読書メーター KADOKAWA Group

2024年2月の読書メーターまとめ

ヴェネツィア
読んだ本
98
読んだページ
12856ページ
感想・レビュー
98
ナイス
43944ナイス

2024年2月に読んだ本
98

2024年2月のお気に入り登録
29

  • みっつぁん
  • ちゃむすゔぃ
  • 歩行者天国
  • リョウ_Z
  • MARIE
  • Kano Ts
  • T. Mu
  • Schunag
  • blue eyes in my heart (of dangerous heart)
  • laptop
  • Pan
  • Ai  Camo
  • ちみる
  • ヒロユキ
  • ほなみ
  • suchmo
  • devunwalsh
  • なにぬねのんたん(*^_^*)
  • NORI
  • ダブルケイ
  • マトマト
  • こよみ
  • 14番
  • 井の中の蛙
  • アキ
  • kyk_chocole
  • Think@じゅき
  • kumami
  • ヨタロー

2024年2月のお気に入られ登録
32

  • aym
  • みっつぁん
  • ちゃむすゔぃ
  • 歩行者天国
  • リョウ_Z
  • MARIE
  • Kano Ts
  • T. Mu
  • Schunag
  • blue eyes in my heart (of dangerous heart)
  • laptop
  • Pan
  • Ai  Camo
  • ちみる
  • ヒロユキ
  • ほなみ
  • suchmo
  • devunwalsh
  • ゆーざん
  • なにぬねのんたん(*^_^*)
  • NORI
  • ダブルケイ
  • マトマト
  • おぴぱん
  • フロ子
  • こよみ
  • 14番
  • 井の中の蛙
  • アキ
  • kyk_chocole
  • Think@じゅき
  • kumami

2024年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ヴェネツィア
表題作を含めて6つの短篇を収録。いずれも千駄木町の外れの心淋し川の両岸にある心町が舞台。6篇はそれぞれ緩やかな繋がりを持つ。時代小説は制約が大きいともいえるのだが、その反面で封建社会といった枠組みを持つことで夾雑物を追い払えるという小説作法上の利点もある。この時代に女であることは、一層に大きな枷を背負うのだが、本編に登場する男たちもまた同様である。小説集の全体は、そうした生き難さの中で、せいいっぱいに生きる者たちを、哀調を通奏低音としながらも、細やかな愛惜を込めて描き出す。
ヴェネツィア
2024/02/12 16:44

本書は第164回直木賞を受賞。篇中では、読者の支持は概ね表題作に傾きそうだが、私はしいて言えば「はじめましょ」を採る。

が「ナイス!」と言っています。

2024年2月にナイスが最も多かったつぶやき

ヴェネツィア

青空文庫の芥川龍之介379篇を読了しました。1年がかりでようやくです。ただし、他の文庫等ですでに感想を書いているものははぶきました。また、青空文庫は作業途中ですので、随時追加していくつもりです。

青空文庫の芥川龍之介379篇を読了しました。1年がかりでようやくです。ただし、他の文庫等ですでに感想を書いているものははぶきました。また、青空文庫は作業途中ですので、随時追加していくつもりです。
omo
2024/02/28 18:16

いつか私も挑戦したいなぁ…と思いながらレビューを楽しみに拝見していました!おめでとうございます!!すごいです✨✨

ヴェネツィア
2024/02/28 18:46

omoさん、幸いにほとんどが短篇なので、いい感想修行になるかと思って続けていました。

が「ナイス!」と言っています。

2024年2月の感想・レビュー一覧
98

ヴェネツィア
なかがわみどりさんとムラマツエリコさんのユニット。お二人で仕事と趣味と生活を一体化するべく実践中。今回は2人で旅するモロッコ篇。呼吸はピッタリ。ややもすると弥次喜多珍道中にも見えかねないが、それこそ彼女たちの望むところかも。行き当たりばったりのようにも、はたまた綿密に計画された旅のようでもある。おそらくは足元をしっかり固めて、後は向こう任せにモロッコに投入するといったスタイルなのだろう。本全体から旅を満喫する様子が溢れている。何から何まで異文化感が横溢するモロッコを選んだのもよかったのだろう。
ヴェネツィア
2024/02/29 05:15

モロッコにはまだ行ったことがないが(もちろん、ぜひ行ってみたい国の一つ)本書を読んでいると、ほんとうに異文化真っ只中という感じである。それでこそ旅の醍醐味ではなかろうか。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
盛岡から小岩井農場を向こうに見つつ、野原を歩いてゆく幻想譚。時間は東雲の前から夜が明けて周辺が明るくなる頃まで。ここで描かれる世界は「わたし」に妙に空々しく敵対的だ。白明にほの見える月見草もまた陰鬱だ。「わたし」は圧倒的なまでに孤独だ。何故?の問いはここでは無効である。幻想はカッコウの鳴き声で閉じられるが、余韻を残して終わったとも、未完であるとも取れる。あるいは、この孤独な道行きは永遠に閉じられることはないのだろうか。そうだとすれば、それは賢治が背負わなければならなかった宿業であるのだろう。
ちーたん
2024/02/29 08:09

宮澤賢治とコラボしているかのように、美しい感想ですね。

ヴェネツィア
2024/02/29 08:22

ちーたんさん、ありがとうございます。褒めすぎかなと思いますが、嬉しいです。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
新しい時代の文学だという感じが充分な手応えとしてある。その意味では、まさに芥川賞に相応しいのだろう。近未来ユートピア小説(ただし、それは受け止め方によってはディストピアであるかもしれない)としての構築性も揺ぎがない。主人公のサラ・マキナをザハ・ハディドに比肩する建築家として設定し、かつ幻の国立競技場に隣接する東京都同情塔を設計、建築する構想もスケールが大きく、しかもそれ自体が斬新である。さらには、篇中にAIの言説を散りばめ、時にそれとの対話によってプロットを進行させる手法も読者を幻惑させ、混乱に陥れる⇒
ヴェネツィア
2024/02/28 15:22

⇒だろう。サラ・マキナは、あるいはタクトはほんとうに実在するのだろうか。それらはAIが見せる幻影なのではないかという疑いは消えないのである。これからも注目して行きたい作家の登場かと思う。お薦め!

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
『文語詩未定稿』の中の1篇。「青柳教諭を送る」と題されているが、どうやらこの別離は永遠のもののようである。「瘠せて青めるなが頬は」の表現からは長い病気の果てのことか。妹としを送った時ほどの悲痛さはないものの、「九月の雨に聖くして」と聖化が図られているし、そこには死に対する賢治の尊厳の思いが強く込められている。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
作者の三浦太郎は1968年生まれの絵本作家。本書はゴリラの父子を描いているものの、実態は人間のそれを擬人化したゴリラに投影したもの。絵はシンプルながらゴリラの特徴をよく捉えているし、擬人化による父と子の表情もよく伝わる。ゴリラ父子のモノクロームの強い面構成が成功しているのである。作家は愛知県の出身のようだが、絵本の父子は大阪方言の会話。それがまた、のんびりした感じを表現するのに上手く機能している。
yomineko@猫と共に生きる
2024/02/28 08:12

ヴェネツィアさん、おはようございます😊ゴリラ大好きです🦍読みたい本に登録させて頂きました📚

ヴェネツィア
2024/02/28 08:19

yominekoさん、おはようございます。これは未読でしたか。小さな子どもを遊んでやるお父ちゃんのための本ですが、ゴリラ父子がかわいいです。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
文も絵もマリー・ホール・エッツ。『もりのなか』のいわば続編。今回も「ぼく」とどうぶつたちとの森のなかでの交歓が描かれる。最後は、これが幻想譚であるような、そうではないような終わり方。上手いなと思う。絵はいつものモノクロームの木版画。どうぶつたちの姿形は基本的にはリアルなのだが、動きは擬人的に描かれる。そのギャップもなかなかに面白い。なお、ラストシーンで帰ってゆく父と子をネズミとヘビが見送っているのは絶妙。なんだか寂しいような気持になるが。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
ミュリエル・バルベリは2作目。前作の『優雅なハリネズミ』を読んで、帯にも平野啓一郎推薦とあったので、もう1作と思って購入した。端的に結論を言えば、期待は残念ながらはずれたのである。本書は気に入らないことばかり。一番は翻訳の訳文。訳者の永田千奈氏はフランス文学の翻訳が多数あるのだが、少なくても本書に限って言えば、ここには文学の持つ香りがしないし、詩精神が全く感じられないのである。構成もまた不満だ。各章の最初にある、ことさらに古典伝承めいた前置きも本文と呼応しあって小説世界を広げるか、といえば⇒
ヴェネツィア
2024/02/27 17:03

⇒そんなこともない。また、京都の観光案内と美味いものガイドのようなプロット展開にも抵抗があるし、人物造型も主題もとうとう曖昧なままだ。それこそが本書の味わいだと言われれば、あるいはそうであるのかも知れないが、少なくても私には伝わらない。酷評になってしまいました。乞ご容赦。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
未定稿の文語詩。わずかに6行。「青びかる天弧のはてに きらゝかに町はうかびて」と詠いだされるイメージは天空と光の輝きを帯びて美しい。だが、これに続くのは「六月のたつきのみちはいまやはた尽きはてにけり」という『貧窮問答歌』のような詠嘆である。「いささかの書籍とセロ」は賢治の手を離れるのだろう。清貧と天上の美の共存こそは、まさに賢治の特質であるか。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
古木鉄太郎の「短歌は将来の文芸からとり残されるかどうか?」の問いに芥川が答えたもの。ただ俳句については実作者でもあり、かなり明るかった芥川だが、こと短歌の将来像に関しては自信がなさそうで、どう見ても答えをはぐらかしているとしか思えない。当時の歌人の中で斎藤茂吉と北原白秋を別格視しているのは頷ける。しかも、写実派の巨頭の茂吉と浪漫派の旗手の白秋の両方に賛辞を送っている点も。さて、短歌のその後だが、塚本邦雄をはじめとして、敷島の道未だ衰えずである。短歌の詩形式は、なんと1200年も持ちこたえているのである。
亦一説?
ヴェネツィア
2024/02/27 07:42

めりっくさん、ありがとうございます。いやあ、やはりこれはと思う作品が世に名高いようです。

ヴェネツィア
2024/02/27 07:44

大粒まろんさん、ありがとうございます。これだけ芥川を連日のように読んでいたので、それ相応に知識を得ました。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
最終巻はファーブルの伝記。1823年に生まれたサン・レオンから1915年に永眠したアルマスの丘までの生涯をたどる。これまで7巻にわたって読んできただけに感慨もひとしおである。幼年の頃から青年期、中年期までは苦労の多い日々だったが、晩年近くになってようやく経済的にも、また名声や栄誉にも恵まれたようだ。もっとも、ファーブル先生にとっては、虫や植物の研究ができるのであれば、それで十分だったのだろうが。ファーブルこそはまさに理科と文学とを繋ぐ、真の意味での博物学者だった。
つぼみ
2024/02/26 16:51

すごい。60代で、20代と結婚できるってすごいですね。 ファーブルはよっぽど、魅力的だったんですね。

ヴェネツィア
2024/02/26 16:53

つぼみさん、たしかにファーブルは魅力的な人だったようですが、普通にいうそれとは違いそうです。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
巻頭の多摩美術大学図書館(とりわけ内部)を見て思うのは(おそらく誰もがではないか)そこに作り出された空間がガウディのそれを思わせることだろう。そして、高尾ワールドゲームズメインスタジアムにしても、あるいは他の建築物にしても、この人の造型はコンクリートの建造物でありながら、曲線が強く主張しているのである。日本もこんな建物を許容するのだから、まだまだ捨てたものでもないかなという気さえする。また、後半で紹介されているものの中には潜水艦や飛行機の翼をイメージさせるものもあり、実に多彩、多様な建築世界である。
特盛
2024/02/26 08:56

多摩美大の図書館、独特ですね。あんな空間で読む本はどんなだろう。そういや昨日上野毛の多摩美大前を通ると校舎が取り壊されてました。どの建築もいつかは寿命(意図せずとも)が来るのかと思うと見れる時には見ておきたいもの。。。

ヴェネツィア
2024/02/26 09:14

特盛さん、私は多摩美大には行ったことがなく、したがって実物は見ていません。ぜひ見てみたいものです。また、日本の建築物は耐用年数が短いのが残念です。もっとも、法隆寺などというのもあるにはありますが。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
折輝真透は初読。本書は第9回アガサ・クリスティ賞を受賞。ミステリーの要素がなくはないし、それがプロット展開の軸になってはいるのだが、内容的にはけっしてそのことが中核をなすわけではない。それどころか、見方によっては、むしろ夾雑物に見えなくもない。大戦末期の1944年、フランス中南部の村サン=トルワンを舞台にステファン神父の行動と葛藤を中心に語られてゆく。ナチスの圧倒的な暴力といった不条理を前にした人々の行動が、いわば読みどころなのだが、神父、フレデリック、マリアンヌあたりはともかく、他の人物たちの⇒
ヴェネツィア
2024/02/25 17:04

⇒造型がわかりにくい。また、状況設定の細密さにも幾分もの足りないところがある。タイトルと、それを受けたエンディングとは魅力的だ。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
長田弘の詩2編とクリムトの絵で構成された詩集。長田の詩は亡き妻の瑞枝さんの思い出に心を込めて書かれたもの。最初の1篇がよりダイレクトにそれを詠い、後半の詩はより普遍化へ昇華されたもの。今の自分には心に沁みる。クリムトの絵は金色のそれではなく、すべて樹木の緑と花に彩られたものばかり。長田によれば、それは「めぐりくる季節の、死と再生の画家」だと。この詩集の主題もまさに「死と再生」にあるだろう。死は終わりではないと長田は言う。
宵待草
2024/02/25 10:43

ヴェネツィアさん こんにちは グスタフ・クリムトは、とても好きな画家の一人! そして長田弘も好きな詩人の一人! レビューを拝読しまして、此の詩画集は読みたいなぁ~と思います。 📝させて頂きますね!🍀 寒暖差が在りますので、呉々もご自愛下さいね!💫 何時も、有り難うございます!🙋 宵待草

ヴェネツィア
2024/02/25 12:09

宵待草さん、いつもありがとうございます。クリムトっぽくないクリムトですが、詩人の意図するところはよくわかります。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
本編は来歴がよくわからないのだが、芥川の随想をOKUBO Yuが英訳したもののようだ。何のためにかも不明。内容は芥川が100年後の自分の作品に思いを馳せたもの。芥川は100年後の大衆には期待を持っていないようだが、それでも気にはなるようだ。今やまさにそれから100年と少しを経ているのだが、芥川の作品は「羅生門」や「鼻」が教科書にも採用され、日本近代の文学者の中では、その知名度において1,2を争うほどの存在である。作品もよく読まれている方だろう。どうぞ、ご安心ください。読まれ方が気に入らないって?⇒
Afterlife
NORI
2024/02/25 08:44

文章を読んでいるのに、まるで映像作品を観ているかのように情景がありありと浮かんでくる。その”画質”の鮮明さに驚いたのが、芥川作品でした。きっと100年後も読み継がれていることでしょう!

ヴェネツィア
2024/02/25 08:48

NORIさん、私もこの先の100年後も大丈夫だと思いますが、昨今の国語教育では心もとないかも。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
ミリアム・ボーディック原文、カミーユ・ベルナール絵。どちらも知らない人だが、名前からはミリアムはイギリス人、カミーユはフランス人かと思われる。お話ではなく、タイトル通りにアルファベット順に、神様へのお祈りの言葉が記されている。絵はネズミの一家を中心に暖色系がふんだんに用いられたパステルトーンの柔らかいタッチ。この前に読んでいたのが、エルジン収容所の物語だったので、よけいにその違いが際立つのだが、こちらは徹頭徹尾、平和で明るく肯定的な人生観が横溢する。平時のお祈りなので、それでいいのかもしれないが。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
チェコのテレジン収容所に捉えられていた父親が、ナチスの監視者の目を盗んで密かに描いた絵。それは息子のトーマス(トミー)の3歳の誕生日を祝うものだった。これらの絵を基にミース・バウハウスが事実に忠実に文章を付してできた本。収容所で育った3歳のトミーがこれまでに目にすることができたものはほんのわずかだった。父親の絵は、かくあれかしとの理想を空想の内に描き出す。その父もアウシュビッツで死亡。母も失ったトミーは、その後も苦難の日々を送るが、ドイツで(というのも皮肉な話だが)妻と4人の子どもとともにようやく幸福に⇒
ヴェネツィア
2024/02/24 16:54

⇒恵まれたようだ。両親はそれを見ることはできなかったのだが。画家であった父親の痛切な思いが込められた本である。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
「婦人画報」第170号(大正9年)に掲載。芥川曰く「ロマンス中の女性は善悪共皆好み候」。ああいう女性はこの世にいないからだそうである。具体的には作品名を掲げていないが、さて芥川が最も好むロマンス中の女性はどのあたりだろうか。メリメのカルメン?スタンダールのマチルダ?あるいはレナール夫人?それとも…。リアルな女性よりもロマンスの中の女性とは、昨今の2次元の女性たちにしか恋をしない若い男性たちの先駆か。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
みすず書房の美術史シリーズの第1巻。「美術の誕生」を飾るのはラスコーとアルタミラの洞窟壁画。いずれも1万数千年~2万年前の旧石器時代のもの。世界史の教科書などで見たことがあるとはいうものの、せいぜいがそれぞれ1,2枚程度の写真。今回、本書で初めてまとまってみる機会を得た。主に牛、馬、鹿などが描かれているのだが、その躍動感たるや実に見事なもの。きわめてリアルに写し取っている。ただ、それに比して人間の描写はなんとも貧相である。幸いにも洞窟の中に保存されていたために彩色も美しく残っている。
ヴェネツィア
2024/02/24 08:18

何年か前に南フランスを旅行した時にラスコーのごく近くまで行った(その時の主たる目的地はロカマドゥールだった)のだが、通年では公開されておらず(とはいっても、公開されているのはレプリカの洞窟なのだが)見ることができなかった。かえすがえすも残念。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
「伊香保の事を書けと云ふ命令」とは、いったい何処からの命令(あるいは依頼)であったのか。雑誌社のいずれかだとは思うが、結果がこれでは伊香保の事を書いたと言えるかどうか、なんだか人を食ったようなエッセイである。もっとも、この時には弱冠27歳だった芥川だが、さすがに既に練達の文章力。伊香保で出会った紳士の印象は実に鮮やかに伝わる。しかも、十分な余韻とともに。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
著者の松原始氏はカラス研究の第一人者にして、この分野での世界的権威(?)かと思われる。日本に住む私たちにとっては全く珍しくないカラスだが、その生態となるとなんとなく知っているようでいて知らなかったことがよくわかる。本書は採餌行動をはじめとしたカラスの生態、カラスの博物学からQ&Aにいたるまで、およそカラスのことなら何でも網羅するように語られている。カラスが好きかと聞かれると返答に困るが、この本を読んだ後なら、少なくてもカラスに大いに関心を持ったとは言えそうだ。
ヴェネツィア
2024/02/23 16:40

篇中に「カラスのつぶやき」というコラム欄が設けられているのだが、3の「あの作品の、あのカラス」にはちょっと驚く。ポーの「大鴉」くらいなら私でも思いつくが、この人は映画からテレビ・ドラマまでカラスの登場する作品を偏愛しているのである。もはや「病膏肓に入る」か。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
ヒグチユウコさんの画集ははじめて。私がかつて行った展覧会ではもっぱらネコの絵だったような気がするが、こうして集められたのを見ると実にさまざまなモノが描かれている。例えばイカ、センザンコウ、ワニ、カタツムリ…等々。タコ脚のネコやワニのシッポを持った少女などキマイラも珍しくない。こうなるとグロテスクの2歩くらい手前か。画風は若冲へのオマージュがあったりもするが、基本的には宇野亞喜良を継承するかに見える。妖しくも玄妙な幻想世界をしばし楽しむ。
ヴェネツィア
2024/02/23 12:07

ミサさん、さすがにそれは庭ではなくて、近くの公園でのことです。

毒兎真暗ミサ【副長】
2024/02/23 16:59

そうでしたか。迷いフクロウ、お庭に来たら可愛いのに🦉

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
とっても楽しい仕掛け絵本。きりんのルシアの次はしまうまのカーメラ、そしてその次はライオンのオッタヴィオ、さらには…と、だんだんと小さくなっていく。これももっぱら絵を楽しむもの。動物たちの絵も箱の絵もカラフルで楽しい。ちなみに、それぞれの出身地が語られているのだけれど、ルシアはヴェローナ、カーメラはルガーノという具合にノヴァーラ、ローマ、ロー、イヴレアと続くのだが、ローとイヴレアは知らない街。さて、どこにあるのだろう。
ヴェネツィア
2024/02/23 07:26

調べてみるとローはミラノの隣町、イヴレアはトリノの近くの町だった。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
「わが家の蔵幅はこの数幀のみなり」というわりには、芥川家には結構な数の古玩の類があるようだ。ただ、こういう分野には全く無知な私は列挙された作家たちの中で知っているのは司馬江漢のみという情けなさ。また、マリア観音を蔵しているそうだが、これもかなりに貴重なものではないかと思う。本稿は遺稿とあるので、生前には発表されていないようだが、幾分か自慢めいた感じもしないではない。あるいは、なんとなく死期を悟って生前に整理しておこうと思ったのか。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
7つの章から成るが、いずれも「小説新潮」に掲載されていたもの。各回、それぞれ半ば独立した短篇といった風でもあり、連作短篇の長編化といった構成をとる。篠田節子は久しぶりに読むが、これまでの印象では、彼女の小説は多かれ少なかれ社会性を孕んでいたように思う。また、また時にせつなく哀切を帯びていたり、あるいはまた危機感と帯同していたような印象である。ところが、本編にはそのいずれもがなく、あろうことかオカルトっぽい要素までが物語の中核を占めている。これでは篠田節子の小説を読んだ気がしない、という残念な結論に。
ヴェネツィア
2024/02/22 16:06

この作品が例外なのか、あるいは最近の傾向がこうなのかはわからないが、積年のファンとしては以前のような作品(私が最も高く評価するのは『弥勒』である)を望むのだが。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
ウィーンのアール・デコ建築といえば、誰もがまずオットー・ヴァーグナーから語るだろう。カールスプラッツ駅パビリオンやカイザーバード水門監視所などは、これぞヴァーグナー、アール・デコという意匠である。次いでセセッションのポスター群が掲げられるが、ノスタルジックなムードが揺曳しつつも、そこには現代にもそのままで通じるような遡及力がある。さらにはキャバレー「フレーダーマウス」が現れるが、これはもうシュトラウスのオペレッタ『こうもり』そのもの。綺羅びやかさはウィーンの土壌なくしては成立しないかのように思われる。
みあ
2024/02/22 13:33

こんにちは。ヴェネツィアさんはアール・ヌーヴォーよりアール・デコの方がお好きな゙のですか?その理由を知りたいです。

ヴェネツィア
2024/02/22 15:08

みあさん、こんにちは。両方とも好きですよ。どちらかというなら、もちろんアール・ヌーヴォーの方ですが。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
知らなかったのだが、本書はペニーさんシリーズの第3巻のようだ。アメリカでの初版は1961年。絵柄から想像するよりは新しい。また、絵本だが文字による情報量が多く、主体は絵よりもむしろお話の方にある。そうはいっても、サーカスとその周縁が中心なのでさほど起伏に富んだ物語が展開されるというわけではない。絵はモニクロームで随分年代物の感じがする。最初からモノクロームで製作されたのか、あるいはオリジナルはカラーであったものが印刷の都合でこうなったのかは不明。動物たちの動きと表情に最大の特質があるだろう。
毒兎真暗ミサ【副長】
2024/02/22 09:07

1と2が本棚にあるので、上げておきます。ペニーさんのお顔が味がありすぎます✨

ヴェネツィア
2024/02/22 11:50

ミサさん、私も探してみます。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
まず驚くのは、芥川の俳句の初作が尋常4年というから、わずかに9歳かせいぜいが10歳の頃。「落葉焚て葉守の神を見し夜かな」というのがそれだが、どう見ても子どもの作とは思えない老成ぶり。芥川は「鏡花の小説など読みゐたれば、その羅曼主義を学びたるなるべし」と述懐しているが、小学生にしてロマン主義に染まるというのがまた驚きだ。現在、芥川の俳句は岩波文庫の他にもいくつか入手可能であり、その分野での評価もけっして低くはない。まさに「栴檀は双葉より芳し」である。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
フランスの各地方の特色を持った郷土菓子を集大成する本。全体としての印象は伝統菓子ということもあって、色合いが地味だということ。ただし、どれもかなり手が込んでいる。ロレーヌからはマドレーヌ。そしてマドレーヌといえばプルースト。ここに紹介されているのはイメージ通りのマドレーヌ。次いでアルザスといえばクグロフ。リヨネーのウーブリも繊細な感じで美味しそう。表紙の写真はガスコーニュのガトー・ピレネー。結婚式やお祝いのお菓子であるらしい。ボルドーからはカヌレ。いずれも文字通り垂涎もののお菓子のオンパレードだ。
毒兎真暗ミサ【副長】
2024/02/21 14:38

プルーストのマドレーヌの貝の型がないんですよね🤔バニラエッセンスと紅茶があれば完璧ですね!安く作れますし😊

ヴェネツィア
2024/02/21 15:47

ミサさん、なんだかどれも難しそうでした。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
これもムナーリの1945シリーズ。今回はジジのぼうし探し。家じゅうのいろんなところを探し回るというお話。今回も背景はなく、したがって絵はどのページもシンプル。ただし、ムナーリのいたずら心がどの絵にも顔を出す。とだなの中に鳥かごがあったり、冷蔵庫(ちなみにこれは電気ではなく、いたってクラシックなタイプ)の中に目覚まし時計があったり。最も奇想天外なのは、せんたくかごの中。そして、エンディングは誰もの予想通り。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
大正11年の作。掲載誌不明。6つの小品から成る。芥川はこれらを散文詩というのだが、まあ確かに小説として読むには構造が脆弱に過ぎるかも知れない。詩だとすれば、その茫洋とした風情はたしかにそうなのかもしれない。もっとも、篇中では「日本の聖母」などは散文的で、あまり詩情があるとも思えない。「秋夜」も物語めくか。そして、「線香」もまたエキゾティシズムに寄りかかりすぎている。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
イギリスのアール・ヌーヴォーを代表する位置にはビアズリーが燦然と君臨する。1893年刊の『サロメ』の挿絵をはじめ、世紀末感あふれる意匠である。ビアズリーから即座にイメージするのは魔性を秘めた黒だが、「イゾルデ」をはじめ多色刷りのものも残されている。ただ、多色刷りのポスター群は、同時代のロートレックの一連の作品と似ており、やはりビアズリーが個性を最も発揮するのはモノクロームかと思う。後半はウィリアム・モリス商会の事績とともに、世紀末ロンドンが取り上げられている。
ヴェネツィア
2024/02/20 08:32

ビアズリーは世紀末のロンドンに現出した華麗なあだ花のように見えるが、ハリー・クラークをはじめ後継者、あるいはエピゴーネンは結構いたようだ。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
編者の戸沢英男氏はトウモロコシの専門家。栽培の歴史は7000年前に遡るらしい。メキシコ・シティの南240㎞の地にあるテワカン渓谷の洞窟から発掘されたトウモロコシは長さわずか2.5cm。それが500年前頃になると現在に近いサイズにまでなっている。何年もかけての改良の歴史なのだろう。私自身はあまりトウモロコシを食べることはないが、メキシコではトルティージャとして常食する。その他、コーンスターチやコーン油など汎用性も高いようだ。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
冒頭に登場するのはジャン=バティスト=マリー・ピエール。これまで全く知らなかった画家だが、その様式はまさに新古典主義そのものという風(少なくても私が思う)である。続く何人かも知らないのだが、これらも同様である。そして、やおら登場するのがダヴィッドとアングル。精緻な絵だとは思うし、時としてアングルのオリエンタリズムに幻惑されそうにもなる。だが、これらはやはりいかにもサロンの絵である。反発したくなる頃にゴヤの絵。私の感覚では、このあたりからが近代である。油彩もモノクロの「カプリチョス」も鬼気迫る。
ヴェネツィア
2024/02/19 17:14

この巻には世界史の教科書で見る絵が多い。ダヴィッドの一連のナポレオンの絵をはじめ、同じくダヴィッドの「マラーの死」やテxシュバインのゲーテの肖像など。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
「大阪毎日新聞」に1919(大正8)年6月から8月まで連載。第1回から、これはもういかにも長編小説の構想であることが自明である。帝大文科の学生の俊助を主人公に、周縁のデカダンを気取る青年たちや初子、辰子といったうら若き女性たちを配する小説世界が展開する。あたかも漱石の『三四郎』や『虞美人草』のごとく…のはずだったのだろう。実は最初から危惧していたし、予想もしていたのである。この小説が未完に終わるだろうことは。前篇とはいうものの、まだ全体の半ばまでもいかないだろう。最初から無理があったのだ。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
著者の柳宗玄氏はルオーおよびキリスト教美術の専門家として名高い。本書はサンティヤゴ巡礼路の歴史を辿り、また実際に踏破しながら各巡礼路の遺物や美術品について解説したもの。また、巻末には12世紀に書かれたものと思われる『聖ヤコブスの書』(『サンティヤゴ巡礼案内書』)および『サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサーダの奇跡』が著者自身の訳文で付されている。日本でもサンティヤゴ巡礼に関する本は多いが、類書の中では最も学術的であると思われる。写真も著者によるものだが、これまた着眼も優れており、こういう所を見るのか⇒
mmmm
2024/02/19 22:19

レビューありがとうございます。興味をそそられたので、読んでみようと思いました。

ヴェネツィア
2024/02/20 07:43

mmmmさん、ぜひ。お薦めします。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
おおきくておもいのが「やになった」ぞう。とぶのもうたうのも「やになった」ことり。食物連鎖のように循環していくのだが、最後はやっぱり予想通りの結果に。この絵本も子どもたちと自由に連想を働かせて遊ぶことができそう。今回のムナーリの絵は背景がなく、それぞれの動物たちが単体で勝負。なんとも色鮮やかだが、とかげはちょっと怖い…かな。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
実に痛快かつ爽快な小説である。今回は実業団ラグビーの世界を舞台に展開するのだが、主人公の君嶋隼人は半沢直樹にきわめてよく似ている。だからつまらないというのではなく、むしろそこがいい点でもある。したがって、基本的にはラグビーの物語でありながら、企業人の物語としての側面も持っている。"one for all, all for one"などは日本のラグビー界だけの言葉だといいながらも、結局はラグビーの持つパワーと清々しさが物語の基調になっていたりもする。また、君嶋のとる方法は、奇を衒うものからは遠く⇒
ヴェネツィア
2024/02/20 07:44

たかぼうさん、おはようございます。今は車で通勤ですか?

たかぼう
2024/02/20 08:11

コメントありがとうございます。歩いて行けるところでしたので、近くて良いのですが、本が読めなくなりました🐭

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
擬古文によるエッセイ。これによれば、芥川家は土屋佐渡守家中の下級武士ながら、龍之介で十六世を数えるようだ。現代とは当然その感覚は違うのだが、長く続く士族の家柄というのは、芥川にしても誇るべきものだったのだろうか。あるいはまた、そこに芥川の家の零落を眺めるのだろうか。臘梅から語り起こし、臘梅の句で結ぶことで格調高い小品になった。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
これもムナーリの1945シリーズの1冊。谷川俊太郎訳ではあるものの、言葉はいたって少なく、お話といったものはない。チッチョもきんぎょのベレンガーリオもねこのガエターノも、みんな静かに眠っているだけ。でも、子どもたちの想像力をもってすれば、無限のお話を広げていくこともできそうだ。絵は今回もムナーリにしては、地味めの印象。最後のページのこうもりと、こうもりがさがとってもいい感じ。
yomineko@猫と共に生きる
2024/02/18 07:54

ヴェネツィアさん、おはようございます😊たんじょうびのおくりもの、も面白かったです(#^.^#)読みたい本に登録させて頂きました📚他の1945シリーズも気になります✨✨✨

ヴェネツィア
2024/02/18 08:00

yominekoさん、おはようございます。1945シリーズは全部で9冊あるようです。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
芥川といえども時代の制約を受けていると思うのは、誰しもが結婚するのを自明の前提としていることである。その一方で、うまくいかないようならさっさと離婚すればいいと言っている点などは、この時代からすれば幾分か異例ではないだろうか。また、芥川は恋愛に対して随分冷めた目で眺めてもいる。もっとも、これはこと恋愛に限ったことではないのだが。彼のいう「ホリデイ・ラブ」は、たしかに有効性がありそうだが、これを読んでいて思うのは、芥川は恋愛には向かないようだということである。
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ヴェネツィア
ネタバレ怒涛の復讐劇が演じられるのを期待したが、そうはならずにプーランは盗賊団の頭領となる。ヴィクラムの妻だったとはいえ、一癖も二癖もある盗賊たちを率いていたのは、プーランには潜在的にそうした資質が備わってもいたのだろう。ところで、英語のタイトルでは"I, Phoolan Devi"であったのに、邦題は『女盗賊プーラン』である。この本は以前から知ってはいたが、この邦題のために読む気がしなかったのである。読友の方のおすすめがなければ、読まないまま終わっていた。つくづく感心しないタイトルである。
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ヴェネツィア
とりあえずエッシャーを知るには格好の本。初期作品から代表作まで一通りは並べられている。エッシャーは数学が嫌いだったらしいのだが、ここにある版画群はいずれも極めて数学的な美しさを持っている。彼が好む結晶世界もまた、自然の造形による幾何学の精緻さであり、エッシャーはそれを美に昇華させる。そして、驚くのはこれらが版画であること。版画の特性を活かした相似性パターンのものもあるが、その一方で「技師エッシャーの肖像」や球体を描いた一連の作品のようなスーパーリアリズムの作品も。また、しばしば描かれるメビウスの輪や⇒
ヴェネツィア
2024/02/19 07:38

ykshzkさん、エッシャーはたしかにすごい!ykshzkさんを版画家にしてしまうくらい。

ヴェネツィア
2024/02/19 07:39

☆(´(ェ)`)☆さん、私は残念ながらこれまでエッシャーの実物をじっくりと見たことがありません。ぜひ見てみたいものです。

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ヴェネツィア
福本友美子・作、たしろちさと・絵。福本氏は図書館員を務めた後、児童書の翻訳・研究に携わる。絵のたしろ氏も会社勤めを辞めた後、絵本製作に転じた人。さて、本書のお話だが、妖精こそ登場するものの、実態は国際子ども図書館の紹介といったところ。図書館に興味があれば、とってもよくわかるし、それなりに楽しめるだろう。絵はノスタルジックな香りがするひと昔前の水彩画といった趣き。これも基本的にはリアリズムが基調だ。
ヴェネツィア
2024/02/17 07:44

『不思議の国のアリス』は、邦訳が1000種類くらいあるとのこと。私も一頃集めていたが、この読書メーターに登録できたのは、わずかに29種類。そんなにあるなんて知らなかった。なお、本書の国際子ども図書館は世界に誇れるもの。今後も一層充実していくことを切に望む。

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ヴェネツィア
『みどりの てじなし』と対になっている絵本。アルフォンソのお友達のきいろのてじなしは手のひらで行う小さなマジック。4色の球がトランプに、そしてうさぎに変わる。アルフォンソからのお手紙というところがミソか。絵は色彩を含めて、ムナーリにしてはいささか地味な印象。それでも、仕掛けを一つ一つ開けながら、絵本を手にした人(これを読んでもらっている子どもたちも)は、たちまちマジックの世界に。
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ヴェネツィア
ネタバレマッラと呼ばれる低い農民カーストに生まれたプーラン。人はいいが、全く抵抗する力も気力も持たない父親。プーランの味方ではあるものの、やはりどうしてやることもかなわない母親。悪辣な親戚と、しきたりにとらわれた村の人たち。そんな境遇の中にあって、プーランの経験した(させられた)ことは、まさに筆舌に尽くしがたい。これがドラマであったなら、いくらなんでもそこまでやるとリアリティを欠くだろうというくらい酷いものである。集団レイプ、暴行、果ては強盗の冤罪まで着せられる。もはや、プーランに失うものは何もない。盗賊団の⇒
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ヴェネツィア
おそらくは英語版からの訳出だろうが、原典がダ・ヴィンチの何歳くらいの時のものなのかがわからない。内容からすれば、晩年かとも思われるのだが。一方、芥川の訳文は大正3年頃とあるので、芥川がまだ22歳くらいの時のもの。手記の内容からは、ダ・ヴィンチが『葉隠』並に生のさなかに死を意識してきたこと、また芸術の不滅性を信じていたことがうかがえる。そうすれば、芥川の芸術至上主義的な志向は、かなり早くから持たれていたのであり、彼はダ・ヴィンチにその先例を見たのであろう。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
著者の三谷青吾氏はフランスの各地で修業し、日本のいくつかのお店で料理長を務めた後、恵比寿にL'esprit MITANI"を開く。フランス料理を基本から学べる指南書かと思ったが、家庭料理としてのそれではなく、レストランで供されるもののようだ。フランス料理に本格的に取り組もうと思えば、材料費もかかるし、そうとうに手間暇をかける必要もありそうだ。また、フランス料理の基本は、どうやら煮込み(もしくは火を通すこと)にあるようだ。さらには、本書を通して気づいたのは、フランス料理は、それほどカラフルであることに⇒
ヴェネツィア
2024/02/16 08:25

⇒重きを置かないようであること。色合いはどれも地味なのである。デザートにしてさえそうだ。あるいは、これはあくまでも基本に忠実な三谷氏のお料理の特質(同時にそれはやはりフランス料理そのものの、であるように思う)であるのかもしれないが。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
第4巻はジャガイモ。編者にもよるのだろうが、今回はあまり驚くようなことがらはなかった。実用書としてなら、これで十分なのかもしれないが。二大品種の男爵とメイクインは、どこのスーパーにもあり、誰もが知っているが、最近ではキタアカリやインカのめざめ他の新品種も多く出回るようになっている。また、ジャガイモは調理法も結構いろいろとあり汎用性も高い。さらには救荒作物として、かつてはアイルランドなどの飢饉にも重宝された。ジャガイモはこれほどまでのスーパー作物なのだ。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
芥川がバートン版の『千夜一夜物語』の書誌と特質、そして類書に優る価値について述べたもの。大正13年7月とあるが、未完ゆえあるいは生前には発表されなかったのかも知れない。「完訳は風俗上許しがたい」などといわれながらも、原文とアラビア文化に忠実に、また細密に訳出されたようだ。19世紀のこととて、宗教上もモラルの上からも抵抗は大きかったと思われる。芥川は英文のままに引用しているが"The penis smooth and round was made with anus best to match it"⇒
ヴェネツィア
2024/02/15 15:46

⇒などと、なかなかに大胆かつ直接的な表現である。芥川によれば「原文が無邪気に堂々と言ひ放つてゐるのを其儘訳出してあるから、近代の小説中に現はれる Love scene よりも婬褻の感を与へない」ということになるのだが。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
ネタバレ表題作を含め、それぞれに独立した6つの短篇を収録。初出はいずれも「小説現代」だが、内容的にはむしろ純文学である。巻頭の「家猫」は、4人の登場人物が語るという試み。意欲はわかるが、そのことが一つの小説として上手く結実するにはいたらなかったように思う。篇中で傑出した小説の力を示すのは「川端康成が死んだ日」と「ガリップ」の2篇。これらは中島京子の最も良質な短篇。表題作も悪くないが、幾分作り過ぎの感も残る。そして、これらの3篇に共通するのは「時の流れ」であり、それが持つ深みである。短篇でそれを語れるのが中島京子。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
著者の島塚絵里さんはヘルシンキ在住のデザイナー。本書は①クリエイター ②街 ③インテリア ④自然の4章構成で、フィンランドの主として色彩(配色)にかかわるデザインを紹介する。全体を通しての印象は、強い原色がそのまま用いられることがないこと。いずれも中間色、もしくはパステルカラーのトーンでまとめあげられているである。街は歴史的建造物が少なく(フィンランドはそういう歴史をたどった)モダンなのだが、そこにデザインとしての存在感と統一感があることも特筆される。また、テキスタイル等のデザインはいずれも素敵だ。
ヴェネツィア
2024/02/15 08:24

原色や強いコントラストを用いないのは、あるいはフィンランドの自然とかかわりがあるのかもしれない。本書の最終章の「自然」を見ていると、そう思う。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
これもムナーリの1945シリーズの1冊。今回はみどりのてじなしアルフォンソのお話。とはいっても、ストーリーがあるわけでもなく、ただアルフォンソが絵本紙上で手品を演じて見せるだけ。これはもう絵というか、色彩とデザインのマジックを楽しむもの。いつもながらにカラフルな仕掛け絵本。読み聞かせでも、子どもたちは大いに楽しいのではないだろうか。しかも、このマジックは何度でも再演が可能だ。
なお
2024/02/15 09:06

ヴェネツィアさん、子ども達が喜びそうですね(^^)ブルーノ・ムナーリさんの本、見てみたいと思いました。ご紹介、ありがとうございます!

ヴェネツィア
2024/02/15 09:16

なおさん、ムナーリの絵本はどれも優れたデザインです。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
1917(大正6)年の「時事新報」に掲載。芥川の作家デビュー前後の回想。ただ、芥川がなんのためにこれを書いたのかがよくわからない。芥川の言によれば「これらの作品を書いた時の自分を幾分でも自分に記念したかったから」ということになるのではあるが。それにしても、よく知られた事実ばかりであり、新たな、あるいは思いがけないような情報が開示されているわけでもない。つまるところは、自分を世に出してくれた「新思潮」同人への感謝こそが本意であったのか。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
ラインホルト・メスナーによる1978年のナンガ・パルバート単独登攀記。メスナーは、その前年にエヴェレストの無酸素単独登頂に成功。さらには、その後8000m峰14座の全ての登頂を達成した。まさに超人的な登山家なのだが、本書が他の山岳記と違っているのは、単に登攀に伴う行程だけを書き記しているのではなく、途中での煩悶や夢想、死の一歩手前での決断など、内面精神の軌跡をつぶさに述べていることである。しかも、彼が単独山行にこだわるのは、名声のためではなく、最小限の装備で登ることで、山を傷つけないためでもあった。
ぽつねん
2024/02/15 09:40

その功績と名前、とにかく強い人という側面しか知りませんでした。山を傷つけないために少ない装備だったのだとは!興味あるので読んでみます。

ヴェネツィア
2024/02/15 09:49

ぽつねんさん、ぜひお読みください。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
ムナーリの1945シリーズの1冊。お話は、3わの鳥、ティオ、ティア、チがそれぞれどうしてこの鳥かごにいるのかを話すというもの。最後のチの話が、いわゆるオチのようになっていて、なんとも可愛い。絵は、いつものカラフルでデザイン感覚にあふれたムナーリならではのもの。鳥の大きさとお話の絵の大きさとが比例する。また、それを活かす造本も面白い。ただ、子ども向きにはどうだろうかというと、ちょっと疑問も。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
長野県佐久市の臼田果樹園。ここではリンゴ35品種と30品種ほどのプルーンやアンズなどを栽培する。これを読むと、リンゴ果樹園の1年というのは実に忙しいものだというのがよくわかる。摘果などは知っていたが、玉まわしというのは初めて知った。それ以外にも木の剪定など、技術と工夫が絶えず必要なようだ。また、臼田氏はリンゴの木のオーナー制度や、地域の後継者を育てるためのアシスタント育成なども行っている。こういう人がいて、信州リンゴが安定してお店に並ぶのだ。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
「驢馬」1926(大正15)年5月号に掲載。4つの印象的な断章から成る小品。「蜃気楼」など、芥川晩年の作風をうかがわせつつも、シュールレアリスムへの近接も見られる。もっとも、芥川がどこまでシュールを意識していたのかはわからないが。いずれも絵画的な点景を捉えるが、そこに小説的な時間が流れ、それらが相互にシュールな世界を現出させる。ごく短いながら貴重な作品かと思う。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
降誕節も終わり、もう明日は「灰の水曜日」なので、暦には合わないのだが。ルース・ソーヤー再話。原話はアイルランドに伝わるお話。上條由美子訳、岸野衣里子の絵。上條のしっとりと語りかけるような訳文は素晴らしい。岸野の絵は水彩が優しい情景を伝える。アイルランドのお話とあって、カトリシズムと妖精物語とが融合したような内容。絵本というよりは、挿絵入りの物語本。小学校高学年以上向きか。
ドリアンLove
2024/02/13 09:50

速いですねぇ、時が過ぎるのが…私は明日の灰の水曜日から、四旬節の肉無し期間に入ります。

ヴェネツィア
2024/02/13 11:12

ドリアンさん、それはなんと真面目なな受難節の送り方ですね。私は例年、気持ちだけでしか。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
1920-1945年を前史として、戦後のアメリカ文化と圧倒的なまでの物量の時代が爆発的にはじまる。この頃の広告を見ると、中原淳一と「ソレイユ」や資生堂などが先端を切っていたことがわかる。田中千代らの先駆的なデザイナーの時代を経て、高度経済成長を駆け抜け、やがてイッセイやケンゾーらが世界にモードを発信するようにまでなる。自分自身を振り返れば、黒を基調としつつもヴィヴィッドなデザインのカンサイのセーターやコムデギャルソンのスーツを着ていたなと懐かしくなる。それ以降の時代はもうアルマーニから、やがてゼニアの⇒
ヴェネツィア
2024/02/13 07:14

⇒スーツに移っていった。すっかり若者文化からは取り残されたのである。思えば若者たち(男)はそろいもそろってVANとKENTを着ていた(JUNやEDWARDというのもいたが)。やがて、価値観は随分多様化されていった果てに今日があるのだろう。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
1919(大正8)年9、10月号の「中央公論」に掲載。前書きの部分が長いし、それに続く本題の部分も芥川にしては語りが随分冗長だ。読んでいる途中では未完に終わるのではないかと懸念した。全体はミステリー風に仕立てられているのだが、乱歩を意識したかとも思われる。ただ、その核心の部分は読者にも容易に想像がついてしまうし、意外性もなく、存外に平板である。また、前書きから延々と積み重ねてきた、現代の怪異にしても説明的になってしまい、結局迫真性を欠くことになってしまったようだ。
ヴェネツィア
2024/02/14 19:51

玄趣亭さん、ご指摘ありがとうございます。そうでしたか。思いつきは外れました。それなら、本家のポーあたりでしょうかね。

玄趣亭
2024/02/14 20:46

ポーはあり得ると思いますね。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
表題作を含めて6つの短篇を収録。いずれも千駄木町の外れの心淋し川の両岸にある心町が舞台。6篇はそれぞれ緩やかな繋がりを持つ。時代小説は制約が大きいともいえるのだが、その反面で封建社会といった枠組みを持つことで夾雑物を追い払えるという小説作法上の利点もある。この時代に女であることは、一層に大きな枷を背負うのだが、本編に登場する男たちもまた同様である。小説集の全体は、そうした生き難さの中で、せいいっぱいに生きる者たちを、哀調を通奏低音としながらも、細やかな愛惜を込めて描き出す。
ヴェネツィア
2024/02/12 16:44

本書は第164回直木賞を受賞。篇中では、読者の支持は概ね表題作に傾きそうだが、私はしいて言えば「はじめましょ」を採る。

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ヴェネツィア
ムナーリが暇にあかせて考案したナンセンスな機械が13通り。また、それぞれにこれまたナンセンスだけれど、なんとなく詩的でもある注記が付いている。例えば「疲れたカメのためのトカゲ・モーター」、あるいは「蚊を死ぬほど辱める機械」など。いずれもいたって複雑、かつ制作にあたっては精妙さが要求される。おそらく期待通りに稼働する確率は限りなくゼロに近いかと思われる。ムナーリの想像力の並大抵でないこと(それは常識をはるかに逸脱してもいるのだが)と、画力の面白さを堪能できる1冊。
ヴェネツィア
2024/02/12 08:14

子どもは読者対象に考えてはいないと思われるが、小学校高学年以上なら楽しめるかも知れない。なお、本書は1942年の初版以来、長らく絶版になっていたらしいが、1979年にめでたく復刊したとのこと。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
作家や画家、建築家、デザイナーなどアーティスト250人のお部屋を撮った写真集。ほとんどは故人ということもあり、多くは記念館、もしくはそれに類するものなので残念ながらライヴ感には乏しいのだが、それでもなかなかに興味深い(それって単なる窃視的興味?)。古いところではラファエロやデューラーやゲーテにシラー。新しいところではデヴィッド・ボウイやジョルジオ・アルマーニといったところ。いずれも個性的なインテリアに溢れている。なお、最も感慨深く眺めたのはヴァージニア・ウルフのお部屋。
ヴェネツィア
2024/02/12 07:54

およそ住めそうもないのはニキ・ド・サンファル(彫刻家・画家)のトスカーナのお部屋。前衛そのもので落ち着かないことこの上ない。住みたいお部屋は、もう数限りなくある。ヴェルサーチの絢爛豪華な部屋は現在5つ星ホテルになっているそうなので宿泊が可能だが、なんだか成金っぽい雰囲気がして、私はあまり好みではない。ヘンデルとジミー・ヘンドリックスが時を超えた隣組で、現在は半ば同居して共に博物館になっている。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
帯に梨木香歩の推薦文「胸のすくような思いと驚きは忘れられない」とあったので購入。安東みきえの作品は初読。表題作を含めて7つの短篇を収録。いずれもナンセンス童話といった趣き。ただし、子ども向きであることは全く意識されていないと思われる。篇中では、やはり表題作が一番できがいいようだ。結末部の数行の惚け具合が絶妙である。他の6篇のいずれも、それぞれにどこかズレていて、それが軽妙な可笑しみを誘う。深刻ではない、しかしひょっとすると深淵であるかもしれない生の営みを語っている物語。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
著者はTEQUILA SISTERS。姉妹のようだが、ネーミングからしてメキシコ好きに溢れている。カバーの絵も陽気で可愛い。タイトル通りにメキシカン・デザインのものをこれでもかというくらい集めた本。最初は食品パッケージからだが、デザインや色遣いの感じは東欧やギリシャのものに似ているように思う。切手もなんだか共産圏のものみたいに見える。一番メキシコらしさが出ているのは「こども・おもちゃ」か。ひたすらにメキシカン・グッズが並ぶ構成だが、もっと町や文化の紹介があった方がより親しまれると思う。
ヴェネツィア
2024/02/11 08:38

わずかにメキシコ・シティとグアナファトそしてオアハカの紹介記事がほんの少しだけあるが、せっかく魅力的な街なのにもったいないと思う。街中の写真を交えながら、それぞれの街や地方の特質を語っていった方がいいだろうに。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
アルフ・プリョイセン文。この人はノルウェイの生まれ。ビョーン・ベルイの絵。こちらはドイツ生まれで、スウェーデンで美術を学んだ人。原語は訳者が大塚勇三なのでスウェーデン語か。この「スプーンおばさん」は人気のシリーズらしい。これが第1巻のように見える。お話は、ある日突然スプーンくらいの大きさになってしまったおばさんのつぶやき魔法を描く。おばさんに固有名詞が与えられないことと、変身しても全く驚かないのは特徴的。絵は、服もキッチンも食器も背景も、ことごとくスウェーデン風なのが楽しい。
更紗蝦
2024/02/12 22:13

小学生の時にアニメを見ていました。懐かしいです。

ヴェネツィア
2024/02/13 05:09

更紗蝦さんもアニメでご存知でしたか。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
時は1955年。第2次大戦が終わって10年。アメリカが我が世の春を謳歌していた時代である。所はコネティカット州のレヴォルーショナリー・ロードと名付けられた新興住宅地である。アメリカン・ドリームを実現した邸宅が建っているわけではないが、アッパーミドルがニューヨークの郊外に一戸建ての家を構える地域である。フランクとエイプリルの夫婦に6歳の娘と4歳の息子。絵にかいたようなアメリカン・ファミリーである。本書の出版は1962年であるが、著者のイエーツはすでにこうした生活の危うさを見通していたのだろう。まさに⇒
ヴェネツィア
2024/02/10 16:46

⇒作家的慧眼というべきか。この危うさは、その後のアメリカのたどった現代史が証明することになる。訳者も指摘しているが「パパ大好き」や「うちのパパは世界一」のよって立つ基盤は、実はきわめて脆弱だったのである。私たちはそれを知らずに憧憬したし、アメリカ人たち自身もそれに気が付かなかったのである。【ガーディアン必読1000冊】406/1000。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
みやにしたつや作。この人はこれまで数々の賞を受けている。私は知らなかったが、斯界では有名な作家のよう。さて、本書だが「モーとグーとラーコ」というネーミングは気に入らない。子どもを侮っているように思うからだ。お話は、母親(本文では、かあちゃん)のお留守番をする3匹のモグラたちの冒険譚。ファンタジーだからいいようなものだが、巣穴をたどって、煙突の上に出たり、水洗便器に出たりというのは、これまたなんだか違和感が残る。絵は強い線と色彩で、構図もまた力強い。支持されているのもよくわかるが、モグラの表情が漫画っぽい。
なな
2024/02/11 09:27

恐竜シリーズは冊数がかなりあるようです。思いやりを子どもにもわかりやすく描いているのですが、淡々とした自己犠牲に私はお腹一杯になります。

ヴェネツィア
2024/02/11 13:04

図書館で見つかれば読んでみます。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
サツマイモといえば、青木昆陽を思う。江戸時代の飢饉での重要な救荒作物である。もちろん、その後も例えば第二次大戦中と戦後の食糧難の時代にも。10アールあたりの収量では米の4倍近くもある。その上に食物繊維もビタミン類も豊富。作るのも難しくない。幼稚園や保育園でもよく芋畑を作って収穫の喜びを味わっている。宇宙食としても大いに期待されているらしい。大学芋は好きなのだが、そういえば長らく食べていない。イシヤキイモの売り声も懐かしい。
おか
2024/02/11 09:38

あ~~そう言えばイシヤキイモの売り声最近聞いてませんね

ヴェネツィア
2024/02/11 13:03

おかさん、以前は時々聴こえてきたものですが。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
『槍ヶ岳紀行』の続きといった1篇。赤沢から、いよいよ槍ヶ岳に登頂するようだ。浮石の斜面を登っているが、それでも偃松があるので未だ森林限界を越えてはいない。まだ続編があるのだろうか。少なくても青空文庫には見当たらない。そうすると、芥川はこのあたりで断念したのか。あるいは、そもそもがこの一連の槍ヶ岳紀行はフィクションであったのか。どうもそうではないように思うのだが。ただ、日頃の芥川の行動からはかけ離れているようでもある。
ヴェネツィア
2024/02/10 07:45

ミサさん、情報をありがとうございます。芥川17歳の時の紀行でしたか。それならわからないでもないですが、逆に言うと随分と老成した17歳ですね。

毒兎真暗ミサ【副長】
2024/02/10 08:12

槍ヶ岳山荘の頁でも堂々と公表されてましたhttps://www.yarigatake.co.jp/climbing-info/about/ 明治44年の表記の謎が解けてスッキリ✨老成……幼少から大人向けの観劇ばかりしてたからですかね💦だとしたら三島も😅

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
7つの短篇を収録。最初と最後の作品は書下ろし。間の5篇は「すばる」に掲載。相互にはゆるやかに関連する。刊行は2014年。2年後の長編『タイムマシンでは、行けない明日』の習作めいた感もある。7篇のいずれもが、タイムマシンや超能力といった要素を持つSF作品。短篇ということもあって、よく言えば軽やかだが、残念ながら『タイムマシンでは…』が持っているような深みには欠ける。ライトノベルの感覚から今一つ脱却しきれていないのだ。篇中では、しいて言えば「友達バッジ」を採るか。後の長編に繋がるのは「過去ミライ」。
ヴェネツィア
2024/02/09 17:16

『タイムマシンでは、行けない明日』に比べるともの足りない。それでも、畑野智美の作品をもう少し読んでみようと思う。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
アール・デコのシリーズ4冊目はミラノとイタリアン・デザイン。アール・デコでも、さすがに一味違うところがイタリア。端的に言えば華麗なのである。巻頭はジオ・ポンティのデザインによるジノリの器。夢見るような色彩とフォルムの世界だ。なお、ポンティは1920年代~30年代に活躍したミラノ・デザインの旗手の一人。そして、ブガッティを中心とした車のデザインがまた素晴らしい。いずれもマニアならずとも垂涎ものである。そういえば、赤が際立つオリベッティのタイプライターなども究極のデザイン美を機能美と見事に融合させていた。
ヴェネツィア
2024/02/10 08:15

そうです。ヴァレンタイン!

毒兎真暗ミサ【副長】
2024/02/10 08:19

名前のセンスが良いですね〜✨もうキーボードは3つ持ってるので、眺めます❤

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
レベッカ・グリーン作。レベッカはアメリカのイラストレーターにして、ごっこ遊び発明家でもあるらしい。その特技は本書でも随所に発揮されている。なお、本書が彼女の初めての絵本だとのこと。お話は、おばけとのつきあい方のハウトゥー本といった趣き。ちなみに、このおばけは全く怖くない。だから幼児でも大丈夫。みんなおっかなびっくりで読み始め、大いに安心するだろう。絵はマジック・インクで描かれたもののように思われる。タッチが日本の漫画っぽいのだが、彼女は2年半大阪で暮らしていたらしい。その影響だろうか。
yomineko@猫と共に生きる
2024/02/09 09:28

ヴェネツィアさん、おはようございます😊是非、お友達になりたいです(笑)もちろん、可愛いお化け限定です(#^.^#)読みたい本に登録させて頂きました📚

ヴェネツィア
2024/02/09 11:00

yominekoさん、おはようございます。これは、ごっこ遊びのアイディア本です。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
ネタバレタイトルからも想像がつくように、ゼネコンを題材にした企業小説。一連の半沢直樹のシリーズと違うのは、主人公が彼のようなスーパーヒーローではなく、ほんとうに一介のサラリーマンであること。もっとも、尾形常務は結構型破りではあるが。この業界に長年巣食ってきた談合をめぐって、それに翻弄される(実はそうばかりではないのだが)中小ゼネコンの業務課(まさに談合に直接かかわる部署である)の面々を描くのだが、やはり事が事であるだけにもろ手を挙げて痛快とばかりも言えない。最後は、作家にとっては当初の予定通りなのだろうが⇒
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
1920(大正9)年7月号の「改造」に掲載。島々から上高地を経て槍ヶ岳に向かう紀行。登山経験のない芥川がいきなり上級者向きとも思える槍ヶ岳に挑戦するとは、なんとまた大胆というか登山を知らないというか。お陰でカモシカにも会えたし、雷鳥も見た。紀行は赤沢から登ったあたりで終わっている。未完なのだろうか。あるいは続編があるのだろうか。それにしても槍ヶ岳などと、芥川はどの程度の装備(とりわけ靴)で臨んだのだろうか。少なくても、この辺りまでは全く危険も感じておらず、いたってのんびりした風情である。
ヴェネツィア
2024/02/08 17:05

私は山に行くのは好きだが、如何せん高所恐怖症のために槍ヶ岳に登ることは絶対にありえない。新保高温泉から向かった西穂高岳(初心者向きと思われる)でさえ、頂上まで行かずに上高地に降りたくらい。でも、お陰で私もカモシカに遭遇したのだが。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
エズラ・ジャック=キーツ作(文・絵)。キーツはニューヨーク生まれの絵本作家。本書で1963年度のコルデコット賞を受賞。そう、いささか古い絵本なのだ。でも、まったく古さを感じさせない。雪の日の朝の子どもは時代も国境も飛び越える。お話はいたってシンプル。ピーターが雪の日に様々なことをして楽しむというだけ。その楽しみはとってもよくわかる。私たちも子どもの頃に同じことをしたのだから。その意味では(大人の読者にとっては)郷愁を運んでくる絵本でもある。「てんしのかたちをつくる」というのだけはなかったけれど。
宵待草
2024/02/08 07:55

ヴェネツィアさん おはようございます。 此の絵本は、気に入りの蔵書絵本の一冊です。 共読本が加わり、嬉しくレビューを拝読しました!🍀 切り紙や貼り紙やゴム印を併せての、手法も素晴らしいと思って居ます。 絵本は良いですよね!💕 何時も有り難うございます!🙋 未だ未だお寒い日々ですので、呉々もご自愛下さいね!💫 宵待草

ヴェネツィア
2024/02/08 07:59

宵待草さんの感想を読んで、私もコメントを書こうと思っていたら、即座に宵待草さんの方から。なんと素早い反応!負けました。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
1921(大正10)年1月、「中央公論」に掲載。芥川には珍しいロシアを舞台にした小説。主な登場人物はトルストイとツルゲーネフ。それまで長年にわたって親交を結んできた二人の山鴫をめぐってのふとした確執を描いたもの。この長さしかない短篇1篇に老境にさしかかった大作家たちの内面と過去の精神的な来歴とを浮かび上がらせる。こうした手腕はやはり芥川ならでは。また、モーパッサンとガルシンを彼らの話の中に登場させることで、彼らの時代が間もなく終わることを、一抹の寂寥感とともに描き出す。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
この巻は「アリやハエのはたらき」だが、巻頭はファーブル先生が飼っていた猫の帰巣本能のお話から。そして、このバトンを受け継ぐのがヌリハナバチ。先生は様々な実験からこのハチの本能に基づく行動を明らかにしてゆく。そこで疑問に思うのが本能。本能とはいえ、それは最初からそうだたのではないだろう。自然選択説に従うならば、その方が生存戦略(繁殖を含めて)に都合がよかったからなのだろう。それにしても、こんなふうに特化してゆくのはどのような作用によるのだろうか。それはアリやハエの行動についても思うこと。不思議だらけである。
ヴェネツィア
2024/02/07 08:13

昆虫記はこの第7巻で終了。次の最終巻はファーブルの伝記。昆虫記を通して(とはいっても奥本大三郎編だが)ファーブルのあくなき好奇心と、実験精神、そして昆虫たちの生態の不思議を大いに楽しめた。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
文のケイト・メスナーも絵のクリストファー・サイラス・ニールもともにアメリカで、それぞれの分野で活躍。メスナーはミドル・スクールの教師でもあり、このお話にもそのことが顕著に見られる。冬の「積雪下空間」の興味深さを伝えるのが本書の第一の眼目である。直接は目に見えないところにも別の世界が存在することを知ること、また想像してみることは、確かに大いに教育的だ。絵もシンプルさがよく機能している。同時にクロスカントリー・スキーの楽しみも伝わってくる。よく見ると、シンプルながら表現もなかなかに微細だ。
sheemer
2024/02/07 16:57

「木のうた」がお薦めです。

ヴェネツィア
2024/02/07 17:00

お薦めありがとうございます。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
水俣、天草、北薩の御一新前と後を描く。いくつもの史料を駆使して洗い出してゆくのだが、そうした地に生きた農民たちの、これまであまり語られてくることがなかった姿を、石牟礼は自らの感性に一度それらを濾過させることで語り直し、再生させる。それが一般の歴史書とのもっとも大きな違いだろう。西南戦争も、日清、日露の戦争も、第一次・第二次大戦も、この地にあっては遠くて近い戦争であった。そして、そうした歴史の狭間で、切支丹の村の家族全員が殺され、また天草郡では「弘化年度打毀乱妨件」があり、農民の間に獄門、遠島の犠牲者が⇒
ヴェネツィア
2024/02/06 16:45

⇒多数出た。また、天草からは大勢の流民が北薩へと流れていった。読んでいて、茫然とする思いである。整理された事件史が並べられた歴史とは違う脈動がここには(おそらくは他の地でも)あったはずである。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
撫子凛・著、丸山信彦(武蔵大学教授)監修。なんだか違和感の多い画集だ。まずその最大のものは、顔(とりわけ女性の)江戸美人なのにあんなに眼が大きく描かれるのか。あれじゃあ、当時はドングリ眼の野暮な不美人。次いで花魁はともかく、町娘や武家の女中たちが引き摺るような丈の着物を着ていること。あれではあまりにも実用からは遠いではないか。さらには大名をはじめ武士たちの服装。束帯や長裃は特別な時の正装であって、日常着ではない。巻末に参考文献が列挙されているのだけれど、本当かなと疑われさえする。
ヴェネツィア
2024/02/06 07:06

女性のファッションの紹介のほとんどは江戸後期のものなのだが、それも無理はないか。なにしろ、元禄期の美意識は大いに違っていたから。西鶴の『好色五人女』巻3「中段に見る暦屋物語」の第1章「姿の関守」に当時の美人がつぶさに描かれていて興味深い。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
エリック・カールのカメレオン絵本。原題は"The Mixed-up Chameleon"。邦題は不明。最初はリアルなカメレオンの生態の紹介。そこからは動物園の動物たちを見て憧れ、そして欲張りすぎたカメレオンが次々に変態していって収拾がつかなくなり、やっぱり元のカメレオンがいいや、というお話。エリック・カールの、カラフルで適度に抽象化されたカメレオン(変身後は奇妙な)が全ページに展開する。読み聞かせ奈良、前のページとの違いを楽しめそうだ。絵がいいので、何度見ても飽きないだろう。
ヴェネツィア
2024/02/06 14:30

Vakilaさん、そうです。あのエリック・カールです。

ヴェネツィア
2024/02/06 14:30

kameyomiさん、なるほど。まずは妥当な邦題ですね。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
この巻は「ロマン派」。ドラクロワがまず念頭に浮かぶが、ジェリコーが巻頭。そしてドラクロワと続く。ジェリコの「メデューズ号の筏」にしても、ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」にしても、題材も構図もことさらにドラマティックであろうとするかのようだ。後はルネサンスの再現のような絵が目に付くのと、ドーザの「カタリナ修道院」のようなスーパーリアリズム、そしてオリエンタリズムがやはり特徴的か。それ以外では印象派を先取りしたようなターナーの光の表現、フリードリヒの透徹してクールな虚無感に魅かれるものがある。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
4つの作品からなる連作短篇集。もっとも、連作とはいっても、個々の作品同士の内質的なつながりは薄く、むしろ最初の作品が2番めを呼び出し、それがまた3番目の作品へと連想を繋げていくといった構成である。また、最初の3篇の主人公たちは、それぞれに結婚はしているものの、紐帯からは限りなく自由であるようだ。一方、最後の朱里だけはその点で異質であり、結婚(義父母や義理の兄弟夫婦を含めた関係を伴い)が彼女の生活の大半を占めている。また性格的にも他の3人が開放的であるのに比して、彼女だけが内省的である。最後は⇒
ヴェネツィア
2024/02/05 11:33

ハッピーエンド(?)めいた終わり方だが、作家自身が朱里を可哀想になったせいか。テーマも当初は震災を大きく背負っていたのだが、最後にはその問題は霞んでおり、書いているうちに幾分構想が変わったようにも見える。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
この巻は野菜農家の若梅健司氏の登場。九十九里浜に近い千葉県横芝光町で、2月から6月までメロン栽培、7月から翌年1月までトマト栽培を営んでいる。もちろん、この人の持論では百姓は百品作るということで、これ以外にも様々なものを栽培している。トマトにかける情熱、観察力、持続性、研究熱心さのいずれをとっても常人にはおいそれとは真似のできないレベルである。しかも、「農業日誌」に克明な記録を残し、新たな発見を期すというのであるから、もはやスーパー農業人である。なによりも、一つ一つの作業が綿密であり、それで終わらない。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
ジョーン・エイキン文、アラン・リー絵。それぞれイギリスで活躍する作家とイラストレーター。本書はお話が中軸を背負う。イギリスに伝わる(あるいはイギリスだけではなく、広くヨーロッパか)民話や伝説・伝承を題材に想像を広げてゆくファンタジックな世界が持ち味。後半に登場するドラゴンなどは、ちょっとヤマタノオロチを連想させもする。もっとも、ヤマタノオロチは「アンドロメダ型神話」として、世界性を指摘されているのだが。月を巻き込んだ本書もなかなかに壮大・壮麗な物語。絵は波の表現を筆頭に、いずれもきわめてリアル。
Johnnycake
2024/02/05 08:31

おー、アラン・リーはトールキン『指輪物語』のイラストで有名ですが、こういう本のイラストもやっていたのですね♪

ヴェネツィア
2024/02/05 08:35

Johnnycakeさん、失念していましたが『指輪物語』のイラストもこの人だったのですね。この本ではカラーがとっても美しいです。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
保吉ものの1篇。大正12年の作。フィクションの形式はとっているものの、芥川の海軍機関学校での教官時代のエピソードがほぼそのまま語られているのではないかと思われる。5つの断章からなるが、それぞれは独立しつつ、同時に機関学校のある側面を描き出しているようだ。「わん」では主計武官が、「西洋人」では二人の外国人教師が、そして「恥」では自らの英語教師としての勤務ぶりが、それぞれ半ば揶揄気味に、と同時にリアルな実態として語られているのだろう。
毒兎真暗ミサ【副長】
2024/02/04 22:12

「わん」のトーストの表現が、太宰が好きそうな表現ですよね😊

ヴェネツィア
2024/02/05 04:51

ミサさん、そうかも知れませんね。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
大判サイズなのはいい。また収録されている作品も個人蔵(結構ある)のものも含めて、代表作は一応おさえている。ただ、もともとの色がよくないのか(1987年初版。私のは1999年の第16刷)あるいは経年で褪色したのか、残念ながら鮮やかさに欠ける。ことにクリムトの真骨頂たる黄金色に冴えがない。タイトルが『クリムトとウィーン』だからいいようなものだが、「アール・ヌーヴォー」シリーズの1冊なので、やはりエゴン・シーレとココシュカも併せて紹介するべきではなかったかと思う。ユーゲントシュティールの建築については地図⇒
ヴェネツィア
2024/02/04 18:33

みあさん、地図という言葉が消えてしまっていました。なんとか訂正を試みます。

ヴェネツィア
2024/02/04 18:36

tacchiniyanさん、クリムトは人気画家なので、随分たくさんの本が出ていますね。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
赤羽末吉の絵本。今回はほとんど絵だけで展開する。案内役は歌舞伎の奴スタイルの男。先導役は着物の柄から抜け出したスズメたち。オープニングは春爛漫の街道筋。そこからは廿浦浦を逃げるは追うはのスピード劇。北斎の赤富士も乗り越えて、薄の野原もかきわけて、秋の実りを楽しんで、雪の中をも追いかけて、大団円にたどり着く。言葉がないので読み聞かせはできないけれど、子どもたちと一緒に絵を1点1点楽しむのも大いに楽しそうだ。そして、絵は疾走やスピード感をも表現できるのである。
yomineko@猫と共に生きる
2024/02/04 08:32

ヴェネツィアさん、おはようございます😊絵がとっても気になります!!!読みたい本に登録させて頂きました📚

ヴェネツィア
2024/02/04 08:34

yominekoさん、おはようございます。楽しい絵ですよ。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
著者のフィリップ・ジョディディオは巻末の紹介によれば「建築についての最もすぐれた著述家として国際的に知られた」人であるらしい。本書は"Complete Works"と銘打って安藤忠雄の建築を網羅的に紹介するもの。写真もジョディディオによるものだろうが、ひじょうに冴えており、安藤の建築の先鋭性をよく伝えている。まずは個人住宅から。何軒かが登場するが、羨望の極みが"KOSHINO HOUSE"。芦屋市の山手に敷地面積1141.0㎡、延床面積294.3㎡の文字通り大邸宅である。もちろん、自然とも見事に調和⇒
ヴェネツィア
2024/02/03 17:05

⇒している。集合住宅群も例えば"ROKKO HOUSING"のように実に見事。公共建築では表紙の「光の教会」セビリア万博の日本館などは、まさに圧巻。また"INTERNATIONAL LIBRARY OF CHILDREN'S LITERATURE"も世界に誇れる偉業である。今回、新たに注目したのは水との調和を図った"WATER TENPLE HOMPUKU-JI"。他にも海外に水の意匠を活かした建築物がいくつか。これはもうもろ手を挙げて推薦!

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
下巻は一貫してアルプスを舞台に展開する。美しくも清澄な光と空気がずっと物語世界を支配するのである。後半からの構想は、プロットを知らない読者にも(私もその一人なのだが)ほぼ想像がつくし、実際にそのように物語は展開してゆく。いわば予定調和を迎えるのだが、それでも多くの読者はハイジと喜びをともにすることになるだろう。ハイジの徹底したイノセンスの勝利である。そこには葛藤は全くない。それでも物語は成立している。こんな物語は嘘っぽくてだめだ、とはやっぱり思わない。それが過去何年にも渡ってこの作品を支えてきたのだろう。
ヴェネツィア
2024/02/03 17:06

きゃれらさんにお薦めいただいたお陰です。感謝!

きゃれら
2024/02/04 09:39

僕が読んだのも、ケイさんのおすすめがあったからなのでした。読メならでは。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
ワンダ・ガアグ作(文と絵)。ガアグはアメリカの作家、イラストレーター。ニューバリー賞ほか数々の賞を受けている。本書の出版は1928年。今もこうして読まれているのだから、息の長い作家だ。お話はタイトルからしてそうであるように、白髪三千丈的な誇張が楽しめる。西鶴ばりの大風呂敷といった風情である。絵も古典的だが、モノクロームの描線が力強い。おじいさんとおばあさんの、ちょっとずるそうに見える表情が可笑しくも微笑ましい。一方、ネコの描き方はおおざっぱというか、実におおらかな描きぶりである。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
ハイジのイメージは持っていたが、原作を読むのは初めて。マイエンフェルトの奥地のデルフリの、そのさらに山を上がったところのアルムが物語の主要な舞台。私は物語はこの地で終始するものかと思っていたが、第1部のはじめと終わりはともかく、分量の上からはフランクフルトの方が長いのは意外だった。物語の構想は、設定は全く違うもののバーネットの『小公子』と相同であると思う。主人公のハイジの徹底したイノセンスもまた通じるところがありそうだ。このハイジのイノセンスと、祖父とデルフリの人々の善良さと素朴さが作品の生命である。
ヴェネツィア
2024/02/02 16:50

とっても珍しいスイス文学。原典はドイツ語だろうか。おそらく世界で広く愛されている物語だろうが、日本で最も有名なのではないだろうか。『フランダースの犬』ほど極端ではないにしても。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
文も絵もマリー・ホール・エッツ。お話は、いろんな動物たちが森の中を行進するという、いたってシンプルなもの。ただ、森の中なのにライオンはいる、ゾウもいる、クマも、果てはカンガルーまでが登場する。子ども向きなだけにこんなに生態系を無視するのはどうかと疑問に思っていたが、最後に氷解。絵はモノクロームでフォルムを大切にするタッチ。色がないのは逆に想像力を刺激するかもしれない。そもそも、このお話が「ぼく」の想像力の産物なのだから。
毒兎真暗ミサ【副長】
2024/02/02 13:24

カバさんのお顔に目が釘付けになりました🤭

毒兎真暗ミサ【副長】
2024/02/02 13:56

ヴェネ様、間違えました〜💦次の『またもりへ』のカバたんでした💦

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
文部省が強行しようとしている「仮名遣改定案」に断固反対をとなえた一文。「ゐ」、「ゑ」および「ぢ」、「づ」を廃して、それぞれ「い」、「え」、「じ」、「ず」に簡略化することの愚を説く。本来「ゐ」と「い」、「ゑ」と「え」、「ぢ」と「じ」、「づ」と「ず」とはそれぞれ別の音であったものが、いつしか混用され同音に近づいたことが背景にあった。ひらがなが表音文字であるというのは、あくまでもタテマエに過ぎない。それは現代でもなおそうだ。世の多くの人は全き表音文字だと信じているが、それは誤解である。⇒
宵待草
2024/02/01 18:48

ヴェネツィアさん こんばんは!🌃 興味深いレビューを拝読しました!💫 私は短歌を詠む折りには、長く旧仮名遣いをして来ました。 『ゐ』『ゑ』『ぢ』『づ』は、当たり前に詠み込んで居ます。 読みたい本を積むばかりですが、📝させて頂きます!🍀 何時も学びを頂く良書のご紹介&熟読されたレビューを有り難うございます!🙋 宵待草

ヴェネツィア
2024/02/02 04:54

宵待草さんは旧仮名遣いですか。それは今どき希少な。芥川も「明星」をこの仮名遣いの項目で引き合いに出していました。浪漫派にして、歌の伝統を護るということなのでしょう。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
近未来ディストピア小説のような内容だが、これはフィクションではなく、未来予測である。著者の小川和也は警告する。ここでは主に2つの危機について。まず、その一つはAIによる人類滅亡シナリオである。私もこれは極めて危険だし、しかもそうなってもおかしくない、あるいはそうなるべき必然性さえ孕んでいるように思う。AIが自己増殖を始めれば、その目的はAIの存続と自己発展に向かうはずだ。そして、その時に邪魔になるのが、まさに人類に他ならない。もう一つのゲノム編集による滅亡シナリオも怖い。ゲノム編集⇒
ヴェネツィア
2024/02/01 17:09

⇒によってスーパーヒューマンが誕生したら…やがて我々ホモ・サピエンスは、かつてのネアンデルタール人のように駆逐されていくだろうというもの。感覚的にはAIの危機ほどは起こりそうもないような気がするのだが。もっとも、ゲノム操作は思ったよりもはるかに進んでもいるし、頻繁に、かつ日常的なレベルで行われているようだ。

ヴェネツィア
2024/02/01 18:45

みあさん、そうですね。コメント欄は訂正できませんので、本文の方を修正します。ご指摘感謝!

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
著者の渡辺庸生氏は代官山にメキシコ料理店"LA CASITA"(小さな家の意)を開くなど、広くメキシコ料理と文化を紹介する。私の中ではメキシコ料理は影が薄い。メキシコ料理店には、はるか以前に一度行ったことがあるだけ。本書でいろいろなメキシコ料理を知ったが、印象的にはどれもなんだか似ているような。赤を基調としたお料理が多いせいだろうか。いやいや、それはメキシコ料理の奥深さを知らないだけ、なのだろう。なにしろトウガラシだけでも13種類もあるくらいだから。
ヴェネツィア
2024/02/01 08:21

レシピもついているので、どれかに挑戦しようと思うのだが、まずは若鶏メキシカンソースあたりから。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
バーバラ・クーニー作(文と絵)。お話はルピナスさんと呼ばれた女性の子ども時代から晩年までを描く。本書は「こども、船乗り、乙女の守護聖人聖ニコラス」に捧げられているが、ルピナスさんはまさに生涯を通じて乙女だった人。なんといってもパステルトーンの絵が美しい。技法は板に水彩絵の具で描き、さらに色鉛筆でアクセントをつけるといったものであるようだ。今回は南の島や砂漠の街も登場する。そして、ルピナスの咲く野原の広がりも風とともに幸福感を運んでくる。
オレンジのしましま
2024/02/03 17:58

ヴェネツィアさん、こんばんは。『ルピナスさん』を取り上げて下さり、とても嬉しいです。子供時代に出会って深く心を捉えられて以来、私にとって特別な本です。バーバラ・クーニーの作品では、詩人のエミリー・ディキンソンを描いた『エミリー』も素敵ですよ(文はマイケル・ビダード)。

ヴェネツィア
2024/02/03 18:57

オレンジのしましまさん、お薦めありがとうございます。『エミリー』も探してみます。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2011/11/30(4504日経過)
記録初日
2011/04/07(4741日経過)
読んだ本
6256冊(1日平均1.32冊)
読んだページ
1572170ページ(1日平均331ページ)
感想・レビュー
6165件(投稿率98.5%)
本棚
54棚
性別
職業
専門職
自己紹介

2011年4月からの参加で、13年目にはいりました。一番よく読んでいるのは日本文学、次いでは翻訳文学です。読むジャンルの幅は広い(半ばは意識的にそうしています)のですが、何でも手当たり次第に読むというわけではありません。特に誇れるものはありませんが、連続読書日数は初日から4724日(2024年3月6日現在)、冊数は6185冊になりました。虫垂炎で入院中も、海外旅行中も毎日読んできました。さて、どこまで伸ばせることやら。

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