シェトランド四重奏はあれで終わりかと思いきや。大学からの友人の結婚式にシェトランド島を訪れたグループの人間模様に、小さなリジーという少女の幽霊伝説が影を落とす…。それぞれの感情の機微が丁寧に誠実に描かれるので物語に入りやすい。ポリーは杉の柩のエリノアを思い出した。シェトランドというおそらく行くことがないであろう土地の風、海、鳥、草木、雰囲気はこのシリーズの魅力。メンタルが安定しているのは人に期待しない人だというのを見かけるけどその通りだと思う。孤独の飼いならし方が上手いほうが穏やかに生きられる。とはいえ。

シェトランド四重奏はあれで終わりかと思いきや。大学からの友人の結婚式にシェトランド島を訪れたグループの人間模様に、小さなリジーという少女の幽霊伝説が影を落とす…。それぞれの感情の機微が丁寧に誠実に描かれるので物語に入りやすい。ポリーは杉の柩のエリノアを思い出した。シェトランドというおそらく行くことがないであろう土地の風、海、鳥、草木、雰囲気はこのシリーズの魅力。メンタルが安定しているのは人に期待しない人だというのを見かけるけどその通りだと思う。孤独の飼いならし方が上手いほうが穏やかに生きられる。とはいえ。

幻の喜劇映画監督を巡る物語の展開も魅力的なのだけど、それ以上に、幻影そのものについてまだ囚われてしまってる。様々な人間関係に介在する愛の形はどれも幻影めいていて途中で登場するブルーストーンのよう。一瞬輝いて見えても実態は厭わしいものであったり。自分の感じる感覚はけして他者と同じものを共有しきれないし、自分の感覚も他者と共有できているという感覚も幻影。そしてその一方シャトーブリアンの言うように「人は追いつめられて初めて本当に生き始める」。幻影だと片隅で感じつつ、生きることを意識すること。心を鈍らせることなく