『魔女の宅急便』の原作者、『おばけのあっち・こっち・そっち』シリーズなどの児童文学作家・角野栄子さんの日常に密着した映画『カラフルな魔女 角野栄子の物語が生まれる暮らし』を見てきました。88歳で今なお精力的に創作活動をしているエネルギーとオシャレさと現在お住まいの鎌倉の景色がステキでした。上映後監督と編集者のトークショーもありました
沙羅は「あと3日だけ待ってくれる」とつくるに言ったが、ミステリだと沙羅に死亡フラグが立つセリフ。本作はミステリではない(つくるの性夢とシロのレイプ騒動、その後の絞殺とリンクしているようだが、何の解決も見ない)ので、つくるは沙羅に3日後なんらかの進展があるのだろう。前回読んだときはつくるの食の細さ(食べ物やお酒を半分残す)、行動範囲の狭さに男性的魅力を感じなくて、フラれるのではないかと思ったが、今回は結ばれるのもありかとは思う。村上さんの明日から使いたくなるおしゃなセリフ、気の利いた警句は本作でも健在
前回読んだあと、『巡礼の年~小説に出てくるクラシック』のCDを買った。『ル・マル・ヂュ・ペイ』をベルマンとブレンデルで聞き比べできるところが良いのだが、残念ながら、『ラウンド・ミッドナイト』は収録されていない
読書会で紹介された本。串田さんの本格的な登山とは比べものにならないが、私も以前低山歩きを週末毎に楽しんでいた時期があり、山の眺めをラフスケッチする楽しみなどよくわかる。著者は「(本当の山好きは)たとえ山は頂きに辿りつくことが出来なくとも、雨に降られて小屋にとじ込められていても、山の中にいること、そのことが嬉しい」、山の中で聞く音楽は貧弱になり、一枚の枯葉の如くなってしまう。もちろんクラシック音楽の美しさはあるが、「山の中では、技巧も藝術全体も一羽の岩雲雀の囀りにも及ばないものとなってしまう」と書いている
泰平は1980年頃におそらく恋愛結婚して、その後仕事人間で妻との会話は殆どなく、ひょっとすると浮気性(料理教室の先生に粉を掛けようとしている?)、妻が早くなくなり、彼女の残した雑記帳で妻の本心を知り、一人になった今、最も妻と対話ができているのかもしれない。そう考えれば、椎茸が二つゆらゆら楽しそうに風に揺られている光景は微笑ましい。『馴染み知らずの物語』(滝沢カレン)でも本作を取り上げているが、滝沢さんは夫に生椎茸を甘辛く煮させている
チェロは私の最も好きな弦楽器であり、バッハ「無伴奏チェロ組曲」、カザルスなど好きな話も含まれているが、橘がなぜチェロをやめたのか、不眠症の原因にそれがどう関わっているのか、また第1章と2章の間がすぽっと抜けていること等など伏線回収がされてない部分が多い。その辺りが私は残念に感じた。チェロ教師の浅葉の「本番は、ちょっと遠くの小窓の向こうに音を届けるように弾いてみて」という言葉は、チェロは響きの良いホールで聞くと本当に天国にいるような気になることがあり、素晴らしいアドバイスだと思う
現代のカルト集団、エセ科学、健康増進を謳う怪しげなサプリなどに対する強烈な風刺。また星占いとか、血液型診断とかへの批判も込められていて、A型が優良で他はNGで特にAB型は嫌悪の対象になっているという社会。犬はOKだが、猫は「猫気(びょうき)」に繋がるから非合法。この本、訳が分からないところも多いがエセ科学への痛快な風刺が面白かったが、体調が悪かったり、心配事がある人が読むと、頭に入ってこない可能性が強く、また副作用もありそうだ。「この本は用量用法を守って正しくお読みください」の注意書きが必要かも知れない
映画版『あちらにいる鬼』は白木の発癌による衰弱、笙子とみはるの関係の変化・女同士の連帯・シスターフッド的な側面は描かれず、なぜ白木の新築祝いで終わってしまったのだろうか?あれでは白木は単に浮気男、女同士が白木をはさんで対立する構図で終わってしまう。映画評がいま一つ芳しくないのはこの辺りのことも菅家しているのではないかと思う。不倫問題で炎上した広末涼子さんが「され妻」の笙子を演じているところもマイナスなのかも知れないが?ストーリーを単純化するためだろうが、みはるの出家は白木との関係を絶つためだけではなかろう
荒野さんは当然お母さんの郁子さんからチチとのことを取材していただろうが、自分の見聞きしたものも含め、一部脚色は見られるにしてもかなり正確に描写していることが『生き抜く人・全身小説家井上光晴のガン1000日』(山川暁)を読むとわかる。 荒野さんの次作の『生皮』には光晴氏を連想させるセクハラ講師も出てくるし、荒野さん自身が体験したであろう問題も書かれているのではないかと思い、今後も注目したい作家だ
『あち鬼』では、みはる(寂聴さん)の出家を白木(井上氏)が「そういう方法もあるね」と敢えて止めないが、本書に寄れば、井上氏は「出家のときだけはすんなり賛成」したという。これでは小説にならないと、この部分は荒野さんの創作が効いている。また場面は若干イジってあるが、伝習生の女性が突然押しかけてきたこともあり、井上氏が「突然なんの断りもなく来てはだめじゃないか。小説を書く人間のすることじゃないよ」とムキになったのも丸っきり創作ではなかったことが分かって興味深い。原一男監督の映画(1994年)も見てみたい
挿画担当のしゅんしゅんさんの『椿ノ恋文画集』を片手に読んでいたら、新聞連載のような一話一場面のカットでとてもステキな読書体験となりました。これまで穴場的存在だった西口のブンブン喫茶店のスノーフレークケーキも紹介されてしまい、人気殺到で混むのではないかとちょっと心配
読書のジャンルは文芸小説からライトノベル、実用書、歴史経済、明治大正期の小説(特に樋口一葉、森鷗外)など読み散らしています
基本は、「人が3人以上死ぬ(殺される)小説は読まない」ことにしていますが、知らずに読み始めると、時として‥…(/ω\)
読んだ本が映画化されることも多く、映画も良く見ています
本は基本的には、図書館で借りて読みます
「個人の感想」の分類
※あくまでも個人の感想であり、実感には個人差があります
😍Aランク:自分の中では感銘を受けた
特にA+はほかの人にもお勧めできるかな?
😊B+:読んで良かったと、読書体験の喜びを感じた本
😃B:なるほどと思う部分があった
😢B-:読む価値が少なかった。興味や共感が自分には限定的だった。(あくまでも「個人の感想」です)
😒Cランク:共感できなかった(読んでも害はないけど、得もしないので、どうせなら他の本を読んだほうが良かったかな?というレベル・・・あくまでも「個人の感想」です)
😜Zランク:焚書レベル(時間の無駄、百害あって一利なし・・・同上)
---------------------
『散歩と喫茶店が好き』コミュニティの中で、『聖地巡礼』のトピックを作って、歩く会の企画をしております
毎月第二土曜日に、歩数1万歩以内で、テーマ本にゆかりのある場所を散歩いたします
参加費無料ですので、上記コミュニティの『聖地巡礼』トピックをご覧ください
https://bookmeter.com/communities/334038/topics/20958
---------------------
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます