湊かなえ、「イヤミスの女王」と言われているけど、今まではピンときていなかった。でも本書を読んだ後、そこはかとなく身体がゾワゾワと... 殺人と蝶が結びつくなんて盲点だったな。マエモンジャコウアゲハなんて耳にしたら、今後は平静でいられないよ。最後までよくわからなかったのは、至がどうして父の意のままになったのかということ。同年代の少年たちと比べても、少年特有の食えない気質でバリバリ反抗期ではないのか？ 「お父さん、僕を標本にしてください」なんて、そんな殊勝なことあるか？ 私なら正直な話、警察に走っちゃうよ。

「ノルウェイの森」を読んで二度と読むかと決めていたほど村上春樹に抵抗感をもっていた私。小ぶりな体裁と佐々木マキのユ―モラスな挿絵に思わず手に取った。童話のような語り口でストーリーはどんどん進む。もうやめられない。「オスマン帝国の税金のあつめ方」(この書名のわけのわからなさが村上春樹)について知りたかったために大変なめにあうぼく。家で食事の用意をして待つ母のことを何度も思い出すぼく。読者の私も心配になってきてハラハラしてしまう。ぼくを助けてくれた羊男と少女は唐突に消えてしまう。「新月の夜」みたいな本。

湊かなえ、「イヤミスの女王」と言われているけど、今まではピンときていなかった。でも本書を読んだ後、そこはかとなく身体がゾワゾワと... 殺人と蝶が結びつくなんて盲点だったな。マエモンジャコウアゲハなんて耳にしたら、今後は平静でいられないよ。最後までよくわからなかったのは、至がどうして父の意のままになったのかということ。同年代の少年たちと比べても、少年特有の食えない気質でバリバリ反抗期ではないのか？ 「お父さん、僕を標本にしてください」なんて、そんな殊勝なことあるか？ 私なら正直な話、警察に走っちゃうよ。