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2024年2月の読書メーターまとめ

マカロニ マカロン
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感想・レビュー
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764ナイス

2024年2月に読んだ本
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2024年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

マカロニ マカロン
個人の感想です:A-。読書会文集原稿作成のため再々読。今村夏子さんは大好物の作家だが、作品に共通する魅力はじわる面白さだと思う。大きな事件はほぼ起きないが、目線を変えると人の悪意とか、行動とかに変なこだわりが見えてきて、笑い、おぞましさ、恐怖がじわじわと芽生えてくる。本作で「黄色」が「むらさき」を観察して色々述べているが、「信頼できない語り手」なので、一向に「むらさき」の顔が見えず、同時に「黄色」も「無色透明」になったり、「腹黒」になったり捉えどころがない。ラストで次は「黄色」のループが始まりそうな予感
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2024年2月にナイスが最も多かったつぶやき

マカロニ マカロン

『魔女の宅急便』の原作者、『おばけのあっち・こっち・そっち』シリーズなどの児童文学作家・角野栄子さんの日常に密着した映画『カラフルな魔女 角野栄子の物語が生まれる暮らし』を見てきました。88歳で今なお精力的に創作活動をしているエネルギーとオシャレさと現在お住まいの鎌倉の景色がステキでした。上映後監督と編集者のトークショーもありました

『魔女の宅急便』の原作者、『おばけのあっち・こっち・そっち』シリーズなどの児童文学作家・角野栄子さんの日常に密着した映画『カラフルな魔女 角野栄子の物語が生まれる暮らし』を見てきました。88歳で今なお精力的に創作活動をしているエネルギーとオシャレさと現在お住まいの鎌倉の景色がステキでした。上映後監督と編集者のトークショーもありました
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2024年2月の感想・レビュー一覧
24

マカロニ マカロン
ネタバレ個人の感想です:B+。『妻が椎茸だったころ』(中島京子)読書会参考本。不思議なタイトルの本として紹介。途中で地下のプールをチェスボードにする場面があり、猫のポーン、ビショップは元々は象を意味する言葉だったと書かれている。私はチェスのルールが分からないし、碁や将棋にも興味がないので、十分に味わえたとは思わないが、デパートの屋上から下りられなかった象、廃バスに住み着いで出られなくなったマスター、壁の隙間から出られなかったミイラ、リトル・アリョーヒンもチェス人形の中で死んでしまう。なんとも切ないが静謐な物語
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マカロニ マカロン
個人の感想です:B+。角野栄子さんの読書会参考本。角野さんは翻訳もかなりの数出版している。本作はイギリスのイラストレーターのサラ・ギブさんの美しいイラスト(切り絵?)がとても素晴らしい。冒頭部で若いおくさんが病気になり、「おとなりの庭のあの新鮮なサラダ菜」を食べたがりますが、むしろここは「ラプンツェル」でそのまま行った方が良かったのではないかとも思った。サラダ菜では死んでしまいそうな病気は治りそうもない。とは言え、切り絵風、影絵風のイラストは色鮮やかで、魔女が出てくると暗転する色使いが楽しい
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マカロニ マカロン
個人の感想です:B。角野栄子さんの読書会参考本。『ミッフィー』は石井桃子さん、松岡享子さんらの訳が多いが、角野栄子さんの訳も結構な数でている。涙を流すミッフィーが愛おしい。思わず「どうしたの?」と聞きたくなる表紙
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マカロニ マカロン
個人の感想です:B+。『妻が椎茸だったころ』(中島京子)読書会の参考本。『椎茸』の中で亡き妻が雑記帳に残したメモの中に「スープのスープ」という話が書かれているが、それが本書のトルコのホジャの民話集の最後の話になっている。ホジャという人は13世紀のトルコに生れたイスラム教のお坊さんとのことで、市井の人のようだが、ティムール大王と仲が良くて宮殿に鳥の丸焼きを持っていったりもしている(実際には年代が1世紀ずれているようだが)。トルコの人々の逞しい生き方や、ホジャの頓知話がとても愉快な本だった
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マカロニ マカロン
個人の感想です:A-。前回は発売された2か月後ぐらいに読み、約11年弱ぶりに再読。村上さんの中で本作はかなり好きな作品。「僕にはたぶん自分というものがない(中略)これという個性もなければ、鮮やかな色彩もない。いつも自分を空っぽの容器みたいに感じてきた」という部分が私もつくるに似ているかなと思う。「人の心と人の心は調和だけで結びついているのではない。むしろ傷と傷によって深く結びついているのだ」というのは前回読んだときは流していたが、今回色々あった後読んだらかなり心に刺さった
マカロニ マカロン
2024/02/28 00:17

沙羅は「あと3日だけ待ってくれる」とつくるに言ったが、ミステリだと沙羅に死亡フラグが立つセリフ。本作はミステリではない(つくるの性夢とシロのレイプ騒動、その後の絞殺とリンクしているようだが、何の解決も見ない)ので、つくるは沙羅に3日後なんらかの進展があるのだろう。前回読んだときはつくるの食の細さ(食べ物やお酒を半分残す)、行動範囲の狭さに男性的魅力を感じなくて、フラれるのではないかと思ったが、今回は結ばれるのもありかとは思う。村上さんの明日から使いたくなるおしゃなセリフ、気の利いた警句は本作でも健在

マカロニ マカロン
2024/02/28 00:23

前回読んだあと、『巡礼の年~小説に出てくるクラシック』のCDを買った。『ル・マル・ヂュ・ペイ』をベルマンとブレンデルで聞き比べできるところが良いのだが、残念ながら、『ラウンド・ミッドナイト』は収録されていない

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マカロニ マカロン
個人の感想です:B。詩人・哲学者の串田孫一さん(1915~2005)による山のエッセイ集。14歳から(昭和初期)から登山を始め、メモや日記に綴っていたものをまとめた本。戦争中は中断し、また空襲で焼けてしまったため、本書は1950年代60年代が主。この時期の山歩き、登山はかなりハードなものが多い。休憩や携行食をあまり取らず、ストイックな行程。しかも雪中で簡易な保温での睡眠も多く、よく事故が起きなかったと思う。草花、鳥の鳴き声などの知識が豊富で、スパルタはイヤだが、著者と同行したら登山の楽しみは増しただろう
マカロニ マカロン
2024/02/23 11:16

読書会で紹介された本。串田さんの本格的な登山とは比べものにならないが、私も以前低山歩きを週末毎に楽しんでいた時期があり、山の眺めをラフスケッチする楽しみなどよくわかる。著者は「(本当の山好きは)たとえ山は頂きに辿りつくことが出来なくとも、雨に降られて小屋にとじ込められていても、山の中にいること、そのことが嬉しい」、山の中で聞く音楽は貧弱になり、一枚の枯葉の如くなってしまう。もちろんクラシック音楽の美しさはあるが、「山の中では、技巧も藝術全体も一羽の岩雲雀の囀りにも及ばないものとなってしまう」と書いている

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マカロニ マカロン
個人の感想です:B+。9編の短編集。表題作はホルマリン漬けの猿がかなりホラー。『ピエタとトランジ』は殺人誘発体質のJK探偵と相棒の登場だが、長編小説化されているぐらい魅力たっぷりな展開。ただ3人以上人が殺される小説は苦手。『アイデンティティ』、『今日の心霊』は発想が愉快。『エイプリル・フール』は必ず一日一回は嘘をつかなければならない病気。0回でも2回でも死んでしまう。私だと3日と持たず死にそう?『逃げろ!』、『ホームパーティーはこれから』は後半の展開の加速ぶりがスゴイ。『ある遅読症患者の手記』は私も困る
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マカロニ マカロン
個人の感想です:A-。表題作の読書会を開催。この本には5編の短編が収められているが、表題作以外はかなり背筋がゾワゾワするものが含まれている。対して、「椎茸」は安心して読めるし、ラストもホッコリで参加者からも好評だった。60歳で定年になり家事ができない男というのはゴミでしかないが、妻が病死して自ら料理しなくてはならなず、やっているうちに楽しくなり、妻だけでなく自分も椎茸だったころを思い出すという言い終わり方。中には死んだ妻が化けて出てきたと言うぶっ飛んだ読み方の人もいて面白かった
マカロニ マカロン
2024/02/28 21:25

泰平は1980年頃におそらく恋愛結婚して、その後仕事人間で妻との会話は殆どなく、ひょっとすると浮気性(料理教室の先生に粉を掛けようとしている?)、妻が早くなくなり、彼女の残した雑記帳で妻の本心を知り、一人になった今、最も妻と対話ができているのかもしれない。そう考えれば、椎茸が二つゆらゆら楽しそうに風に揺られている光景は微笑ましい。『馴染み知らずの物語』(滝沢カレン)でも本作を取り上げているが、滝沢さんは夫に生椎茸を甘辛く煮させている

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マカロニ マカロン
個人の感想です:B+。芥川賞受賞『この世の喜びよ』は二人称文体の賛否が語られるが、テーマ性が素晴らしかった。本書は5編の短編集で、語り手が変化し交差して誰の視点か分からない揺らぎが発生する文体。時に空中から俯瞰したり、Zoomのマルチ画面のような多重視点で場面が変化していく『野鳥園』や修学旅行の高校2年生達が離島のホテルで足止めになる3日間を描いた『風雨』で見事な効果を上げている。『素晴らしく幸福で豊かな』はレオパ(レオパードゲッコウ)自体私にはキモいが、餌がゴキブリ、ヤリチンの保育士とかなり引くテーマだ
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マカロニ マカロン
個人の感想です:B。ヤマハ音楽教室とJASRACの音楽著作権使用料の支払い訴訟に関して、JASRAC側が音楽教室に職員を潜入調査させていたことで炎上した事件がモデル。本作では全日本音楽著作権連盟(全著連)の資料部職員橘樹が5歳~13歳までチェロを習っていたことで、ミサカ音楽教室に入会し生徒として2年間潜入し会話などを録音する。音楽教室で使う楽曲には著作権がかかるか否かが争点で、2022年の最高裁判決ではJASRACが逆転敗訴している。但し橘がヴィヴァーチェで語ったように営利目的であれば小規模でも申請が必要
マカロニ マカロン
2024/02/17 22:40

チェロは私の最も好きな弦楽器であり、バッハ「無伴奏チェロ組曲」、カザルスなど好きな話も含まれているが、橘がなぜチェロをやめたのか、不眠症の原因にそれがどう関わっているのか、また第1章と2章の間がすぽっと抜けていること等など伏線回収がされてない部分が多い。その辺りが私は残念に感じた。チェロ教師の浅葉の「本番は、ちょっと遠くの小窓の向こうに音を届けるように弾いてみて」という言葉は、チェロは響きの良いホールで聞くと本当に天国にいるような気になることがあり、素晴らしいアドバイスだと思う

マカロニ マカロン
2024/02/17 22:49

「帰りの電車に揺られる間」、「バスに揺られて」……著者の安壇さんも電車などに「乗る」ことを「揺られる」と表現する人www(花恋ネタ)

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マカロニ マカロン
個人の感想です:B。角野栄子『魔女の宅急便』読書会の参考本。魔女の宅急便のアイディアとなった長女リオさんが12歳の時に書いたスケッチが掲載されている。魔女の跨がるホウキに黒ネコと音楽の流れるラジオが乗っていてそのまんま。またキキとジジが住み着いたコリコの町のイメージスケッチも掲載されていて、これも楽しい。1959年ブラジル移民として2年住み、その後欧米を旅行して61年に帰国するまでの足跡も豊富な写真やスケッチ、チケット、土産品などのコレクションで辿れる。角野さんの本棚もルーペで拡大してガン見した
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マカロニ マカロン
個人の感想です:B。先日見た映画『カラフルな魔女』(宮川麻里奈監督・2024年)の元になった本。2017年出版なので82歳の角野さんの「毎日いろいろ」が豊富な写真とスケッチで見られる。角野さんは写真は殆ど撮らずに常に携帯している黒革の手帳と、赤白の水玉模様の無地のノートに書き込んでいる。それがネタ帳になっていて、この本にも多数掲載されている。鎌倉に住むまで、若い頃から世界を巡り、仕事、育児、執筆と活躍されてきた「魔法のくらし」ぶりがとてもステキ。映画もとても良かった
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マカロニ マカロン
個人の感想です:B+。早大文学部教授で翻訳や英米文学紹介者として活躍中の都甲孝治さんが9人の翻訳者、小説家、書評家達との8回の鼎談を収録。村上春樹、ルイス・キャロル、大島弓子、谷崎潤一郎、コナン・ドイル、トールキン、伊坂幸太郎、太宰治がテーマだが、そこから色んな作家論に発展していく。村上さんの回では『ノルウェイの森』の先行作品として『杳子、妻隠』(古井由吉)を指摘している。私はこの2作を10年以上の差で読んでいるので、ピンとこなかったが肯けるところはある。鼎談者の藤野可織さん目当てで読み始めたが面白かった
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マカロニ マカロン
個人の感想です:A-。昨年の全国大学ビブリオバトル首都決戦で2人のバトラーが紹介し、1人が準グランドチャンプになった本。近未来の日本で、占い、カルト教団、エセ科学が科学を駆逐すると、生活がどう変わるのかを描いた連作短編集。病は気のせい、字のせいと言って病ダレを取って「丙気」と呼び、「お山の上に口みっつ」の腫瘍を「るん(笑)」と名付けたり。ヤクザイシは反社的存在。薬は排斥され、ミカエル、アクアという何だかわからないものに大金をはたく日常。「千羽びらき」、「憑れる」、平熱が38度に変更とか想像を絶する世界
マカロニ マカロン
2024/02/16 01:07

現代のカルト集団、エセ科学、健康増進を謳う怪しげなサプリなどに対する強烈な風刺。また星占いとか、血液型診断とかへの批判も込められていて、A型が優良で他はNGで特にAB型は嫌悪の対象になっているという社会。犬はOKだが、猫は「猫気(びょうき)」に繋がるから非合法。この本、訳が分からないところも多いがエセ科学への痛快な風刺が面白かったが、体調が悪かったり、心配事がある人が読むと、頭に入ってこない可能性が強く、また副作用もありそうだ。「この本は用量用法を守って正しくお読みください」の注意書きが必要かも知れない

マカロニ マカロン
2024/02/17 22:52

「(電車に)一時間ほど揺られて」……著者の酉島さんも電車などに「乗る」ことを「揺られる」と表現する人www(花恋ネタ)

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マカロニ マカロン
個人の感想です:B+。角野さんと児童文学や絵本などを手掛けている8人の作家との4回の鼎談を収録。司会を置かず3人鼎立で話しており、自己紹介から面白い。1人で3つの自己紹介をして、その内の2つは嘘、どれが本当か当てるゲーム。旭山動物園の飼育係だったあべ弘士さんの動物ネタの自己紹介は絶対嘘を見破れないハイレベルなもの。即興で「上野の森のおばけ」という話を3人リレーで作ったり、抽選で出た言葉のオノマトペを作ったりと作家ならではのハイレベルな試みも面白かった。物語を1人称で書くか3人称で書くかの比較も興味深かった
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マカロニ マカロン
個人の感想です:B。角野栄子さんの読書会の参考本。主人公のイコは1935年生まれで、母が5歳で亡くなり、父(セイゾウ)が再婚と角野さんの幼少期を踏まえている。疎開先が山形と上沼(埼玉県?)の違いはあるが、だんだん食糧不足になっていく状況とかひしひしと伝わってくる。先日読んだ『窓ぎわのトットちゃん』の黒柳徹子さんと角野さんは2歳違いなので、戦時下の状況は似たところも多いが、都会と田舎の違いは生活面でかなり大きいようだ。両者がかなり自己主張の強いところは似ているとも思った
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マカロニ マカロン
ネタバレ個人の感想です:B。角野栄子さん読書会課題本。もちろん映画は何度も見ているが、原作は初。13歳になって魔女修行のために満月の夜に出発、大きな海沿いの町に着いて、パン屋のおソノさんに部屋を貸してもらい、「おとどけ屋」最初の荷物は鳥かごと黒猫の人形。途中で黒猫を紛失し、ジジが身代わりになり絵描きの女の人に救われる、とここまで映画と一緒だが、映画は飛行船が出てきたりいかにも映像向きな展開。最大の違いは映画は貨幣で配送料を取るが、原作はおすそ分けを貰うだけ。これではキキとジジはパンケーキどころか何も食べられない?
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マカロニ マカロン
個人の感想です:B。『あちらにいる鬼』(井上荒野)読書会関連本。課題本の中で、白木の死後笙子がみはるの掌編小説『サーカス』を読んで、感想をはがきで送るシーンがある。本書は寂聴さんの5ページ程の掌編小説が30編収載されているが、『サーカス』も含まれている。白いレース柄のいカバーと表題の美しさに反して、半数以上の掌編に浮気、不倫が描かれているが、『サーカス』にはそれはなく老いた思いが感じられるところを評価したのだろうか?但しこれが事実かどうかは分からない。『夫を買った女』、『恋文の値段』、『島へ』が好き
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マカロニ マカロン
個人の感想です:A-。読書会で2度目の課題本。中年男女のドロドロの不倫ものは苦手なのだが、読書会で話すと、嫌悪を露わにする人、後半の展開に救いを見いだす人、笙子の「妻の超然」ぶりに感心する人など色んな見方が出て面白かった。また今回読んで、荒野さんの女性ならではの(と書くと批判を受けそうだが)細かな人の振る舞いや表情の描写が冴え渡って、敢えて感情を書かなくても気持ちが伝わってくるてんは見事だ。娘の立場でチチの不義、ママコの超然を描くのは辛いところもあるだろうが、近年の荒野さんの作品は素晴らしいと思う
マカロニ マカロン
2024/02/10 23:12

映画版『あちらにいる鬼』は白木の発癌による衰弱、笙子とみはるの関係の変化・女同士の連帯・シスターフッド的な側面は描かれず、なぜ白木の新築祝いで終わってしまったのだろうか?あれでは白木は単に浮気男、女同士が白木をはさんで対立する構図で終わってしまう。映画評がいま一つ芳しくないのはこの辺りのことも菅家しているのではないかと思う。不倫問題で炎上した広末涼子さんが「され妻」の笙子を演じているところもマイナスなのかも知れないが?ストーリーを単純化するためだろうが、みはるの出家は白木との関係を絶つためだけではなかろう

マカロニ マカロン
2024/02/10 23:23

荒野さんは当然お母さんの郁子さんからチチとのことを取材していただろうが、自分の見聞きしたものも含め、一部脚色は見られるにしてもかなり正確に描写していることが『生き抜く人・全身小説家井上光晴のガン1000日』(山川暁)を読むとわかる。 荒野さんの次作の『生皮』には光晴氏を連想させるセクハラ講師も出てくるし、荒野さん自身が体験したであろう問題も書かれているのではないかと思い、今後も注目したい作家だ

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マカロニ マカロン
個人の感想です:B。『あちらにいる鬼』(井上荒野)読書会の関連本。荒野さんは課題本の中で「チチ」と「ママコ」に関して第三者的な目で描ききっているが、映画版『あち鬼』では描かれていない「チチ」癌発病後のことを冷静に正確に描いていることがこの本を読むとよく分かる。副題にある通り「全身小説家」の面目躍如たる井上光晴氏の言動、行動はすさまじいものだと思う。私は決して共感はできないのだが、損得抜きで文学に取り組む氏の姿勢は評価でき、「嘘吐き」と断じた瀬戸内寂聴さんも私的関係以外にその点で深く尊敬していたものと思った
マカロニ マカロン
2024/02/10 22:53

『あち鬼』では、みはる(寂聴さん)の出家を白木(井上氏)が「そういう方法もあるね」と敢えて止めないが、本書に寄れば、井上氏は「出家のときだけはすんなり賛成」したという。これでは小説にならないと、この部分は荒野さんの創作が効いている。また場面は若干イジってあるが、伝習生の女性が突然押しかけてきたこともあり、井上氏が「突然なんの断りもなく来てはだめじゃないか。小説を書く人間のすることじゃないよ」とムキになったのも丸っきり創作ではなかったことが分かって興味深い。原一男監督の映画(1994年)も見てみたい

が「ナイス!」と言っています。
マカロニ マカロン
個人の感想です:A-。読書会文集原稿作成のため再々読。今村夏子さんは大好物の作家だが、作品に共通する魅力はじわる面白さだと思う。大きな事件はほぼ起きないが、目線を変えると人の悪意とか、行動とかに変なこだわりが見えてきて、笑い、おぞましさ、恐怖がじわじわと芽生えてくる。本作で「黄色」が「むらさき」を観察して色々述べているが、「信頼できない語り手」なので、一向に「むらさき」の顔が見えず、同時に「黄色」も「無色透明」になったり、「腹黒」になったり捉えどころがない。ラストで次は「黄色」のループが始まりそうな予感
が「ナイス!」と言っています。
マカロニ マカロン
個人の感想です:B+。読書会文集原稿作成のため再読。藤野さんの小説は平易な文章で書かれているが、読み始めるとすぐに迷路に迷い込む感覚があり、ふと気づくと予想もしない出口にたどり着いていたという展開のものが多い。また、書く人の目線の揺らぎという仕掛けもあって、余計迷路感が強い。「マイ・ハート・イズ・ユアーズ」ではまるでアンコウのように生殖後男が女性に吸収されてしまう不気味さだが、底流に現代でも根深い女性差別、産休問題、育児分担などの問題へのアンチテーゼが含まれている。本の装幀もオシャレでステキ
が「ナイス!」と言っています。
マカロニ マカロン
個人の感想です:B+。『椿ノ恋文』を読みながら、この本のページもめくり、新聞連載時のような1シーン1カットの贅沢な読書時間を過ごせました。『ツバキ文具店』等の聖地巡礼計画中で、鎌倉下見を繰り返している最中なので、しゅんしゅんさんのシンプルな線画での捉え方がとても新鮮に感じます。ただ、先代とかQPちゃんとか、知的ヤクザなど人物像は読んで自分の作るイメージと若干ギャップが感じられて、読者の想像にお任せした方が良いのではないかとも思った。販売部数の関係か、画集の方が値段が高いので、びっくり
が「ナイス!」と言っています。
マカロニ マカロン
個人の感想です:B+。私の主催している読書会は「椿読書会」といいますが、第1回が『ツバキ文具店』だったことから名付られました。また3~5月に鎌倉で『ツバキ文具店』、『ビブリア古書堂』シリーズ、『海街diary』 の聖地巡礼計画中と言うことで、期待のハードル上げすぎたのかも知れません。鎌倉の新しいお店も紹介されてガイドブック的な面白さもありますし、手書きの手紙もステキですが、ストーリーは若干ご都合主義的な感触が残ります。でも先代の秘めた恋物語、QPちゃんの反抗期など心の琴線に触れるところもたっぷりでした
マカロニ マカロン
2024/02/02 01:13

挿画担当のしゅんしゅんさんの『椿ノ恋文画集』を片手に読んでいたら、新聞連載のような一話一場面のカットでとてもステキな読書体験となりました。これまで穴場的存在だった西口のブンブン喫茶店のスノーフレークケーキも紹介されてしまい、人気殺到で混むのではないかとちょっと心配

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2011/10/06(4559日経過)
記録初日
2011/10/06(4559日経過)
読んだ本
2662冊(1日平均0.58冊)
読んだページ
695950ページ(1日平均152ページ)
感想・レビュー
2662件(投稿率100.0%)
本棚
10棚
職業
サービス業
現住所
東京都
自己紹介

読書のジャンルは文芸小説からライトノベル、実用書、歴史経済、明治大正期の小説(特に樋口一葉、森鷗外)など読み散らしています
基本は、「人が3人以上死ぬ(殺される)小説は読まない」ことにしていますが、知らずに読み始めると、時として‥…(/ω\)
読んだ本が映画化されることも多く、映画も良く見ています
本は基本的には、図書館で借りて読みます

「個人の感想」の分類
※あくまでも個人の感想であり、実感には個人差があります

😍Aランク:自分の中では感銘を受けた
  特にA+はほかの人にもお勧めできるかな?

😊B+:読んで良かったと、読書体験の喜びを感じた本

😃B:なるほどと思う部分があった

😢B-:読む価値が少なかった。興味や共感が自分には限定的だった。(あくまでも「個人の感想」です)

😒Cランク:共感できなかった(読んでも害はないけど、得もしないので、どうせなら他の本を読んだほうが良かったかな?というレベル・・・あくまでも「個人の感想」です)

😜Zランク:焚書レベル(時間の無駄、百害あって一利なし・・・同上)

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『散歩と喫茶店が好き』コミュニティの中で、『聖地巡礼』のトピックを作って、歩く会の企画をしております
毎月第二土曜日に、歩数1万歩以内で、テーマ本にゆかりのある場所を散歩いたします
参加費無料ですので、上記コミュニティの『聖地巡礼』トピックをご覧ください
https://bookmeter.com/communities/334038/topics/20958
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