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2024年10月の読書メーターまとめ

青味泥シンカ
読んだ本
4
読んだページ
1438ページ
感想・レビュー
4
ナイス
82ナイス

2024年10月に読んだ本
4

2024年10月のお気に入り登録
2

  • 雫川
  • 田氏

2024年10月のお気に入られ登録
2

  • 雫川
  • 田氏

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

青味泥シンカ
本書はシェアードワールド創作・SCPを連想させる報告文形式に則った伝奇SFホラー(大切なことを言うと怖くはありません)であり、断片的な情報が徐々に輪郭を帯びる展開がとても心地良いものですが、前半と後半(実質的一部・二部)では大きく様相が変化します。ただしそれは内容と形式自体に予め織り込まれたもの(オマージュ先のSCPに対する一種の返歌)であって、驚きこそあれ非常に納得いくものとなっています。少々キャラの心情語り・テーマの開示があからさまな所もありますが、一風変わったジャンル越境作品として楽しめるでしょう。
青味泥シンカ
2024/10/15 21:31

なお、本書はカクヨム版が先にありまして、これを読むキッカケも、そちらが先でありました。基本的な内容に変化はないのですが、その構造上、目次リンクが存在し、情報を瞬時に相互参照可能にするカクヨム版の方が、本書ならではの味わい自体は楽しめるかと思います。なのでぶっちゃけ、本書を書籍で手にしたのは、一種のお布施に他ならないのですけれど、書籍版には書籍版限定の追加コンテンツが含まれています。何故書籍版にしか入っていないのかも含めて納得の内容になっているので、カクヨム版で読んだ方もまた是非読まれると良いでしょう。

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月にナイスが最も多かったつぶやき

青味泥シンカ

この作品、SCPに触れているかどうかで大分評価が分かれている印象。そういう意味でも電書向きというか、ADVゲームとして出した方が受けそうだ。

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
4

青味泥シンカ
最低限の知識を得た上で読み出したのですが、かなり印象と違う内容に良い意味と、もう一つ混乱した意味で驚かされました。短編連作的に語られるエピソードは、思弁的な、敵味方両方の立場から人間性を追い込み、「人間とはなにか」を問い掛けるものであり、その結論はなんとも酷薄で無情な現実を示すものとなっています。特にお気に入りは『フェアリイ・冬』ですが、これを含む話のどれにもSFミリタリ的浪漫は少なく、個人的には大変面白かった反面、本当に受け入れられているのか少し疑問が湧きました。ハイテク戦闘機の話ではない筈なのに、と。
青味泥シンカ
2024/10/27 17:18

(大昔にOVA一巻だけ見た記憶がありますが、それとも大分印象が異なっている訳で、ただ、アニメ版の方がより叙情的な印象を覚えたことを記憶しているため、もしかして皆アニメ版しか、もっと言うと、あの素晴らしく格好良いOSTの、零のテーマしか知らないのでは? 等と少々勘繰ってしまったり。逆に、本書を本当に読んだ上で評価されているとしたならば、SFの未来は相当に明るい──明るかった、とも言えるでしょうか)(それとは関係ない話ですと、深井零とブッカー少佐のその、そういう関係のむせるような匂わせはなんなのでせうかね)

が「ナイス!」と言っています。
青味泥シンカ
我、負けり──神林長平を読むのは初めてですが、今まで読んでこなかったことを直ぐに後悔しました。あまりに、あまりに面白過ぎる……緩やかな繋がりをもって展開するオムニバス形式の短篇集は、言葉と作家との関係を、時に穏やかに、時に荒々しく、往々にして身も蓋もなく綴ったものになっておりますが、凄まじいのは、その自己言及性。言葉とはなんなのか? その答えを言葉自体が物語と構造でもって提示してくる様は、静かな文体ながらに圧巻であり、とんでもない説得力で読者の脳に迫ってきます。正に『言語SF』っ、堪能させてもらいました。
青味泥シンカ
2024/10/20 00:15

感想を読んでいて初めて知ったのですが(電子書籍版には後書き解説がないという体たらく)、本作の刊行年が94年だという事実に、全く感じさせないその新規性に、ぐらり目眩がしてきました。チャットGPTは直ぐに名前を「ワーカム」に改名するべきなのではないでしょうか? 名前だけ独り歩きしていて大したことない「メタバース」(スノウ・クラッシュ)より、遥かに広まるべき作品でしょ、これは……

青味泥シンカ
2024/10/20 11:19

個個の短編についての話をすると、特筆すべきはやはり『似負文』と『碑文』になるでしょうか。「幻視をもたらし、精神を書き換えるテクノロジー」、口にするのは簡単ですが、言っただけでは(どれだけ巧みに語った所で、現実に効果を与えられなければ)ただの設定に過ぎません。『似負文』は物語の構造と演出でもって、語られた設定通りの効果を読む者に与える、稀有な作品となっています。これは『碑文』も同じですが、こちらは短篇集の総括で、しかし「これしかない」巧みさは変わりません。どちらも読んだ瞬間、思わず奇声をあげちゃいました。

が「ナイス!」と言っています。
青味泥シンカ
本書はシェアードワールド創作・SCPを連想させる報告文形式に則った伝奇SFホラー(大切なことを言うと怖くはありません)であり、断片的な情報が徐々に輪郭を帯びる展開がとても心地良いものですが、前半と後半(実質的一部・二部)では大きく様相が変化します。ただしそれは内容と形式自体に予め織り込まれたもの(オマージュ先のSCPに対する一種の返歌)であって、驚きこそあれ非常に納得いくものとなっています。少々キャラの心情語り・テーマの開示があからさまな所もありますが、一風変わったジャンル越境作品として楽しめるでしょう。
青味泥シンカ
2024/10/15 21:31

なお、本書はカクヨム版が先にありまして、これを読むキッカケも、そちらが先でありました。基本的な内容に変化はないのですが、その構造上、目次リンクが存在し、情報を瞬時に相互参照可能にするカクヨム版の方が、本書ならではの味わい自体は楽しめるかと思います。なのでぶっちゃけ、本書を書籍で手にしたのは、一種のお布施に他ならないのですけれど、書籍版には書籍版限定の追加コンテンツが含まれています。何故書籍版にしか入っていないのかも含めて納得の内容になっているので、カクヨム版で読んだ方もまた是非読まれると良いでしょう。

が「ナイス!」と言っています。
青味泥シンカ
邦題に惹かれるような人間なら既に分かっているであろう内容を語るのに、400ページあまりは少々長過ぎ、ハッキリ言って退屈でした。どうにも作者自身が物語の力に入れ込み過ぎ、過大評価しているようで、また、アメリカという国家に住むアメリカ人というナラティブに取り憑かれてしまってもいるようです。「現実は凡庸で虚構は過激であるが故に、誰も真実に耳を貸さず、極端な物語にすがってしまう」「物語の力は強大で、心を操る力を持つ。だから創作者は哀れな被害者である」等、責任放棄と思える意見も散見し、何とも肌に合わない読書でした。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2023/04/23(582日経過)
記録初日
2023/04/23(582日経過)
読んだ本
76冊(1日平均0.13冊)
読んだページ
24204ページ(1日平均41ページ)
感想・レビュー
76件(投稿率100.0%)
本棚
0棚
性別
血液型
A型
外部サイト
自己紹介

潜ればヘドロも青の味わい。
SFとか幻想とか奇妙な味とかの類が好き。
気が向いた時にダラダラ読みます。
座右の銘は「ディックと押井守を好きな奴はモテない」
対戦よろしくお願いします。

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