エッセイ。素晴らしく良い本で大満足です。翻訳者の手柄もあると思いますが、読みやすくて美しい文章でした。内容的には、分かりやすくて読みやすい哲学書のような趣にまで踏み込んだ内容もあったと思います。この内容のエッセイが、コロナ騒動が、ほんの始まったばかりのごくごく初期に書かれたということはちょっと信じにくいほどのことだと思います。あの時ほど落ち着いてきちんと考えることができなかった人が多かった時はなかったと思います。今は完全に騒動が去ったのかどうかは微妙かもしれませんが少なくともほとんどの日常が戻っています。

読みやすくてなかなか面白かったです。登場人物たちがいろいろと抱えていて、なかなかうまくいっていないという共通点がありました。連作短編集なのか長編であるのか微妙なところという構成でした。連作短編集の特徴は、「前に出てきた話を次のところでは、また、一から説明している。」かどうかと、「中の一編だけを読むことができるか。」であると思いますが、説明が繰り返されている箇所が本作にはありました。作者の他の小説ほど面白いとは思いませんでしたが、いずれにしても良い小説家であるとは思います。

エッセイ。素晴らしく良い本で大満足です。翻訳者の手柄もあると思いますが、読みやすくて美しい文章でした。内容的には、分かりやすくて読みやすい哲学書のような趣にまで踏み込んだ内容もあったと思います。この内容のエッセイが、コロナ騒動が、ほんの始まったばかりのごくごく初期に書かれたということはちょっと信じにくいほどのことだと思います。あの時ほど落ち着いてきちんと考えることができなかった人が多かった時はなかったと思います。今は完全に騒動が去ったのかどうかは微妙かもしれませんが少なくともほとんどの日常が戻っています。

こちらも懐かしかったです。よくぞ人気作家による連作短編アンソロジーでこれだけの再現度を出せたなとびっくりです。文体からひらがなの多さから、失礼な言い方ながら、ばばかしさ、くだらなさ度合まで、小学校中学年の時に学校図書室で借りて読んでいたシリーズとそっくりでした。小学校三年生の私でさえ、このシリーズの中の、ばかばかしさ、くだらなさは十分に伝わっていました。でも、ルパン、ホームズシリーズだけでなく、このシリーズも好きでした。先によんだ「みんなの怪盗ルパン」の方が本格的でしたが、どちらも原シリーズに忠実で見事！

なかなか面白くて楽しめました。小学校の時にむさぼるように読んでいたシリーズの装丁。人気作家たちのアンソロジーなのですが、文体や形式などに、共通点があって、よくこんなに雰囲気を合わせたなと感心させられました。このような装丁で平易な文章での企画ものであるのに、それぞれの短編のストーリーはきちんと大人でも読み応えのあるものばかりでした。全短編を通して伝わってきたルパンの人物の魅力も素晴らしいものでした。

衝撃的な本でした。特攻についてはいろいろ読んで知ったつもりでいたのに、知らなかったことが多かったことに驚き、大きく目を見開かされる内容でした。作者は、失礼ではありますが、テレビで目にするときなどはヘラヘラした感じの印象の人ですが、まさか、ここまでの内容の本を書く文筆家であるとは知りませんでした。すさまじい執念で書かれた本であると思います。佐々木氏のことだけではなく、評価と評価の仕方とされ方、このような異常が起きた背景にまで立ち入って考察、展開されていて素晴らしい内容でした。

面白い！楽しめました！とんでもなくつまらない小説はないものの、長いことデビュー作ホルモーを超える面白さの小説を世に出すことができず、やっと直木賞受賞でかなり面白いものを書いた万城目氏。小説よりもエッセイの方が得意で能力が高いのではないかと思うほどの、巧者だと思います。まだ、１冊、読んでいないエッセイ本があるので、それを読むのも楽しみです。

読みやすかったし面白かったです。この作者の安定感はすごいなと思います。何とはない日常を切り取る名人です。いろいろと事件について詳しく調べていないとこれは書けないです。構成も実に見事であると思いました。作者と同じ年に生まれた私は、三人の中のヤマグチさんと同じような年齢のはずです。何の関係もなさそうであった三人が実は同じニュータウンに住んでいたことが分かって収束するラストも見事でした。ニュータウンものは他の本も読んだことがあります。