ネタバレ5編。難しい年齢（30代）の働く女性達が主人公。仕事ができてしなやかで、読んでいて清々しい。身近な問題を取り入れつつ、微妙な女心を描く。発行から年数が経っていて時代背景の変化を感じる所はあるけど、主人公と同じ年代の女性は特に共感しそうだ。印象に残った2編●『ガール』…色々な生き方があるけど、お光のように迷いのない人はかっこいい！女同士っていいな、と思えるラストが爽快。●『ワーキング・マザー』…大人は家族のために社会で戦っているが、子供だっていじらしく戦っているのだ。　著者は初読み、他の作品も読んでみたい。

ネタバレ主人公は、出版社に勤務しルーティンな生活を送る45歳の女性。自分には何もない、あるのは加齢による身体の変化。切実でリアルな問題だ。こういう地味な主人公でどんなストーリー展開をしていくのだろう、とワクワクしながら読み進める。が、まさかさんが出てきた時点で嫌な予感がした、いや、もっと言うと平木さんが部署に訪ねてきた時点で嫌な予感がしていたような気がする。話の大筋が自分の好みではなかった。でも、その後改めて読んだら、場面ごとに共感があったり、ユーモラスさにクスッとしたり、登場人物の魅力を味わえたりして楽しめた。

ネタバレ5編。著者らしい破滅的な恋愛小説集。病み感情が周りを巻き込んでいく感じが読んでいて辛い。登場する女性たちは、知的でコミュ力高めだけど根暗で、どことなく母性的でいつの間にか男がいる…という感じで、自分とのタイプの違いに入り込みづらさがある。一番印象に残ったのは●『コンスキエンティア』…主人公と3人の男との関係がすべて歪で、男女関係（恋愛関係）の難解さ、人の人に対する執着心の怖さを思い知る。　全体的に自分にはちょっと恋愛が強すぎたかなとは思ったけど、恋愛・性・精神が哲学的に融合していて、新鮮でおもしろかった。

ネタバレ4編。著者らしい世界観が楽しめた。主人公女性の独立感が心地よい。装丁のデザインに影響されてか、ドキュメンタリー調の映像と静かな女性のナレーションが自分の中にイメージされる。例えば眠れない夜、ふとつけたTVでそんな作品が放送されていたら、私は少し幸せを感じて心穏やかに眠りにつけそうだ。著者の作品は、心の深い部分に届き、私の感性を刺激する。先日読んだ『黄色い家』も本格小説でとてもよかったが、こういうどこか現実離れしたような不思議な雰囲気がある作品も魅力的。今後もたくさんの作品を読みたい。

ネタバレ5編の短編集。降り注ぐ雨のように感傷的で美しく、雨に濡れた後のように不快でみじめになる、そんな作品たち。どれもやってられない現実と、どうしようもない人間らしさで溢れている。こういう美澄さん大好き！全編よかったが、特に気に入った2編●『雨のなまえ』…現実世界では“最低男”で終わってしまう主人公なんだけど、やるせなさが心に染み入り、たまらない切なさに気持ちの処理が追い付かない。●『記録的短時間大雨情報』…傍から見たら現実逃避の自分勝手な妄想。身近過ぎる状況に背筋が凍りそう。　非常に好みで出会えてよかった一冊！

ネタバレ5編。難しい年齢（30代）の働く女性達が主人公。仕事ができてしなやかで、読んでいて清々しい。身近な問題を取り入れつつ、微妙な女心を描く。発行から年数が経っていて時代背景の変化を感じる所はあるけど、主人公と同じ年代の女性は特に共感しそうだ。印象に残った2編●『ガール』…色々な生き方があるけど、お光のように迷いのない人はかっこいい！女同士っていいな、と思えるラストが爽快。●『ワーキング・マザー』…大人は家族のために社会で戦っているが、子供だっていじらしく戦っているのだ。　著者は初読み、他の作品も読んでみたい。