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2024年11月の読書メーターまとめ

fujikura kazushi
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33ナイス

2024年11月に読んだ本
6

2024年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

fujikura kazushi
「私は淋しい人間です」と先生はその晩又この間の言葉を繰り返した。「私は淋しい人間ですが、ことによると貴方も淋しい人間じゃないですか。私は淋しくっても年を取っているから、動かずにいられるが、若いあなたはそうは行かないのでしょう。動けるだけ動きたいのでしょう。動いて何かに打(ぶ)つかりたいのでしょう。……」「私はちっとも淋(さむ)しくはありません」「若いうち程淋(さむ)しいものはありません。それなら何故貴方はそう度々私の宅(うち)へ来るのですか」(略)「あなたは私に会っても恐らくまだ淋しい気が何処かでしている
fujikura kazushi
2024/11/21 21:48

でしょう。私にはあなたの為にその淋しさを根元から引き抜いて上げるだけの力がないんだから。貴方は外の方を向いて今に手を広げなければならなくなります。今に私の宅の方へは足が向かなくなります」先生はこう云って淋しい笑い方をした。(p26~27)

が「ナイス!」と言っています。

2024年11月の感想・レビュー一覧
6

fujikura kazushi
(略)何もかも、手遅れよ。男は、自らの手で愛する女を殺してしまったのだ。「あ……あ……」言葉など出なかった。この人だけは守ろうと思っていたのだからな。「ファ……ハハハ……」しかし女は違った。奴は笑ったのだ。今わの際で、信頼していた者に裏切られて、なお。「相変わらず……しかめっ面をしておる、な……つまらん奴だ……笑え」「え……」「どんな時でも……とにかく、笑え……」「しかし、私はあなた様を……」「構わん構わん……おぬしは真面目すぎるんじゃ……しかめっ面で……一人で部屋に閉じこもり、酒も飲まず、眠りもせず、何
fujikura kazushi
2024/11/30 22:06

が楽しいんじゃ……大声で笑い、女でも抱け……」「女など……私は、あなたをお慕いしているのです……!」「ファハハ……なんじゃと? ならもっと豪快な男になってみせい……さすれば、結婚してやろうぞ……」「は……はい……努力いたします……」「ならば、来世では貴様は婚約者じゃな……ファハハ、ファハ……」女は最後に笑った。豪快に、そして力強く、(略)そんな笑い声に包まれながら、男と女は光に包まれ、死んだ。(p309~310)

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fujikura kazushi
「ムーア、憶(おぼ)えているか?」(略)「いえ、自分は人魔大戦の頃はまだ……」「そうか、そうだったな」いつになく低い声で、いつになく落ち着いた声で、アトーフェが呟く。「あの時のとは違う。あの時のは、もっとキンキラだった。これより力も速度もあったが、あんな武器はなかった」(略)「だが、人族はそうだった。最初は弱い。とてつもなく弱い。オレたちが攻め入れば、すぐに瓦解して逃げ始める。だが、しばらくすると、どんどん変わっていく。気づけば顔ぶれが変わり、鎧が変わり、武器が変わる。戦い方もそうだ。固まったり、バラケた
fujikura kazushi
2024/11/28 21:50

り、山の中に待ち構えたり、川を挟んだり……。そうしながら、少しずつ強くなっていく。カールは、それこそが人族の強さだと言っていた」(略)「それは貴様が作ったのか?」「はい」「そうか……強いな、お前は、実に強い」(略)「愉快な話だ。親父がどれだけ苦心しても勝てなかった龍族に、木っ端のごとき人族が追いつこうというのだから……」(略)「負けを認めよう。約束通り、お前が生きている限り、オレはお前の傘下となる」(p232~233)

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fujikura kazushi
戦いたくはない。でも、時に戦わねばならない時がある。真なる平和のために。「さあ、行こうか」この手に世界の平和を勝ち取るために、戦おう。 戦いたくはない。でも、時に戦わねばならない時がある。真なる世界の平和のために。「さあ、行こうか」この手に世界の平和を勝ち取るために、戦おう。(p324~325)
が「ナイス!」と言っています。
fujikura kazushi
「私は淋しい人間です」と先生はその晩又この間の言葉を繰り返した。「私は淋しい人間ですが、ことによると貴方も淋しい人間じゃないですか。私は淋しくっても年を取っているから、動かずにいられるが、若いあなたはそうは行かないのでしょう。動けるだけ動きたいのでしょう。動いて何かに打(ぶ)つかりたいのでしょう。……」「私はちっとも淋(さむ)しくはありません」「若いうち程淋(さむ)しいものはありません。それなら何故貴方はそう度々私の宅(うち)へ来るのですか」(略)「あなたは私に会っても恐らくまだ淋しい気が何処かでしている
fujikura kazushi
2024/11/21 21:48

でしょう。私にはあなたの為にその淋しさを根元から引き抜いて上げるだけの力がないんだから。貴方は外の方を向いて今に手を広げなければならなくなります。今に私の宅の方へは足が向かなくなります」先生はこう云って淋しい笑い方をした。(p26~27)

が「ナイス!」と言っています。
fujikura kazushi
家族とはたぶん、何かを掛値なしに分かち合う人のことだ。役割分担というのは、何かひとつのもの――たとえば一緒に暮らしている生活そのものだったり、金銭的なものかもしれないし、お互いの人生そのものみたいなものかもしれないが――を分け合うことによって発生する作業だ。分かち合うからこそ、そこに役割が発生する。あなたとわたしで違うことをして、何かひとつのものを完成させる。(略)そして分かち合うことそれ自体に、約束が発生する。会社との契約のように、何かを目的として役割分担をしているわけではない。ただ、分かち合うことに、
fujikura kazushi
2024/11/09 21:50

意味がある。分かち合うことそのものが、家族の営みであり、家族の証だ。――『キッチン』なそう告げているように、見える。(p105~106)

fujikura kazushi
「姫野さんは迷いがないみたいだけど、そんなに帆波ちゃんのやり方に不満があるの?」(略)「不満って言うか……私は、全員手を繋いで仲良くってスタンスが好きじゃない。それは最近とかじゃなくてこの学校に入る前からずっとそうだった。友達付き合いもあんまり好きじゃないし、どちらかと言えば1人でいる方が楽だって感じる」(略)「でも私は発言が得意なほうじゃないし、黙って流される方が楽だと考えてた。だから遊ぼうと誘われたら黙ってついていくし全員が一之瀬さんに従うなら黙って従うのが楽だと思って従ってきた。ただそれだけ」(略)
fujikura kazushi
2024/11/04 22:05

「でも、内心てはずっと思ってた。一之瀬さんのやり方だけじゃAクラスには上がれないんじゃないかって。だけど仕方ない。全員が黙って従うのなら、私も従うしかないって流されてきたから」(略)「でも神崎くんが本気でクラスを変えようとしてるって知った。だから――私はそれに賭けてみることにした」「楽に流されてBクラス以下で終わるのか、無理してでもAクラスで卒業するのか、その2択から選んだってわけだな」(p152~153)

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2011/10/27(4789日経過)
記録初日
2011/10/01(4815日経過)
読んだ本
1314冊(1日平均0.27冊)
読んだページ
386075ページ(1日平均80ページ)
感想・レビュー
307件(投稿率23.4%)
本棚
0棚
性別
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