読書メーター KADOKAWA Group

2023年の読書メーターまとめ

えふのらん
読んだ本
84
読んだページ
23342ページ
感想・レビュー
84
ナイス
773ナイス
月間平均冊数
7.0
月間平均ページ数
1945ページ

年間・読書メーターまとめ

年間でナイスが多かった感想・レビュー

えふのらん
タイムパラドックスを技術者の根性で打ち負かしてしまう狂気の一冊。十年以上前に読んだときは矛盾を多世界解釈で流してしまう軽い読み物だと思っていたがとんでもない。未来へ飛ぶにも時間を遡るにもまったく躊躇がない。時間跳躍のボタンを押させるために技術者を逆上させる場面など娯楽的ですらある。おまけに時間遡行が日常化すれば交易も可能だと宣う。結局、装置の不備を理由にその想像は実行に至らないが、科学技術への信頼が揺らぐことはない。その精神性は何となくスーザン・キャンベルを思わせる
えふのらん
2023/01/21 19:28

CADっぽい設計支援ソフトとかキンドルに似た電子書籍(新聞)も先見的だし、それらが技術者視点で語られているのも渋い。リッキーとの恋愛に目が行きがちだけど、根本的な部分は変わらない。最後もリッキーのために水圧式ベッド、ピートのために猫用トイレの開発談で終わるし...。

えふのらん
2023/01/21 19:33

ハインラインというと融通のきかない筋肉質な作家という印象が強いけど、この一冊はそれがいい方向に向いている。パラドックスなど知ったことか、という割り切りはさすがにどうかと思うがそれだってデイヴィスの正確描写に一役買っている。SFをSFたらんとするものはガジェットだが、それを開発した人間もその一部なのだ。技術者魂が強く印象に残った本だった。

が「ナイス!」と言っています。
えふのらん
フォークト=カンプフ検査に引っかかるけど共感できるアンドロイドと非情な人間の表裏がキモなんだけど、所々ロボット三原則を思い出させる。共感能力がないから、機械だからといって不当に扱う理由にはならないという見解はわれはロボットにも似ていて、世界観は違っても流れている精神は同じなのではないだろうか。交流があったとは聞いたことはないけど、アシモフに対するディックなりの回答だったのかな、とか思った。
が「ナイス!」と言っています。
えふのらん
怪奇小説として読みはじめたらド直球のゴシック小説だった。最高。怪しい屋敷で悪に蝕まれようとする子ども達を守ろうと奔走する養母ーもう舞台設定といいガヴァネスが少年に向ける慈愛の視線といい、どれもがヴィクトリア朝。何よりも厳格に分け隔てられた善と悪。動機のはっきりした怨霊とかサイコパスはお呼びではない。怪奇も子どもの悪戯もみーんな”悪”が原因。悪には自分以下の下層階級を含まれるが、そんな傲慢な態度も含めてヴィクトリアニズムを魅せてくれる。こんな強固な道徳を持っていたらテーブルの脚だって猥褻物に見えるよね
えふのらん
2023/07/17 13:40

ポーよりあとの作品だけど近世欧州の雰囲気を感じとれる作品だった。ヨーロッパの思想とポーとラブクラフトをつなぐ一冊。

が「ナイス!」と言っています。
えふのらん
固くもあり柔らかくもあり読者を選ばない。読者は原則上のジレンマを重視してもいいしロビイやバイヤリイのキャラクターに注目してもいいわけで、その寛容さが愛されている理由なのかもしれない。僕は堂々めぐりが最も、次に迷子、われ思うが好き。知識と知恵を駆使する技術者はかっこいい。
が「ナイス!」と言っています。

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