64点。「舞姫」「うたかたの記」は擬古文を読むのが苦しくてしょうがなかった。「舞姫」は主人公の豊太郎がクズ過ぎる。何もかも友人の世話になっておきながら不満を漏らす立場にないだろう。何も決断できない男が洋行しても不幸になるだけだと言いたいのか?読後、いい感じがしないのは、作者が長太郎を批判的に見ようとしても、どこか自分に重ね合わせて擁護する感じがあるからか? 高評価順に並べると、｢鶏」「じいさんばあさん」｢寒山拾得」｢うたかたの記｣｢堺事件｣｢舞姫｣「余興」｢寒山拾得縁起｣「かのように」｢阿部一族｣となる。

81点。一人称から三人称になり、前作と位相が異なってきた。この三部作は中上の「岬」「枯木灘」「地の果て至上の時」みたいに変化していくのだろうか?これはこれで魅力的だが、登場人物が多く、すべての人物のストーリーを覚えきれない恨みがある。読みながら、メモをしてもだ。クラウスは出国してさぞ活躍したのだろうと思いきや30年間刑務所にいたとは。あえて双子に再会させないストーリーにするところが非凡である。

64点。「舞姫」「うたかたの記」は擬古文を読むのが苦しくてしょうがなかった。「舞姫」は主人公の豊太郎がクズ過ぎる。何もかも友人の世話になっておきながら不満を漏らす立場にないだろう。何も決断できない男が洋行しても不幸になるだけだと言いたいのか?読後、いい感じがしないのは、作者が長太郎を批判的に見ようとしても、どこか自分に重ね合わせて擁護する感じがあるからか? 高評価順に並べると、｢鶏」「じいさんばあさん」｢寒山拾得」｢うたかたの記｣｢堺事件｣｢舞姫｣「余興」｢寒山拾得縁起｣「かのように」｢阿部一族｣となる。