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2024年2月の読書メーターまとめ

ありえない犬
読んだ本
7
読んだページ
1848ページ
感想・レビュー
7
ナイス
45ナイス

2024年2月に読んだ本
7

2024年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ありえない犬
いいサービスを提供すると、それを受けた側は恩返ししたくなるんだな。ティムに本場の寿司を食べてもらいたいと言った祖母姫に昨夜ロンドン郊外へドライブまでしてもらった筆者としてはなんとしてもおもてなししたくなっただろう。なぜかあの場面は涙がでた。少しでもいいサービスを受けたいお客が「カスハラ」めいたことをすることがたびたびニュースになる本邦では、ぜひとも見習いたい。ティムにも、CAにも、ドアマンや祖母姫からもたくさんいい言葉が聞けてうれしい。人にも薦めたくなる本だ。
が「ナイス!」と言っています。

2024年2月の感想・レビュー一覧
7

ありえない犬
他人のもたらす不快に耐えることが生活の中でいちばん人を苦しめるかもしれない。嫌いというほどの理由はない。それは同じベッドの中の旦那の体温が高いことだったり、口を開けば今年はいくらくらい稼げそうだという話ばかりでキャッチボールのような会話にならないことだったり。そんな生活の中で無感情に耐えて、耐えきれなくなって夫を毒殺しようとしたテレーズ。最後の章で旦那が「僕のことが嫌いだったのか?」という単純な問いがものすごく光って見えた。いままで彼の言葉は指示でしかなかったのに、テレーズと会話をしようとして変わったから
が「ナイス!」と言っています。
ありえない犬
これを読んだのはもう何回目だろうか?4回目にはなっただろうか。表題作「世界でいちばん幸せな屋上」がなんといってもいちばんいい。 『夢?希望?それは、おそらく幸福と呼ばれるものの代替なのだろう、と鳥は考えた。夢は空を飛ぶように楽しむものだが、幸福は、飛ぶことをやめ、地に足のついた現実の中で感じ取らなければ価値がないものだ、と鳥は知ったのだ。鳥にとって飛ぶことは易しい。問題はどうやって飛ばずにいられるか、なのだ。それを「考える」べきだと、鳥は屋上で学んだのだろう。』いつもここでジーンときてしまう。
ありえない犬
馴染みのない名前、土地、文化これだけそろうとこうも読み進めるのが難しいのか、というのが正直な感想。たとえば表題作は人種の違う恋愛もので、自分の中に参照する作品が見当たらない。たとえば身分違いな恋ならいくつも挙がるが、この話はそんなものすら生易しいと感じる差が浮き彫りになる。自分はまったくの無知だが、次のアフリカ文学を読むとききっとこの作品と比べたり参照したりすることになるんだと思う。そうやって馴染んでいけると思える自信はある。それが読書の愉しみだと思うくらいには本に育ててもらっていると感じる。
が「ナイス!」と言っています。
ありえない犬
UNIVERSE25という実験が昔にあったそ。ネズミにとってのユートピアを与える実験。餌はいつでも十分にあるし、住むには申し分ない環境。完璧なユートピアを与えられたネズミの最後はどんなだったかはそれぞれ調べてもらうとして、これは人間に対してのUNIVERSE25だった。どのようにして人間が思弁的な態度を失っていくのか、何が人間の生きる希望を挫くのか。どちらもアンコントーラブルな進化だった。「われわれはどこへ行くのか」この哲学的な思弁が最後のブレーキたりえたかもしれないが、圧倒的なユートピアには無力だった。
が「ナイス!」と言っています。
ありえない犬
美津子が磯辺の妻を世話したとき、生まれ変わりはあると思うかと問われ、わたくしにはわかりませんと答えた。しかし最後の空港での場面では磯辺の中に奥さまいる、と言っていた。美津子は大津を通して、旅を通して変わった気がする。そしてたぶん大津が亡くなったとするならば美津子の中に大津は転生したことと思う。脱線するが今NETFLIXで「雪山の絆」が観られるが、これはガストンさんが戦中人肉を食べるしかなかった塚田を慰めるため、雪山での飛行機事故を話す場面があるが、その事件の物語だ。そちらもよかったので読者におすすめ。
が「ナイス!」と言っています。
ありえない犬
いいサービスを提供すると、それを受けた側は恩返ししたくなるんだな。ティムに本場の寿司を食べてもらいたいと言った祖母姫に昨夜ロンドン郊外へドライブまでしてもらった筆者としてはなんとしてもおもてなししたくなっただろう。なぜかあの場面は涙がでた。少しでもいいサービスを受けたいお客が「カスハラ」めいたことをすることがたびたびニュースになる本邦では、ぜひとも見習いたい。ティムにも、CAにも、ドアマンや祖母姫からもたくさんいい言葉が聞けてうれしい。人にも薦めたくなる本だ。
が「ナイス!」と言っています。
ありえない犬
小川哲の「本物の読書家」という本にちらっとでてきて気になったので読んだ。ずいぶん久しぶりの太宰治。とにかく志賀直哉へのイラつき具合が凄まじい。オチがわかるからと言われて自分の作品をこき下ろされたことに対しての「作品の最後に於て読者に背負投げを食らわせるのは、あまりいい味のものではなかろう」「芸術は試合ではないのである奉仕である。読むものを傷つけまいとする奉仕である。けれども、傷つけられて喜ぶ変態者も多いようだからかなわぬ。」はいい言葉だな。最後の一文なんてなくてもいいのにきちんと奉仕の実践をしている。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2009/02/15(5522日経過)
記録初日
2009/02/12(5525日経過)
読んだ本
247冊(1日平均0.04冊)
読んだページ
72239ページ(1日平均13ページ)
感想・レビュー
170件(投稿率68.8%)
本棚
0棚
性別
年齢
39歳
血液型
A型
自己紹介

純文学大好き。
エンタメ好き。
漫画好き。
SFちょっと苦手。
歴史ものちょっといいかも?
そんなとこです。
とりあえず感想は書くようにしています。

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