筆者の主張は現代の資本主義・個人主義とは相入れないものである。前提として語られるガイア理論がまず万人には到底受け入れられるものではない。勿論、現代の資本主義・個人主義が行き詰まっていることは間違いのないことなのであるが、それらを塗り替えるほどのパワーを持っていない。希望は勇気というが、援用する理論がこんなにスピリチュアルで脆弱なものでは、他のナイーヴな叫びとあまり変わらないように思えてしまう。いっそ前半部分はなしにしてしまった方がシンプルに思える。
「このまま資源を貪り尽くした未来がどうなるかを知った上で現代人はどう振る舞うつもりなのか?」これだけでよいように思える。そこにスピリチュアルな要素を加えるのはノイズになりうるように感じる。
シトーリツはそれに気がつきそういう不安は人である限りありがちなものと不安を取り除くがオリガの生活からイリヤの匂いを感じイリヤを哀れに思う・オリガがイリヤに会いたがる、イリヤを訪ねるとイリヤの生活は順調だが脳卒中を起こした後・主婦との間にシトーリツの名であるアンドレイと名付けた男子がいる・シトーリツはイリヤを自分たちの所へ連れて行こうとしたが主婦との関係に気づきせめてもアンドレイの教育を引き受けることにする・オリガは会うのを諦める、イリヤはその1年後に亡くなり主婦は墓を愛でる・自分の愛を後から振り返る
自分の幸福だった時代を噛み締める・家事に勤しみ続ける、シトーリツがやってくるとザハーロフがボロボロになって生活している(アニシヤがコレラで死に専ら主婦の助けで生きていた、とある夫人の従僕になったが物をすぐ落とす・続いて門番になったが酒を飲んだり匂いがキツかったりで見放されてしまった)・シトーリツは彼を村へ呼ぶことにした・イリヤが没落した原因をオブローモフ主義のせいだと一緒にいた文士に話す
帰り道で自分の人生の意味を考えるソファイアは意識を失いスターリングの努力虚しく亡くなる・コンスタンスは彼女の人生は自身の犯した罪のために酷いものになってしまったと感じる、コンスタンスはリリーと会うようになる・リリーに自分のお気に入りの装飾品を渡すが当世風ではなくありがた迷惑だし写真を二人で見てもリリーは気を遣っているだけ・気球にハマるリチャードはそのことを伯母には秘密にする・マライアが自殺未遂で精神病院へ(店がさびれて行くのが許せなかった)・合併推進派が楽隊や学童を動員する
体の無理を推して一人で選挙に投票しに行く・リチャードは気球のせいで骨折、クリッチローが店を売りに出して隠居・コンスタンスは追い出されることになるが自分の不幸を周りにうったえ粘ろうとする・関節リウマチも発症しており心膜炎で亡くなる・シリルは葬式に間に合わず、クリッチローは長生きし喜んで知り合いの葬式に出席、置いてかれたフォセットはなんだかわからない事情でいつもと様子が違うことには気づき気分を悪くするがどこかに食べ物があるのではとスープ皿の方へ歩いて行く
息子が振られたことを知り母が「出て失せろ」と騒ぎ出し追い出される、訴訟が行われるが資金がつきたため遺言の内容すら検討されずに終了・弁護士たちはこれがイギリスの誇るべき訴訟システムだと晴れやかに褒める・リチャードとジャーンディスは若いするがリチャードはその後すぐに病死・フライトは鳥を全て解き放った、リンカンシャー暮らし・レスタ卿は隠遁するがボイソーンは彼が元気でいられるように通行権を争い続けている・シャンデリアそっくりのヴォラムニアが舞踏会で目立つ・屋敷の生活は平坦で情熱と矜持も消えて生気のない静けさ
チャーリーは繁盛している粉挽の若主人と結婚した・プリンスの足が悪くキャディが踊りを教えている・黒人支援が失敗したキャディの母は今は女性運動に力をいれる・キャディの子供は聾唖でキャディは読唇術を勉強中、ピーピィは税関吏に・彼は義父のお気に入り、怒りの間を作成した・エイダの息子のリチャードはエイダを母のように慕う・見た目が変わったのにもかかわらず幸せだと噛み締めるとウッドコートに前よりもずっと綺麗だと言われる
パーラールームで巨大な鱒を見ているとくる人くる人が自分の釣り上げたものだという・間違って落とすと粉々になり石膏細工と判明、昔写真を撮られるためにじっとしていたらロックに吸い込まれそうになって慌てた所で写真を撮られる(他のボートを隠すほどばたつかせた両足が大きく写って危うく買いとらされそうになる)、ウォリンフォードは陶器の街で要塞があったがピューリタン革命で議会派に負け壁が撤去された、オックスフォード手前の難所・お互いに気が立っている(水上では皆殺し合いたくなるくらい短期になる)
オックスフォードでモンモランシーが14回喧嘩・オックスフォードで借りる船は不恰好なので川下りをするにしても下流から船を持ってくる必要がある、雨の中帰るが「こんな天気のときに友人が病気になった」とハリスが話し一同不安になる・ジョージがバンジョーを弾くが何故か悲観的な雰囲気になり最後まで弾ききれない・バングボーンで上陸し艇庫番を騙してボートを押し付けアルハンブラ劇場を楽しむ(日焼けしすぎて遅刻した劇団員だと思われる)・レストランの食事中には雨の勢いが増し船を置いてきてよかったと一同満足する
・ティリの話しぶりを見ると祖父トムを思い出すアーシュラ・彼女が花を持っていくと祖国を思い出すとリディアが喜ぶ・ 2つの指輪について話を聞く・どっちのおじいさんが好きだと聞くと両方とも好きだと答える・最初の夫の求愛を思い出しその後の奴隷のような関係を思い出す・子供が生まれた後も彼はただ思想ばかりを追い続けた・24歳になって自分の思想を考える力に気づく・反乱が始まり子供が死んだ時も夫は悲しんでる暇などないかのような態度・夫は敗れたが人間的歓喜に挫折はなく彼女は歓喜の子
生きると言うことを知らずに死んだ彼に対して申し訳なく思う許すことはできない・トムは彼女と交わりながら彼女から何かをとっていった・十分な充足感を持って愛することができた善良な夫元・レンスキーのときは夫だけが実態だったが自分を見いだすことができた・自分の歴史を知り過去につながる感触・「私を愛してくれる人はいるかしら」「自分の欲しいものを望む権利がある、誰か必ずいるだろう」・平和と安全のある祖母の部屋から過去と言う大きな空間への扉が開かれていた・大きな過去の中における個人の尊厳を知った事は彼女の慰めとなった
オリガと結婚するためには借金がちらつくが決心できない・イワンに相談すると友人の官吏(イサイ・フォミッチ・ザチョールツイ、吃音のせいでクビになった)を派遣すればいいと提案される、タランチエフとイワンが話してイワンは契約書詐欺のことを褒められる・イワンは妹をイリヤが狙っていると話す、オリガに村へ官吏を派遣する計画を話すとオリガは卒倒・イリヤは自らが村へ行くことを決心し直すがそれを伝えることなくオリガが「あなたはもう死んでいる、私が大事に思ってきた過去が死んだ」と泣く・オリガとの婚約を解消することを受け入れる
悪い結果になったのはオブローモフ主義のせいだという、運命に対する服従心が苦難の経路で次第に形作られることがある・家に帰るとショックで夜中椅子に座ってしまう・翌朝びっくりしたザハールが盆をひっくり返す・外には雪が積もっている・疲れからイリヤが寝入ると発熱し始める
(実はモラーノも金なくエミリーの財産を狙っていた)、モントーニは山賊のような輩を集める・ヴェレッツィが屋敷を盗んだとモラーノが言ったことを口に出しモントーニは気を悪くする・自分が屋敷を手に入れた経緯を話しているとどこからか相槌を打つ声(聞かせてみよ)がして互いに斬り合う事態に・混乱の最中女中アネットは恋人ルドヴィコに鍵付きの部屋に隠される(逃げる最中に見た重症の男がその恋人ではないかと心配になるエミリー)、叔母が財産を譲らないので監禁される
(エミリーはかねがねモントーニを刺激しないように注意したが最後まで敵対的だった)、寝室近くの部屋に誰かがおりモントーニが訪ねているのだがどうやらオルシーニのようだ(彼は貴族を殺害してしまい逃げている)、叔母に会いたいと思うと門番バルナルディーネが援助を申し出る・昨晩に聞こえてきた歌声が聞こえてこないかと思うが聞こえてこない(自分を慰めるための音楽だと思う)、その頃ヴァランクールは社交界でエミリーの不在を慰める(エミリーはもはや案内役ではなく思い出すと苦痛になる存在)
1960年代半ばパキスタン人は笑いの的だった・自分のパキスタン人としてのアイデンティティを否定しようとした・自分を本名で呼ばない教師にあだ名をつけて停学・黄色いズボンを盗み森で難解な本を読んだ・突然身をやつした友人(髪型がまるで便所ブラシ)と一緒にいるとあらゆる店から追い出される・音楽を聴きながら政治家のスピーチを書き留める作業を始めた。(主に保守党の差別的発言)・ブラックパンサーの写真を部屋に飾る・白人との隔離を訴えるイスラム教徒たち・自分にとって人種差別は不合理と偏見と無知と感覚の欠如を意味している
尊敬する人たちが知性を放棄したことはショック・ボールドウィンも隔離をよく思わなかった、劇作家になってからカラチを訪問・有力者たちは密売人から酒を手に入れてアルコールを楽しむ・かつては英国の教育を受けた人たちは退化だと思う・道徳と宗教の義務に区別がなくなっていく・人々はこの国を離れ愛国者は海外にいた、西欧は自由がありすぎる・防壁としての禁欲は心地よい・移民二世は属すアイデンティティがない、9.11のあと政治とサバイバルしか問題にならない世界の芸術はどうあるべきか
ウッドコートに会い病み上がりの姿を見せリチャードの友達になって欲しいと伝える、ウッドコートは帰り道にレンガ職人の妻が追いかけるトムを見つける・トムはバケットによってエスタの保護を離れ病院に入れられていた・トムはフライトの勧めでジョージの所に身を寄せスナグズビーとも再開して施しを受けるが愈々病に斃れる・ホードンと同じ場所に埋葬されたいと願う、デッドロック夫人は自分の醜聞から遠ざけるためにローズを好きな人といられるようにする・ラウンスウェルを呼び出し事実確認させ二人で行かせる
意図をタルキングホーンに見抜かれ今後は警告を発しないと言われるが夫人は覚悟が決まっている(彼は崇敬の念を抱く)・タルキングホーンに帰るなと警告する者はなく彼は事務室で射殺されたのが見つかる(天井のローマ人が指さす)、バグネット妻は自分の盛大な誕生日に用意された鳥が回るか心配する・ジョージが青い顔で現れる(トムのことを悔やむ)・チェロの手配をしてほしいとバケット訪問し愛想がいい・二人で帰宅時に殺人の容疑でジョージを逮捕(手錠のサイズを気にしたり帽子を目深に被らせたり)
ショーケースの中に入れられた自分が貧民から眺められているようで腹が立つ・お金を渡して涙を流す風港を見ると上にほだされるな同居人のローランスが入ってきて病み上がりだからと部屋に戻される・そこで消毒をしていないことを知らされる・ローランスは病院で知り合ったセールが今は金持ちになりさらに金持ちである従兄弟とご飯を食べてきたところ・その彼から指輪をプレゼントされた・その彼と一緒に食事に行かないかと誘うがソファイアは断る・腕輪をプレゼントする・ドイツと戦争が始まったことを聞く、2週間後消毒を始める
いつの間にかローランスもいなくなっている・シラックが訪ねてきて戦争は悲惨な結果になると心配・誤報だが勝利したという知らせがきてシラックが新聞社へ出かける・フーコーが病気の父という嘘をこしらえて自分を置いて門番に家具代を払わず出て行ったことを悟るが罪悪感からまたフーコーが戻ってくる・フーコーの代わりに家具を買うことにして貸しとする・翌日シラックの新聞で勝利が誤報と知り彼のようなインテリでも熱狂に包まれてしまうフランス人の気ままな国民性に翻弄された気持ちになる
ザブリッキー夫人やトセロや生まれたばかりのミムや大きくなったロイの夢、虎のタンクトップを着た青年とバスケットボール対決をして辛うじて勝つがそのまま倒れる、搬送されるが意識を失っている・全層の梗塞・ジャニスはクロールで会ったときにはハリーは下り坂だったと思う・ハリーは意識を取り戻すが喋れない・ハリーはジャニスはおろかだと思っていたが尊敬し始めていた・ジャニスは「許してあげる」というがハリーには何のことかわからない・ネルソン「何も言えないの?言ってくれよ!」なあネルソンお前には妹がいるんだ
「ミムおばさんはくるよ、死んじゃダメだ!」「なあネルソン、俺に言えることはそんなに悪くないということだけだ」何かもっと言ったほうがいいかもしれないと思うがこれで十分。(息子は狂ったように期待しているけれども)
ユーザー名を逆から見ると、idiot。
読書を本格的に始めたきっかけになったドストエフスキーの長編の中で、当時一番好きだった白痴に肖っています。
(5つ全部読み終わった時点では、未成年が一番好きではあったのですが。)
去年は1日1冊読むようにしていたのですが、今年はより長い作品を読むために制限を取っ払って読書を楽しみたいと思います。
オールタイムベスト
1 「失われた時を求めて」 マルセル・プルースト
2 「かくも悲しい話を...」 フォード・マドックス・フォード
3 「百年の孤独」 ガブリエル・ガルシア・マルケス
4 「紅楼夢」 曹雪芹
5 「兵士シュヴェイクの冒険」 ヤロスラフ・ハシェク
6 「カスパー」 ペーター・ハントケ
7 「夜の森」 デューナ・バーンズ
8 「ジェルミナール」 エミール・ゾラ
9 「ブラッド・メリディアン」 コーマック・マッカーシー
10「運転席」 ミュリエル・スパーク
11「豊乳肥臀」 莫言
12「重力の虹」 トマス・ピンチョン
13「亜鉛の少年たち」 スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ
14「2666」 ロベルト・ボラーニョ
15「夜のみだらな鳥」 ホセ・ドノソ
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ショーケースの中に入れられた自分が貧民から眺められているようで腹が立つ・お金を渡して涙を流す風港を見ると上にほだされるな同居人のローランスが入ってきて病み上がりだからと部屋に戻される・そこで消毒をしていないことを知らされる・ローランスは病院で知り合ったセールが今は金持ちになりさらに金持ちである従兄弟とご飯を食べてきたところ・その彼から指輪をプレゼントされた・その彼と一緒に食事に行かないかと誘うがソファイアは断る・腕輪をプレゼントする・ドイツと戦争が始まったことを聞く、2週間後消毒を始める
いつの間にかローランスもいなくなっている・シラックが訪ねてきて戦争は悲惨な結果になると心配・誤報だが勝利したという知らせがきてシラックが新聞社へ出かける・フーコーが病気の父という嘘をこしらえて自分を置いて門番に家具代を払わず出て行ったことを悟るが罪悪感からまたフーコーが戻ってくる・フーコーの代わりに家具を買うことにして貸しとする・翌日シラックの新聞で勝利が誤報と知り彼のようなインテリでも熱狂に包まれてしまうフランス人の気ままな国民性に翻弄された気持ちになる