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2024年2月の読書メーターまとめ

f/k/a 上海
読んだ本
18
読んだページ
2815ページ
感想・レビュー
8
ナイス
14ナイス

2024年2月に読んだ本
18

2024年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

f/k/a 上海
春日太一が生前の橋本忍に直接取材してロングインタビューを取り、また死後に創作ノートなど遺された資料を調査してまとめた評伝。主に黒澤明との関係を書いた自伝『複眼の映像』には顕れていない本人の自信家ぶりや、シナリオライターとしての緻密さとはまた別の博打好きの映画人としての顔、そして伝説的な失敗作『幻の湖』製作の全貌など非常に読み応えがある。本人が話したり書き残したりしたことと他の関係者の回想や当時の記録とが食い違って真相が不明な点も多く、まさに『藪の中』。
が「ナイス!」と言っています。

2024年2月の感想・レビュー一覧
8

f/k/a 上海
中国古代史の史料にある故事は多くが創作エピソード(説話)なので歴史学では注意して扱いましょうという話。春秋時代と戦国時代以降では社会が大きく異なり、戦国時代に出てきた思想家が自説を権威づけするために古人に仮託して創作するのでどんどん時代が遡り(加上説)、創作された時代と語られる対象の時代の食い違いで後代に作られた話と判別できるものが多い。一次史料のない先史時代については考古学にも踏み込んで進歩史観を否定してたりするのも面白い
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f/k/a 上海
ネタバレ文庫化でやっと再読。実は借りて一回しか読んでなかった。これから何度も読むであろう。今読むと一作目はまだしも穏当だが、4光年の距離で艦隊を送り込むのに加減速の都合で400年以上かかりその間に技術レベルが逆転されてしまうのでまず素粒子サイズの人工知能を光速で送り込んで物理学の基礎研究を妨害しよう、って相当おかしな発想だよな。まあⅡとⅢは輪をかけて頭おかしいけどw
f/k/a 上海
たぶんセールで買ったのか、なぜか電子版が出てきたのをなぜか再読してしまった。確か史上初の乱歩賞直木賞同時受賞なんだよね。当時読んでも何とも思わなかったが、アル中のバーテンの主人公が、実は学生運動くずれの東大中退、元有望なプロボクサーで同級生だった恋人の娘にモテる、という団塊ドリーム小説すぎてつらい。オチが超有名な先行作品(しかも同じジャンル!)と同じだし。確か佐藤亜紀が親戚の若い子がこれを好きだと言うのを「身内にネオナチがいた気分」と言ってた。そこまで酷いとも思わないが、逆に若い人は何とも思わんのかも。
f/k/a 上海
旧版も読んだのだが新NISA対応で改訂したというので改めて読んだら全体的にかなり書き換わっていた。なんか得した気分。この手の本て新版が出ると古いのが大安売りされたりするけどやはり古い情報はあまり役に立たないな。身も蓋もないこと言って業界で嫌われるタイプの人が好きなので、本書の講師役の投資家、山崎元について(YouTubeもやってるというので)調べたら、昨年この本が出た後に癌で亡くなってたことを知った。残念。
f/k/a 上海
文庫化で再読。普通ならベギン会というネタを見つけた時点で勝ちで、数学の天才であるヤネケの一代記として書けばいかにもな女性小説の出来上がりだが、佐藤亜紀はそんなものは書かない。ファン・デール家の物語としているのが一段スケールの大きいところ。この時代のそこそこ大きい商家の生活と仕事を、よくぞという細密さで活写している。なんでこんな風に書けるんだ。それにしても確率論や天文学の話など、『金の仔牛』の経済学もそうだったが、最新のテクノロジーが当時の社会にどう受容されてたかってところに著者の関心があるのだろか。
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f/k/a 上海
なぜかライブラリにあった。マイナーなピアニストや曲に拘って書いているのも、奇を衒う感じはなく普通に面白いし、逆にウィントン・マルサリスを褒めてるのか貶してるのかどちらともつかない調子で延々論じているのも滅法面白い。聴きたくなる。クラシック音楽は自分なりの名曲、自分なりの名演奏家を引き出しとして持つのがよい、という話もわかる。音楽に造詣があるのは知ってたが意外なほど波長が合う。ただ音楽から気持ちが伝わってくるみたいなことは正直いまだにわからんが。
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f/k/a 上海
科学の反証可能性を一般化した「失敗から学ぶ」がテーマだが、ここ十年くらい他の本で読んだ脳科学、行動経済学、認知心理学などの面白い話がたくさん出てきて、つまり最新研究の重要な知見をツボを押さえて紹介しているのが惹句の通り「小説のように面白い」。具体的なエピソードも豊富で、重要な判断をする立場での「認知的不協和」の実例がバンバン出てきて実にスリリング。航空業界では事故の原因をデータから徹底的に調査し結果をフィードバックして改善する制度が整備されているが、医療業界や法曹界にはそれが全くない、という衝撃的な指摘。
が「ナイス!」と言っています。
f/k/a 上海
春日太一が生前の橋本忍に直接取材してロングインタビューを取り、また死後に創作ノートなど遺された資料を調査してまとめた評伝。主に黒澤明との関係を書いた自伝『複眼の映像』には顕れていない本人の自信家ぶりや、シナリオライターとしての緻密さとはまた別の博打好きの映画人としての顔、そして伝説的な失敗作『幻の湖』製作の全貌など非常に読み応えがある。本人が話したり書き残したりしたことと他の関係者の回想や当時の記録とが食い違って真相が不明な点も多く、まさに『藪の中』。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2011/11/15(4519日経過)
記録初日
2011/11/15(4519日経過)
読んだ本
5294冊(1日平均1.17冊)
読んだページ
1240123ページ(1日平均274ページ)
感想・レビュー
167件(投稿率3.2%)
本棚
6棚
性別
外部サイト
URL/ブログ
http://shanghai.g.dgdg.jp/

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