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2021年10月の読書メーターまとめ

田中寛一
読んだ本
10
読んだページ
3278ページ
感想・レビュー
10
ナイス
309ナイス

2021年10月に読んだ本
10

2021年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

田中寛一
箱根駅伝の学連選抜を中心とする物語。箱根駅伝に出場できないチームからの選抜メンバー。それぞれが自分の大学の名前で出ることができなかった悔しさを抱えながら、それでも選抜メンバーとして出ることができる。今回で卒業する者もそうでないものも。彼らの監督となるものも大変な苦労があることだろう。もちろんキャプテンとして活動する浦も、自身の今までの苦悩を背負いそして直前になってのアクシデントを伏せながらのアンカーの重圧。今まで何気なく見ていた箱根駅伝を見る楽しさを教えてくれた小説になった。
が「ナイス!」と言っています。

2021年10月の感想・レビュー一覧
10

田中寛一
表題作から始まる9短編。どの話も静かに進行しながらなかなか掴み所がない感じ。「サキの忘れ物」は「サキ」に出会えたことで千春の人生が大きく進展する様子がよかった。その後の千春の様子を描いてもらいたい。「喫茶店の周波数」、確かに一人で喫茶店などに行くと周りの会話をついつい楽しんてしまうようなことあるなと思いながら読む。「王国」「河川敷のガゼル」「隣のビル」など生活の中で生きづらさを抱えながら何かに拠り所を見つけようとしている。そうやって自分の世界を持つことも大事だよね。
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田中寛一
文政13年(1830年)松江藩多岐川家の江戸上屋敷が主な舞台。藩主嘉明という名前が出てくる。こういう時代物に慣れていないのでこのような表現に慣れない。松江藩の藩主は松平家では?松江藩主に嘉明という人物名はないように思う?架空なら松江藩と言わなくても良いのでは?どなたか教えて下さい。松江藩とあらすじにあったので手にしたものからすると、残念。宇津木新吾が事件の真相を明らかにしようと、医者としての活動以上に活躍するのは面白く、武士相手にも強い!
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田中寛一
「宗達」は義父の命名と。公家の烏丸光広の誘いで公家の各家に秘蔵される作品により視野を広め、養源院「白象」、相国寺「蔦の細道図」、醍醐寺「源氏物語」、「舞楽図」など活動の幅が広がる様子に惹きつけられた。風を避けるための屏風、雷から身を隠すための屏風。そんな屏風に描かれた宗達の印もない「風神雷神図」を醍醐寺で見つめる宗達の妻美津、本阿弥光悦の娘冴、出雲阿国ら3人がそれぞれ語る「鬼」の姿に涙を誘われた。マハさんの同名小説もエンタメとしては面白かったが、本書は宗達の姿がよく見えてよかった。
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田中寛一
原田マハ「風神雷神」に続いて読む。作者よりこんなに異なる物語を楽しめるとは。本書では宗達は「伊年」のまま。出雲阿国、本阿弥光悦らの登場とともに、平家納経修復、光悦とのコラボ作品の鶴や鹿を描いた10m前後の絵巻の制作に培ったノウハウを遺憾なく発揮する伊年の姿が興味深く描かれている。書と紙と絵の作品というだけでなくそれらを作り上げるための技術が高まっていく様子もすごい。紙屋の宗二の能力!お互いの能力を認め引き出し、高め合う姿が美しい。にしても政治で文化までも歪めようとする家康め。
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田中寛一
琉球王国で武術を極めていく松村宗棍の物語。空手のような術と読んだ。清国の武術の影響を受けながら、宗棍は薩摩の剣の技も取り込もうとする。子供時代に喧嘩に強かった彼が、真の強さを極めていこうとする姿に引き込まれ一気に読めた。武術の指南を受けるため役人の科に合格するという勉学に励む姿。それに美人のチルーに勝ち妻にできるという幸せな姿。どんどん強くなっていく宗棍に自惚れを戒めてくれた者の存在は大きい。廃藩置県後の日本の術でないという役人に対しての宗棍がかっこよかった。
が「ナイス!」と言っています。
田中寛一
興味深かった。エピローグにある通り、史実にはないが、それでよいではないかと、マハさん。宗達と同世代の原マルティノ、ミケランジェロ・メリージ・デル・カラヴァッジョがイタリアで遭遇し、互いに絵を描くことに情熱を燃やす。遣欧使節と俵屋宗達をリンクさせ、マカオで見つかったという古文書・絵を結びつける。宗達やマルティノらの好奇心や情熱が強く伝わってきた。情報を得るのに時間と命をかけていた当時の人の熱意は、今の私達にあるのだろうか。柳広司の描く「風神雷神」もぜひ読み比べたい。
が「ナイス!」と言っています。
田中寛一
博物館での説明から始まったが、生没年不詳の俵屋宗達が子ども時代から描かれ始めて、俄然面白くなってきた。好きなことに没頭できること、親がそれを支援する。もっとも俵屋という扇に絵付けをして売る店だったというのもあって、絵が上手になればということはあっただろうが、それだけにとどめたくないという親、そして本人自身のまだ見ぬものへの好奇心が「宗達」に繋がっていったという。史実と本作がどの程度関係するのか知らないものの、信長、キリシタン、遣欧使節など興味を惹かれることが満載だ。下巻も楽しみ。
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田中寛一
似たような事件はどこかで起きたような。本作を読みながら、ほとんどが有罪になる刑事事件。犯罪のシナリオが描かれそれに沿って調書が作られていく恐ろしさを感じた。無罪を主張することの困難さを感じながら、読めた。伊豆原や最後に加わった栞のような弁護士であったから裁判を乗り越えれたのだろう。無罪になって欲しいと思いつつ読んだものの、意外な結末。引き続く伊豆原はどのような方針です新たな弁護を受けていくのだろう?政治家などの権力者の影で自殺などに追い込まれた人の思いを晴らす司法制度を望みたい。
が「ナイス!」と言っています。
田中寛一
箱根駅伝の学連選抜を中心とする物語。箱根駅伝に出場できないチームからの選抜メンバー。それぞれが自分の大学の名前で出ることができなかった悔しさを抱えながら、それでも選抜メンバーとして出ることができる。今回で卒業する者もそうでないものも。彼らの監督となるものも大変な苦労があることだろう。もちろんキャプテンとして活動する浦も、自身の今までの苦悩を背負いそして直前になってのアクシデントを伏せながらのアンカーの重圧。今まで何気なく見ていた箱根駅伝を見る楽しさを教えてくれた小説になった。
が「ナイス!」と言っています。
田中寛一
6短編の中で最初の「最後の伝言」が、最高の感動。「髪結い亭主」さながらの父親が母から受け取った遺言!お母さんの胆力と夫を信じる力に感服。「無用の人」の父親が残してくれたものから、思いとは違って自分の進む道のヒントになったものをきっちりわかってくれていた。身近にいたり離れていたり、様々だが、誰かが、誰かの言葉や生き方が、自分の生き方に影響を与えている。また逆に、自分も誰かの生き方に何らかの力を与える存在になりたいものだ。もちろん迷惑や心配を与えることは最小限にして。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/01/19(4476日経過)
記録初日
2012/01/22(4473日経過)
読んだ本
1303冊(1日平均0.29冊)
読んだページ
360853ページ(1日平均80ページ)
感想・レビュー
1303件(投稿率100.0%)
本棚
36棚
性別
現住所
岡山県
外部サイト
URL/ブログ
http://www.can-chan.com/
自己紹介

 「和顔愛語」(なごやかに、やさしい言葉を)をモットーに日々の生活を過ごしたいものと願っています。本に触れながら、そんな気持ちを持ち続けたいものです。
 ちょっとした感動ですぐ涙が出てきます。

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