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2022年11月の読書メーターまとめ

Jessica
読んだ本
13
読んだページ
3678ページ
感想・レビュー
13
ナイス
157ナイス

2022年11月に読んだ本
13

2022年11月のお気に入り登録
1

  • itokake

2022年11月のお気に入られ登録
2

  • itokake
  • ゆいまある

2022年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Jessica
私は物語を読むと色を感じますが、この小説は朱色でした。 これまで読んだ物語の中で、おそらく五本の指に入る好きな本です。 沈む直前に赤く染まる夕焼け、そこにのたまう蛇とその情景の美しさ。ロシア人作家、黒い樹木、脳裏に浮かぶ虹。 誰しも物語の主人公や周りの人物に自分を当てはめることはあると思いますが、この物語はその哀れさ、苦しみ、全てが自分で驚きました。 穏やかで寂しいながらものんびり進む前半から一転、後半からの恐ろしいほどの疾走感へ切り替わり。狂人特有のスピード感と行動力、喪失に圧巻のひとことです。
Jessica
2022/11/11 16:46

ただ、この物語の描く貧困に美を見出してしまったこと(本当は貧困に美などない)、今現在苦しんでいるような自分の弟をこの物語の弟に重ねてしまったこと、そう意味でとても辛い物語でした。

が「ナイス!」と言っています。

2022年11月の感想・レビュー一覧
13

Jessica
ところどころフランス語系の表現があるも、どうもフランスっぽくないなと思っていたらベルギー文学とのこと。 淡々と描かれる、作り手・売り手として服飾業界に関わるユダヤ系一族の文化・社会史。あまり読んだことのないタイプの作品で、こちらも淡々と読み終えました。社会的な意味での服飾の意味や、古くからの店、商店街一帯がファストファッションに置き換えられていく衰退の様は少し勉強になりました。
が「ナイス!」と言っています。
Jessica
恥の意識ほど人の口を閉じて寡黙にするものはないのでは。 単なる #metoo小説として読むにはあまりにも辛すぎる、あまりにリアルで身に覚えのある感情。何枚かの頁を捲る毎に胸が抉られて、読むたびにアイメイクを直していました。(つまり電車で読むべきではない本ですが、家でゆっくり読む本でもないです。)
が「ナイス!」と言っています。
Jessica
この素晴らしい作品に対してあまりに陳腐ですが、これほどまでに愛に溢れた旅行記があったでしょうか? シャイでユーモラスな語り口調、気取って嬉しそうに知識を披露する姿が目に浮かび、読み始めた瞬間から太宰の中でも最も好きな本の一つになりました。 ちなみに、よく聞く 「本当の気品というものは、真黒いどっしりした大きい岩に白菊一輪だ。」という言葉は飲みの席でうっかり出た暴言。『斜陽』的な雰囲気で出てくるのかなと思っていたらあまりにカジュアルに登場したので驚きました。
が「ナイス!」と言っています。
Jessica
「戦闘機じゃなくて、タブローを。戦争じゃなくて、平和を。」 夢見がちだと言われてもわたしはこの言葉が持つ力は大きいと思います。 この本の登場人物は美術品収集家とその周りを取り囲む、自らの信念を貫く本当に暑苦しくて美しい「愚か者」たち。 原田マハ文学の真骨頂はやたらと熱い人間ドラマと、それを取り巻く少し特異な環境。その中でもこれは特に彼女を代表する「アートもの」の作品で、今回は国立西洋美術館の設立までの実際の出来事を生き生きと描き出しています。 一読の甲斐あり。おすすめです。
が「ナイス!」と言っています。
Jessica
ヴィヨンの妻。太宰は頭のおかしい変人を描くのが本当に上手だなあとつくづく思います。太宰自身と言われているダメ夫は勿論、それと一緒にいようとする妻もなかなかに気が狂っているなと失笑半分、好奇心半分に楽しみながら読みました。かなり俗世的でありながらもどこかアーティスティックでかっこよく、さらりと読ませるのはさすがの一言。
が「ナイス!」と言っています。
Jessica
どうせ男が描いた性愛ものやろ、と斜に構えて読んでみたら大間違い。 表題作は50年前(1972年)に描かれたというのに、これほどまでに自己愛と恋愛の狭間をいく心理は変わらないのかあと人間の単純さとアホらしさにむしろ失笑というか、元気を貰えました。 短編8つ、全て読ませる作品。私はもう読むことはないでしょうがおすすめです。
が「ナイス!」と言っています。
Jessica
私は物語を読むと色を感じますが、この小説は朱色でした。 これまで読んだ物語の中で、おそらく五本の指に入る好きな本です。 沈む直前に赤く染まる夕焼け、そこにのたまう蛇とその情景の美しさ。ロシア人作家、黒い樹木、脳裏に浮かぶ虹。 誰しも物語の主人公や周りの人物に自分を当てはめることはあると思いますが、この物語はその哀れさ、苦しみ、全てが自分で驚きました。 穏やかで寂しいながらものんびり進む前半から一転、後半からの恐ろしいほどの疾走感へ切り替わり。狂人特有のスピード感と行動力、喪失に圧巻のひとことです。
Jessica
2022/11/11 16:46

ただ、この物語の描く貧困に美を見出してしまったこと(本当は貧困に美などない)、今現在苦しんでいるような自分の弟をこの物語の弟に重ねてしまったこと、そう意味でとても辛い物語でした。

が「ナイス!」と言っています。
Jessica
最近編集された本らしく、読書メーター内にこの本を見つけることが大変でした。ウクライナの国旗がカラーブロックとしてデザインされ装丁してある綺麗な本です。ブルガーコフはウクライナ出身のロシア語作家。本書内には「モスクワに住んでいる~さん」のような、思った以上にロシア感が強い作品が多く、なおさらこの戦争の意義が分からなくなりました。
が「ナイス!」と言っています。
Jessica
旅のエッセイは私にとってフォーのようなもので、疲れた時に穏やかに楽しみたいもの。淡々と綴られる異国を夢見つつ、「こうやってヤマモモを一緒にとってくれる男の人と結婚したい」と語った感性豊かな友人の早逝などの哀しい部分の描写も穏やかな美しさにこころ惹かれました。色でいうと、まさにこの装丁の様な色合い。もし私が若く死んだならば、この作者のような方に記録を残してもらいたいものです。
が「ナイス!」と言っています。
Jessica
何かがなくなって肩の荷が下りると言う意味のポジティブさと、喪失の悲しみの割合というのは感情や環境でコロコロ変わっていくもので、それと折り合いをつけて生きていくというのが歳を重ねるということではないのかなと、そんなことを思いました。淡々と変わる状況と情景が、全く自分とは異なる環境のはずなのにどうしてこうも重なってしまうのか。もしかしたらこれが没入感っといった感情なのかなと俯瞰している自分もいます。
が「ナイス!」と言っています。
Jessica
日本に暮らす300万人ほどの外国人、特にその中でも裕福ではない人たちがコロナ禍においてどう過ごしていたのかをインタビューと共にまとめたルポ。自分の歪んだ考えを改めさせてくれた本です。 勝手に日本ではない国の移民についての話かと思って読み始めたので、それにすら気づかずリベラルを気取っていた自分が心底恥ずかしいです。
Jessica
2022/11/04 14:42

この本の趣旨そっちのけで自分の話ですが、人間というのはこうも金銭的にも育ってきた環境においても同じ環境や思想の人と固まりがちで、無意識に視野が狭くなっていくのだなと驚いています…。特に私の周りの友人は政治的に保守的な人が多く、そんな彼らを対岸の火事としながらも、正直移民問題に関しては根本的に同じような思想を持っていたのだと気づきました。

Jessica
2022/11/04 14:42

もちろん一つの意見を聞いたあとに短絡的に考えを変えるべきではないと思いますが、もう少し色々な物事を俯瞰して物を言うようにならないとな、と思えるような本を今読めてよかったと思います。

が「ナイス!」と言っています。
Jessica
「所詮テクストしか残らない」と冒頭で語る作家。死んでも文書は残る、だからその為に書くのだというポジティブな捉え方でも、その逆にも捉えられますよね。 ロシアのウクライナ侵攻前からこの企画がなされ、惜しくもその最中に発行したという本書ですが、今回の件にしても、中高生の頃にロシア文学を読み続けた私としては何とも複雑な気分で、それは編者たちの丁寧な注意書きや文章からもにじみ出ていました。
Jessica
2022/11/04 14:58

さてこの中のいくつかの短編を読んで驚いたのは、「マジックリアリズム」の技巧。『百年の孤独』を読んだ後もあり、そのあまりの似通っているメンタリズムというかそういったものに結構感動しました。女性作家について、現代アートについて等々、今に至るロシアでの芸術的思想というか系譜のようなものが分かりやすくまとまっており勉強になりました。

が「ナイス!」と言っています。
Jessica
特に悪文というわけではないですが、これを読んでバイデンに対しての印象や評価が変わるものではないでしょう。まあ可もなく不可もなくといったところで、実際核心に触れない割と浅めな本ですので、興味がある方が読まれればいいと思います。 もちろん家族を亡くしたという点は本当に辛く悲しい記憶だとは思うのですが、悩みが「つい暴走して失言」してしまうというのが最高に白人男性っぽいなと。日本の麻生さんや森さん然り、時代に合わせて自分自身をアップデートする気がないならもう引退すべきでは。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2022/03/23(1152日経過)
記録初日
2022/01/01(1233日経過)
読んだ本
392冊(1日平均0.32冊)
読んだページ
114751ページ(1日平均93ページ)
感想・レビュー
387件(投稿率98.7%)
本棚
3棚
URL/ブログ
https://www.instagram.com/jessicabooks_/
自己紹介

三島由紀夫とフランス文学が好きですが、図書館に行った際に片っ端から新刊を読むのでジャンルはバラバラです。

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