ネタバレ「風のように」飛んでくる火村，男ながら惚れ惚れします！しかも，親指の傷を取っ掛かりにすべての謎を明快に解いてしまうとは…。裏磐梯という舞台設定の秀逸さもあり，とても好きな作品となりました。強いて言えば…そもそも淑美は何故来たのか…。嫌な思い出しかない場所なのだから，意地でも来なきゃいいのに…そうすればこの悲劇は起こらなかったのに…と考えるのは野暮ってもんか…。他の方も指摘していますが，途中で輝美が目覚めたらどうするつもりだったのか…？などと考えるのも野暮…。でも法月の「雪密室」より今作の方が好みです。

ネタバレ学生の頃に読んでいたら途中でギブアップしていたかも。55歳の今読むと，ゴリャートキンが憐れ過ぎて読むのがツライ…。世間で如才なく立ち回れる人を妬む心は誰しもあるだろうけど，それが自分の分身だったら…。ドラえもんで，のび太の影がのび太に取って代わろうとする話があって，子どもながらに怖いなと思ったものですが，大人だってコワイもの…。この狂気を描くには，冗長とも思われる繰り返しが不可欠なので，それを以ってこの作品にけちをつけるのはおかしい（冗長でなければ狂人の精神世界を描けない）。

ネタバレ「風のように」飛んでくる火村，男ながら惚れ惚れします！しかも，親指の傷を取っ掛かりにすべての謎を明快に解いてしまうとは…。裏磐梯という舞台設定の秀逸さもあり，とても好きな作品となりました。強いて言えば…そもそも淑美は何故来たのか…。嫌な思い出しかない場所なのだから，意地でも来なきゃいいのに…そうすればこの悲劇は起こらなかったのに…と考えるのは野暮ってもんか…。他の方も指摘していますが，途中で輝美が目覚めたらどうするつもりだったのか…？などと考えるのも野暮…。でも法月の「雪密室」より今作の方が好みです。

ネタバレヴァンのデビュー作ですから，やはり必読だと思います。人をおちょくったような話し方は，御手洗潔を彷彿とさせますし，後の日本人作家に与えた影響は大きいなと感じさせてくれました。人物描写がやたらと長いし，じれったくなるような展開が合わないという人もいるかもしれません。しかし，じわじわと容疑者を狭めていくあたり，さすがだなと思いました。正面から額に弾丸を撃ち込めるのはどんな人物なのか…という分析で犯人を早々に特定するとは，当時としては相当斬新だったことでしょう。それにしてもマーカムの道化ぶりが憐れ(笑)。