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2024年3月の読書メーターまとめ

ゐぁくゎ
読んだ本
10
読んだページ
3400ページ
感想・レビュー
10
ナイス
319ナイス

2024年3月に読んだ本
10

2024年3月のお気に入られ登録
1

  • 轟直人

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ゐぁくゎ
著者を読むのは2冊目。クローズド・サークルは出尽くした感があったが、特殊設定を使えば、本作のようにまだまだ作れる気がする。ミステリの設定としては優れているのだが、後半の種明かしからのストーリーが、推理内容の説明に終始してしまっている書き方のため、最終盤で俄然盛り返してくるだけに、やや勿体ない。理屈では実現可能なようだけど、犯行態様が若干無理っぽい。前作「方舟」ほどのインパクトはないものの、絶対的な評価としては、意外性があって十分面白い。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
10

ゐぁくゎ
日露戦争直前の北海道道東。山に一人で暮らし鹿や熊などの動物を狩って暮らす猟師の熊爪が主人公。物語中盤の、冬眠しない手負いの熊と若い赤毛熊の縄張り争いに熊爪が絡むシーンがクライマックス。動物と猟師の駆け引きには、経験に裏打ちされた読み合いの心理合戦と、闘いのアクションシーンがあって、読みごたえ十分。逆に人間相手のコミュニケーションには、どこか不自然さ故のおかしみを醸し出すが、彼の人生の行く末を大きく左右する。終盤の展開はもう少し派手さが欲しかったが、心理面の描写が優れた良作。
が「ナイス!」と言っています。
ゐぁくゎ
単行本にしては珍しい謝辞という後書きが書かれ、執筆の経緯が明かされている。性犯罪の被害者の「その後の被害」は、ネット社会の進む今日ではますます拡大しているように思える。テーマの重大さとそれにふさわしい込み入ったストーリーはバランスが良いが、純粋にエンタメ小説としてうまく構成されたかという点では、やや消化不良のエピソードが多い気もする。ベテラン刑事の愚直さと、若手のわけあり刑事のワリキリの良さの対比が、徐々に相互作用して変遷して行き、やがてポンと提示される両者間の真実には、心を持って行かれた。
が「ナイス!」と言っています。
ゐぁくゎ
ネットでの真面目な食レポ宿レポ投稿の中にフェイクを時々紛れ込ませると、フォロワーはフェイクと気付かず信用するのか。風評により経営が傾き、経営者が自死することになっても、自分基準の正義を振りかざす愚か者どもは正義の鉄槌と意識するものなのか…。ネット棄民の現状を背景として、うまく構成された小説だと思う。動機は予想の範疇で、フーダニットの点では伏線が皆無なので終盤に唐突感を覚えるものの、全体としては面白かった。
が「ナイス!」と言っています。
ゐぁくゎ
バイト先の年配同僚が倒れ、送り届けたアパート住民たちと懇意になって、知らずに何かの片棒を担がされる浪人生堀部一平(安兵衛)。並行して、国会議員のドラ息子の陰湿な児童への犯罪が描かれる。この両者の視点人物の交わる先は容易に推測できるので、物語の謎は軽め。終盤の先行きに関するサスペンス感があって面白い。ただ、エンディングの収束のさせ方への納得感はあまり高くない。
が「ナイス!」と言っています。
ゐぁくゎ
姫川玲子シリーズの長編を読むのはノーマンズランド以来6年ぶり。主な視点人物は、姫川と魚住久江で、何となく相手について抱いている内心の評価が過剰とも言える様子で面白い。物語の中では、凶器の形状から発見に至るまでの展開が最も興味深かった。タイトルや動機に関連するマスゴミ問題は、一見極端に思えるけど案外実際に近いのかとも思わせる。この小説の後日譚があったら世論がどう紛糾するのか、あるいはマスメディアの報道に手加減が加わるのか、などを夢想してしまうほどで、現代的で社会性のある題材を読みやすい文体で綴った佳作。
が「ナイス!」と言っています。
ゐぁくゎ
少年6人を殺害して標本にしたと語る蝶博士の手記。巻頭に標本にされた少年たちの姿がイラストで描かれていてイメージしやすいが、もし実在したらこんなもんじゃないだろう。単なる猟奇的快楽殺人ではない様相を徐々に呈してくるが、何となく、そうなるだろうと思われる展開。物語の構成的にSNSの書き込み集は要らなかったのではなかろうか。全体として、思った以上のインパクトは感じられず、湊かなえさんが一体何を表したかったのか、よくわからなかった。何らかのメタファーでもあるのかも。
が「ナイス!」と言っています。
ゐぁくゎ
著者を読むのは2冊目。クローズド・サークルは出尽くした感があったが、特殊設定を使えば、本作のようにまだまだ作れる気がする。ミステリの設定としては優れているのだが、後半の種明かしからのストーリーが、推理内容の説明に終始してしまっている書き方のため、最終盤で俄然盛り返してくるだけに、やや勿体ない。理屈では実現可能なようだけど、犯行態様が若干無理っぽい。前作「方舟」ほどのインパクトはないものの、絶対的な評価としては、意外性があって十分面白い。
が「ナイス!」と言っています。
ゐぁくゎ
第1話、北原が26歳の時に教え子の女子高生のために大きく人生を展開させるようになった経緯が、他人に施しをしつつ我が子には十分に与えない両親に対する複雑な心情とともに描かれ、心理面の描写が秀逸。第2話、青埜櫂の遺作の出版に向け、かつての編集者二人が奮闘する物語。それぞれの配偶者と上手くいかない関係が傍流として描かれ、これも人間ドラマとして秀逸。一方第3話、北原と暁海を中心とした家族のその後が数十年の時間の経過とともに描かれるのだが、少し平凡。最終話が前2話と同レベルだったら全体として傑作となり得た。惜しい。
が「ナイス!」と言っています。
ゐぁくゎ
直前まで連ドラを見ていた(7話くらいまで)ので、ストーリーはすんなり入り込み、違っている点も所々見え隠れする。原作では、超人的な技巧の外科医と、トラウマから外科医を辞めたナースエイドの間に、ラブコメ要素は一切ない点が最大の違いだが、細かく違っている連ドラの設定も、結構しっくりする改変になっている。小説だけ読んでも、結構面白いはずだが、ドラマと並行して読むのも結果的に良かったと思える。ドラマのエンディングがどう着地するか、楽しみ。
が「ナイス!」と言っています。
ゐぁくゎ
公安外事の倉島のシリーズ。2年ぶりくらいなので、刊行ペースは他のシリーズより速くない。台湾警察の要請で研修の講師を行うなど、どこまで現実の世界情勢に則しているかはわからないが、日本の公安は実は優秀なのかもと思わせる。ストーリーとしては、ゼロの研修後でメンタルが疲弊した後輩刑事のフォローをしながら公安作業の計画を練るなかで復活へと導くやり取りと、現地殺人捜査課と対立するなか倉島の見立て通りに解決に向かう展開が面白かった(すんなり進み過ぎるのは相変わらずながらも)。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2011/11/12(4548日経過)
記録初日
2006/01/31(6659日経過)
読んだ本
1795冊(1日平均0.27冊)
読んだページ
627907ページ(1日平均94ページ)
感想・レビュー
1722件(投稿率95.9%)
本棚
6棚
性別
血液型
B型
職業
営業・企画系
自己紹介

ゐぁくゎです。
速読できません。
集中力の持続も短いです。
ミステリー、サスペンス、警察もの、グロ系、ハードボイルド、恋愛もの、人情物など、好みは雑多、いいものには何でも手を出したい気持ちがあります。

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