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2024年10月の読書メーターまとめ

メロン
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感想・レビュー
9
ナイス
163ナイス

2024年10月に読んだ本
9

2024年10月のお気に入り登録
4

  • るな
  • ごはんたべたい
  • 植岡藍
  • みこ

2024年10月のお気に入られ登録
4

  • おんだい
  • たまる
  • 三乙 #低浮上
  • さとまる

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

メロン
葉室麟作品は初。結論からいうと前評判よりはあまり心揺さぶられなかった。なんというか主人公が舞台装置し、影響を受ける秋室が清廉潔白すぎる...なんというかお話感が強くなってしまっている。 とある事件をきっかけに藩の歴史を編纂し、10年後の切腹する藩士戸田秋谷と助命の条件にこの戸田秋谷の監視兼編纂の助手として共に過ごす主人公。戸田秋谷の武士としての姿に感銘を受けていき...というお話 戸田秋谷が切腹するきっかけとなった事件については、ややミステリ調でも真相に近づいていく。藩士としての立場や江戸の藩政、武士と
メロン
2024/10/12 20:58

農民、理不尽な死と向き合いながらも生きていく姿には哀愁を感じた。ただ、限られた時の中を生きる。自らの命の使い道を心得ているというような正に「武士道」然とした物語は美しい。

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
9

メロン
日本人として現代における軍事について学ぶ超入門書と言える本書。著者の高橋杉雄先生についてはウクライナ戦争をきっかけにかなりマスメディア露出が多く、また国際政治チャンネルでもよく見かけた。冷静な分析については小泉氏と並んで説得力のある有識者であり、本書も購入した。 入門とあるように非常に分かりやすく基本的な項目が多い、逆説的にはちょっと齧っている人には物足りなさを感じるかもしれない。筆者の問題認識として、悪化し続ける安全保障環境と制度論から防衛費が大幅増額されたことにより、軍事について詳しく納税者として見る
メロン
2024/10/27 23:51

10年代からは安保法制や敵基地攻撃能力等日本の国内の法制度の冷戦から積み残した議論はようやく一応の決着をみた。しかし、これからはもっと実践つまりはどのような装備調達を自衛隊はするべきなのか?どのような能力を獲得するべきなのか?そしてその目的はなんとするのか。という議論が行われていかなければならない。しかしながら2024年の衆議院選挙あれだけ防衛通である石破総理、穏健保守を評する野田代表その他野党含めほとんど安全保障の議論は行われてこなかった。つまるところ我々国民がそのような議論していないことによる鏡なのだ

メロン
2024/10/27 23:57

この問題は2つある。日本の自衛隊が今後能力獲得をしていく際に歯止めが効かず必要限度を超えて肥大化していく可能性。2つ目は自衛隊が必要能力を獲得できず有事の際に防衛力整備が間に合わず機能不全に陥る可能性。保守・革新どちらの立場をとったとて軍事について目を向けなくてはならない。もう物好きのオタクの学問であっていい時代は過ぎた。経済と並ぶ争点に本来はなるべきである。そういった視点を養うのに本書は軍事の重要性から陸海空サイバー宇宙それぞれの視点から分析するフレームと日本の状態を知ることができる良書である。

が「ナイス!」と言っています。
メロン
掲題のとおり、ナチス親衛隊の沿革そして、戦後ドイツ社会での元親衛隊員がどのように扱われていったか評価されたかをコンパクトにまとめた書籍。正直新たな発見はないものの、ハンナ・アーレントによる『悪の陳腐さについての報告』に対する現代の懐疑論や国防軍清廉潔白論の誤謬など最新の研究について知るには良い本と思われる。しかし、いかんせんドイツ人の長い名前、地名、そして裁かれた罪名を列挙されてもなかなか新書として手に取る読者視点では読みにくい。また脚注が非常に多く当該ページにないといちいち末尾に飛ぶのは集中力が切れてし
メロン
2024/10/21 00:19

まう。日本語版に訳するに辺り、原著ママとせずとも多少許諾を経て編集側が配慮してほしいところがあり、非常に残念だった。内容としては親衛隊そのものはイメージ通り純血種によるエリートを集めようとするものの組織拡大で徐々に線引きは曖昧になるし、国防軍との人員取り合いで外国人武装SSの人数が多くなる始末。ヒムラーはオカルトにはまるなど中々滑稽な部分も多い。一方でナチスドイツによる民族戦争の中核を占めていたことも確かで、ざっと触れられる戦争犯罪の数々には吐き気がした。(映画炎628を思い出す

が「ナイス!」と言っています。
メロン
上巻では、長宗我部元親と妻の菜々の物語である。下巻は元親と息子の物語と言えよう。若武者として成長していく信親とぶつかりながらも父として、帝王学を授けていく。秀吉の四国征伐によって上方勢にこてんぱんに敗れる。なんとか土佐一国は安堵される。しかし、四国統一から天下を望む元親の夢敗れ、保守的な一国主に小さくまとまっていってしまうことになった。そして、最終的に九州征伐の先鋒として戸次川で島津軍と激突する。豊臣臣下の仙石権兵衛を軍監としてその指揮を受けるが6,000の兵で薩摩隼人3万に向かうは全くの無謀であった。
メロン
2024/10/20 19:51

この戦いで土佐勢は多大の損害を受け、これからの柱石たる信親も討死する。元親自体はなんとか生き残るものの、天下を、四国統一を、そして未来を託した信親を失い最早脱け殻となってしまった元親。関ヶ原直前に没するが、何ら手を打たず後継者指名の問題も家中に大きな禍根を残しその後長宗我部家は滅亡してしまう。知っていた...知っていたが長宗我部家はこの後が悲しすぎるんだ。大河にならない理由はここにあるだろう。本能寺で信忠が生きていればと同じくらい戸次で信親が生きていればと思う。私のルーツである名字の武士も討死している。

メロン
2024/10/20 19:52

長宗我部の物語は全く、悲劇的すぎる...

が「ナイス!」と言っています。
メロン
長宗我部元親とその正室明智光秀家臣斎藤利三の妹菜々の物語。司馬遼太郎は盛親も描いており長宗我部家を二代に渡って着目しているのは珍しい。菜々が輿入れから始まるが、当時元親は土佐の一豪族にすぎず四国内と血縁を結ぶのが常道と言える。しかし、当時はまだ尾張・美濃の国主として新興の織田信長に着目したのは元親の慧眼を示すものだろう。上巻では土佐の統一から四国統一へ乗り出す所までであるが、権謀術数巡らせこれを成し遂げる知略、一方でそのなかで起こる悲劇に心痛める元親の姿はどこか人間臭く面白い。土佐の一豪族から土佐の大名と
メロン
2024/10/19 19:32

して成長していくなか、田舎の蛮族じみた土佐侍を文化に触れさせ規律を生ませるところも中々に面白い。何度も本書で触れられるところでもあるが、土佐は平安時代にあっては島流しの地であり、今で言えば遠くアフリカに飛ばされるくらいの僻地のような感覚である。一方でそれがただの田舎ではなく、一条家のような中央の公家の下向等もあり文明的な要素も残す。上巻の最後では信長と友好的にとり結んだ関係が崩壊し、いよいよ織田家と長宗我部家は対立していくことになった。しかし、なぜ功名が辻が大河になってこれは大河にならんのか悲しいかな。

が「ナイス!」と言っています。
メロン
後期日中戦争 太平洋戦争下の中国戦線の2作目、前書は主に後期日中戦争(筆者の造語)の華南の戦線を特に支那派遣軍第三師団の足跡から追っていた。一方本書は華北の省ごとにその経過を追っていく構成となっている。特に興味深かったのは山西省の軍閥を率いる閻錫山の取り込み工作とその失敗だった。3回に渡る南京汪兆銘政権との合作を見越した交渉は破談。日本側は閻錫山を取り込み戦力集中を図ろうとするも、閻錫山は中国国内からの批判を恐れ協定締結後も履行せずのらりくらりされてしまう。それどころか足元を見られる始末であった。3次交渉
メロン
2024/10/17 23:31

においては閻錫山が八路軍の伸長を恐れて、日本軍に接近している。また、特に華北戦線においては八路軍の活躍がめざましい。日本軍は都市部を抑えるものの、郊外農村部を終戦まで抑えれず中共の浸透を許し続けた。現地中国人とも協力し、傀儡軍として活用しようとするものの治安維持以上には利用できなかったようである。一方で中共側は単なる軍ではなく、党・行政・民衆が一体となっており、軍事一本槍の日本は対抗しきれなかった。たとえ太平洋戦争による戦局悪化がなくともベトナム戦争のようになったのは間違いないだろう。黄河のある河南省では

メロン
2024/10/17 23:55

黄河を国府側が決壊、日本軍の侵攻を防ぐことを企図した。しかし、この影響で避難民は100万以上大量の死傷者を発生させた点は見逃せない。また蝗害や干ばつも重なり当時の河南省の中国人民の苦しみは壮絶なものであることがわかる。泥沼の日中戦争に勝ち目はあったのか?

が「ナイス!」と言っています。
メロン
本土決戦を決行し、人口26万人にまで激減しつつ地下に立てこもり抵抗を続けるもうひとつの日本になぜか巻き込まれた主人公小田切の話。殆んど台詞回しがない代わりに徹底的な戦闘、音楽描写は村上の作家力をまざまざと見せつけられた気分になる。一方で万人受けする作品では決してない。複雑すぎる描写と残酷な描写、崩壊した日本を見せ続けられるのはなんとも苦しい。私自身「なんかすげぇの読んだけど受け止めきれない」というのが率直な感想。中学生の頃に手を出して全く同じ状況になったので、所詮その程度の理解力しか私にはないと突きつけら
メロン
2024/10/15 08:41

れた。五分後の世界とあるように何故かこの世界に迷い混んだ主人公小田切の時計は、五分後になっている。この表現がラストで回収されるのは思わず唸らされた。間違いなく現実日本を痛烈に風刺しており、本物の日本として戦いきったアンダーグラウンドと家畜とかした非国民村は現代日本を指しているように思われる。一方で保守的な思想でアンダーグラウンドを礼賛するわけではなく、在日二世や部落出身者がアンダーグラウンド差別されていない一方で旧華族などがいる非国民村では村社会の差別が息づいている。痛烈な風刺だ。

が「ナイス!」と言っています。
メロン
南海トラフ騒ぎの後、防災の備えしなくてはと思っていた。自衛隊の装備調達が空中給油機の調達や輸血用血液の大量確保など、実戦に近づいていることも日々感じている。昨今の国際情勢から戦争への備えと言う視点も欲しくなったのて読んでみた。基本的には持ち出し用袋や助けを呼ぶホイッスルの携帯など震災への備えと共通事項も非常に多い。一方で占領地域で生き残る方策(占領軍や自国民からの妬み密告などを防ぐ目的で目立つのを避けるなど)や女性は強姦を避けるために顔を汚し、坊主、服もタボタボのものを着るなど戦争と言う極限を想定して
メロン
2024/10/12 22:13

いるのはとても恐ろしく感じた。(強姦は軍法会議ものなので、発覚を恐れた兵士によって高確率で殺害される)また、山間部への避難、逃走経路の隠匿など正直戦時に訓練を受けていない一般市民にはとても厳しい現実が待ち受けているだろう...他テロへの対応はナイフにたいしてはリュックを体に接着して防御する(空間を空けて腕を突っ張るとその部分を切られる)など戦時以外にも役立つ情報がある。活用するような場面は御免だが、こういった視点も重要だなと薄暗い気持ちになりつつ読んだ。

メロン
2024/10/12 22:15

軍事史や歴史の文脈で知っていることは多いものの、一般市民として自分が介在し立ち向かうことを想像しながら読んだので正直吐きそうな重圧を感じた。戦争なんて、もっというと日本が戦場になることだけは勘弁してほしい。

が「ナイス!」と言っています。
メロン
葉室麟作品は初。結論からいうと前評判よりはあまり心揺さぶられなかった。なんというか主人公が舞台装置し、影響を受ける秋室が清廉潔白すぎる...なんというかお話感が強くなってしまっている。 とある事件をきっかけに藩の歴史を編纂し、10年後の切腹する藩士戸田秋谷と助命の条件にこの戸田秋谷の監視兼編纂の助手として共に過ごす主人公。戸田秋谷の武士としての姿に感銘を受けていき...というお話 戸田秋谷が切腹するきっかけとなった事件については、ややミステリ調でも真相に近づいていく。藩士としての立場や江戸の藩政、武士と
メロン
2024/10/12 20:58

農民、理不尽な死と向き合いながらも生きていく姿には哀愁を感じた。ただ、限られた時の中を生きる。自らの命の使い道を心得ているというような正に「武士道」然とした物語は美しい。

が「ナイス!」と言っています。
メロン
「神聖でも、ローマでも、帝国でもない」とまで言われた中欧の大国神聖ローマ帝国。しかし、この国は850年、カール大帝から数えれば1000年近くの歴史を持った国家であった。本書はその歩みを君主や政治システムと共に述べていく。中世から近世まで、世俗権力と宗教権力、最盛期300を数えた諸領邦と選定侯、そして国民国家の台頭による滅亡。神聖ローマ帝国自体の評価はドイツ国民国家形成を遅らせたと評価されていた一方現代ではEUとの類似性からの評価もある。後継国家であるドイツ連邦、北ドイツ連邦、ドイツ帝国、ドイツ連邦共和国
メロン
2024/10/02 01:35

むしろ増えていく一方であり、45年に51ヶ国の原加盟国で設立された国連の加盟国は現在では190ヵ国を優に越える。そのような時代にあっては多数の諸邦を抱えた神聖ローマ帝国の歩みは十分に歴史的な参照できるものだと改めて感じた。最後の神聖ローマ帝国の解体は皇帝が討ち取られるでも劇的な首都陥落で滅亡したビザンツ帝国のようでもなく皇帝位の放棄によって解体されたのは非常におもしろくかつ、消え行く中世国家への哀愁を感じた。

メロン
2024/10/02 01:36

また、儀礼典礼が徐々に法治のシステムと変貌していくのもなかなかに面白い。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2020/07/19(1590日経過)
記録初日
2020/07/19(1590日経過)
読んだ本
397冊(1日平均0.25冊)
読んだページ
128540ページ(1日平均80ページ)
感想・レビュー
87件(投稿率21.9%)
本棚
4棚
職業
営業・企画系
自己紹介

大学を経て出版社にて働くペーペーの社会人です。
元々読書好きで蔵書が600は冊ほどになりました。なお全部読んでいる訳では無いので積読は溜まる一方です。

好きな、ブームなジャンル
歴史(近現代史中心)、国際政治、国際法、憲法、刑法、刑事訴訟、法地方自治、政治、安全保障、人道法、人類史(サピエンス全史のような)、トランスヒューマニズム....など人文社会科学分野が主な範囲です。

好きな作家は
森見登美彦、司馬遼太郎、佐藤大輔、谷崎潤一郎、星新一など

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