然校庭に巨大なミステリーサークルが出現する。周囲に見当たらない足跡。それは宇宙人の仕業か、それとも…。陸・天馬・美鈴のミステリトリオが日常に潜む不可解な謎に挑む。2作目にしてこの安定感。相変わらず読み易くミステリ入門編としては最適である一方で、小学校低学年では知らないであろう現象を前提としたトリックである分、前作より評価を下げた。既に第3弾が出ているようだが、このペースで出版され続けるならそりゃ書店員さんも売りたくなりますね。
が「ナイス!」と言っています。
イアン
★★★★★★★★☆☆直木賞と山本周五郎賞をW受賞した佐藤究の長編。敵対組織の襲撃を受けメキシコ国外へ逃亡した麻薬カルテル「ロス・カサソラス」の重鎮・バルミロ。逃亡先のジャカルタで日本人臓器ブローカーと出会い、あるおぞましいビジネスに手を染めていく。「臓器売買」という資本主義の成れの果てをアステカ文明の因習になぞらえ圧倒的なスケールとリアリティで描いた超大作。惜しむらくは、ある少年の謎めいた日記の真相が宙に浮いてしまったこと。ほぼ唯一のミステリ要素だっただけに、ここがしっかり回収されていれば満点もあり得た。
mariri
2024/07/07 01:51

テスカトリポカやばいっすよね!色々難しかったけどまじ面白かった!!レビューにも書いた記憶がありますがグロいけど品があると言うか、奇抜さ以上に筆力で突き進む作品だなぁと新しい世界をみせてくれました🙂イアンさんも高評価ですね!気が合うねぇ😘

イアン
2024/07/07 06:33

maririさん、中盤まではなかなか理解が進まず苦しみましたが、「圧倒的」という表現がここまで合う作品はなかなかないですね。「品があるグロさ」とは相反する表現ですが、言いたいことはめっちゃ分かります(笑)好みも似ていると思うので、またいろいろとお勧め教えてください^0^

が「ナイス!」と言っています。
イアン
★★★★★★★★☆☆関門海峡を舞台とした東川篤哉の長編。とある事情で暴力団組長の娘の狂言誘拐に手を貸すことになった翔太郎。身代金を奪い、計画成功かと思われたが…。狂言誘拐を扱ったドタバタコメディかと思いきや、目の前に転がった一つの死体によって物語は一気に緊迫のサスペンスに…とはならないのが東川スタイル。随所にボケとツッコミが繰り広げられ、ヤクザも警察も、地の文すらボケる。それでいて意外と(失礼)ミステリ部分もしっかりしており読み応えがあった。余談だが、ベイスターズには下関のDNAが流れていることを知った。
が「ナイス!」と言っています。
イアン
★★★★★★★★☆☆芸能界の裏側を描いた染井為人の短編集。スキャンダルにより干された実力派俳優・恭二の元に届いた破格のオファー。長年在籍した事務所を離れ、出演を決意した彼に待ち受けていたものとは…(「クラックアップ」)。女優や芸人、マネージャーなど芸能界に携わる人々の視点から綴られる7つの物語。それはブラックだったりハートフルだったりするのだけれど、いずれも捻りの効いたオチが用意されており、構成力の巧さが光る。芸能界の光と影をコンセプトとするなら、芸能界の裏方から作家へ転身した若者の話も読んでみたかった。
CABIN
2024/07/01 22:04

染井為人さんは贔屓にしてる作家さんなので、読友さんが読んでくれているのを見ると嬉しいです。

イアン
2024/07/02 21:11

CABINさん、その気持ちわかります(笑)短編集は初めてでしたがオチが効いててさすがでした。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2020/04/11(1632日経過)
記録初日
2020/03/12(1662日経過)
読んだ本
573冊(1日平均0.34冊)
読んだページ
221633ページ(1日平均133ページ)
感想・レビュー
573件(投稿率100.0%)
本棚
45棚
性別
現住所
三重県
自己紹介

読書を好きになったきっかけは、小学生の頃に読んだ東野圭吾の『むかし僕が死んだ家』
それまで勉強の対象でしかなかった「読書」というものの素晴らしさに気付いた瞬間でもありました。

以来、ミステリを中心に本を読み漁ってきましたが、2020年4月読書メーター登録してからは、読書自体に加えてレビューを書くことやレビューに対する反応に新たな楽しみを見出すようになりました。

好きな作家は、東野圭吾、誉田哲也、米澤穂信、雫井脩介、伊坂幸太郎、伊岡瞬、柚月裕子、中山七里、道尾秀介、辻村深月、葉真中顕、染井為人など。(敬称略)

レビュー掲載にあたっては「完成度」「リーダビリティ」「結末の意外さ」「リアリティ・フェアネス」などから総合的に判断し、独断と偏見で10段階評価しています。

以下は、レビュー掲載にあたっての自分なりのルールです。
①255文字記載する(★評価含む)
②可能な限りネタバレは排除する。
③部分的にでもネタバレを含む場合は必ず【ネタバレあり】を表記する。
④作家名は敬称略とする。
⑤著者へのリスペクトは忘れない。
⑥(読んだ方の)印象に残るレビューを心掛ける。
⑦月に1冊は初読作家の作品を登録する。
⑧直近9冊以内に読んだ作家の作品は登録しない(上下巻は除く)
⑨文学賞は該当作品が3冊以上となったら本棚を作成する。
⑩文庫改題作は必ず明記する。

50冊目『雪冤』大門 剛明(2020.7.15)
100冊目『告白』湊 かなえ(2020.12.13)
150冊目『理由』宮部 みゆき(2021.6.6)
200冊目『慟哭』貫井 徳郎(2021.11.3)
250冊目『何者』朝井 リョウ(2022.4.7)
300冊目『白夜行』東野 圭吾(2022.8.28)
350冊目『絶叫』葉真中 顕(2023.1.21)
400冊目『教場』長岡 弘樹(2023.6.14)
450冊目『爆弾』呉 勝浩(2023.11.7)
500冊目『方舟』夕木 春央(2024.3.16)
550冊目『宝島』真藤 順丈(2024.7.29)

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