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2024年3月の読書メーターまとめ

春ドーナツ
読んだ本
16
読んだページ
5552ページ
感想・レビュー
9
ナイス
159ナイス

2024年3月に読んだ本
16

2024年3月のお気に入られ登録
1

  • 朝乃湿原

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

春ドーナツ
急峻な山頂に「間主観性の現象学」と記された旗がはたはたと音を立てている。私はいま、何合目にいるのかわからないけれど。望遠鏡で目視しているので音は表象としての空耳だけれど。フッサールの本を読むたびに挫折を味わうので、初心に戻ることが大切だと考えた。減少額・・・げんしょうがくと入力すると、いつも上のように変換される。現象学のレジュメともいえる本書は、もう何度も反復横跳びしているので、スラスラ読めた。毎回問題となるのは「この先」だ。大まかなプランを細かく検証する段階から、フッサールの誠実で知的な文章に翻弄される
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
9

春ドーナツ
本を読み終えると、外していたカバーと帯を戻して、そこに書かれている文章に目を通す。できるだけ事前情報ゼロの状態で読みたいという長年の習慣になっている。裏表紙の出版社ロゴを見て「あれ」と思う。角川化している。あとで読み返したとき意味不明だと思うので補足するとローマ字表記になっている。お前はそこかよ。気になるんだよ。***暗黒物質とダークエネルギーがあるんじゃねと囁かれ始めた頃で私の情報は止まっていたので、「ああそうか。そうだったのか」と感動した。真空は「もの」。認識するためのアプリオリな条件じゃないことに驚
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春ドーナツ
私の読書スタイルは、寝ころびなので、700ページを超える新書サイズの本は腕がだるくなったり、耳がうっ血のため痛くなったり、虚弱な体力勝負となる。こういう本こそ電子書籍化することこそ、出版社の読者に対する愛だと個人的に思う。神の名称問題を含む神認識に人間の思考力はどのように立ち向かうのか。中世哲学の永遠の課題である。著者はカントの神理解に否定的なのだけれど、純粋理性批判システムの方がすっきりしているように感じる。でもねえ。著者はすっきりが善なのかと問題を提起して、否定神学や能動知性を詳細に解説するのだった。
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春ドーナツ
TVゲーム「ペルソナ5 ザ・ロイヤル」が佳境に入ってきたけれど、本書と通じる部分が多いような気がする。個人の道徳は、主観的な話なので心がければコントロールするのは難しくないと思う。それが間主観性、集団の中の個となると話は全く異なってくる。著者は内的道徳性と外的道徳性として区別している。後者は政治経済の世界に道徳性は機能しているのか、という無理ゲーな問題を扱っている。村上春樹氏のエルサレムでの講演「卵と壁」を思い出す。あるいはジョージ・オーウェルの「ビックブラザー」。ニーバー氏の結論は「壁抜け」を信じろ、だ
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春ドーナツ
浅学な私は手を出してはいけない本だった。勝手にロゲルギストを欧州の学者たちの匿名グループと思い込んでいたあたりからけつまづいていた。数式がたくさんでてくる。これである。この手の本を読むときは、数式なし、と紹介文にきっちり明記されているものを選んでいたが、油断した。幾何学の素養がないと、きついなと思う図も多く掲載されている。最低限のスタートラインに立っていないものだから、身近なものが扱われながら、ひどく専門的に感じられる。読者の手紙が紹介されていて、数行読んで、冒頭の一文をまざまざと思い知らされた。嗚呼。
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春ドーナツ
ネタバレ昨年、鏡花生誕150年を記念して本書の改版が出た。積読タワーの目立つ場所に配置したけれど、1年近い月日が経過した。独特なリズムを持った文体。樋口一葉の「たけくらべ」を思い出す。日本語って、こんなにカラフルだったのか、と、めくるめく。でねえ、そおすっと私の読み能力では、あらすじを置いてきぼりしちゃうんだ。解説・佐藤春夫の言葉を借用すると「飛躍した文章」に翻弄される。伏線が絡んでいた場合、お手上げで、冒頭の坊さんを思い出せなかった。つかなぜ坊さんになった。主要人物の複雑(個人的感慨)な設定もすり抜ける。嗚呼。
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春ドーナツ
ウィトゲンシュタインの「論理哲学論考」を読んだ。私たちが有する言語では、その論理構造の故に既存の哲学の証明は成立しないと書いてあった。後に彼の哲学は言語哲学のはしり、みたいなものだということも知って、言葉ってなんだろうと疑問に思う。昔読んだソシュールの講義が浮かんできて、通販サイトで検索してみる。ものすごくややこしいというイメージがあったので、できるだけ薄い本はないか、と目を凝らす。本書との出会いである。私ねえ、宇宙とか何かの起源がすごく気になる質なので、「言語起源論の系譜」とセットで書見しようと考えた。
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春ドーナツ
水丸さんの訃報に接したとき、図書館でひたすら画伯の本を借りまくり、むせび読んだ。YouTubeで何かないかと探したことも思い出す。あれから10年経ったのだ。WEB本の雑誌の新刊案内からのリンクで書誌情報を目にしたとき、驚いた。まだ数年前の話だと思い込んでいたから。今月いっぱいで閉店となる近所の村上書店にお願いして取り寄せてもらった。入口の貼り紙にも打ちのめされた。漫画「普通の人」も村上さんのお世話になったことを、書きながら思い出す。表題作の未完の小説は、というか水丸さんの小説を初めて読んだ。意外な展開で、
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春ドーナツ
ついに第五省察において間主観性がでてきた。相互主観という訳語が定着して欲しかった。判断停止(エポケー)と現象学的還元を前提として、超越論的主観性(「私」も廃去されて、純粋な我(エゴ)が残される)という観点から、他者(認識する主観性を持った人間)を客観的に把握するためのプロセスが語られる。第四省察までの展開とは別物である。ぽっと出の術語が入り乱れ、かなり集中して読んだけれど、素人ながら現象学では他者問題は扱えないんじゃないかと素朴に思う。とっかかりは自我の複製として認識する。でも自我って「私」が含まれるよね
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春ドーナツ
急峻な山頂に「間主観性の現象学」と記された旗がはたはたと音を立てている。私はいま、何合目にいるのかわからないけれど。望遠鏡で目視しているので音は表象としての空耳だけれど。フッサールの本を読むたびに挫折を味わうので、初心に戻ることが大切だと考えた。減少額・・・げんしょうがくと入力すると、いつも上のように変換される。現象学のレジュメともいえる本書は、もう何度も反復横跳びしているので、スラスラ読めた。毎回問題となるのは「この先」だ。大まかなプランを細かく検証する段階から、フッサールの誠実で知的な文章に翻弄される
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2011/07/13(4669日経過)
記録初日
2011/07/13(4669日経過)
読んだ本
2903冊(1日平均0.62冊)
読んだページ
944196ページ(1日平均202ページ)
感想・レビュー
1533件(投稿率52.8%)
本棚
2棚
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