スモールワールズでこの人すごくない？の流れからから本作。なんかちょっとこう、まごうかたなきおじさんである私が読むには忍びなさすぎる類の短編も中にはあるにはあるのです。でもまた次のお話も読んでみたいと思わせてくれる。それが一穂ミチさん。2作しかまだ読んでないけどそう断じてみる。

頂きものの本。面白かったですよ！もうなにも考えずにただただ楽しめるお話っていうのがこの世には必要だと思うわけで。そして誰もが心の中に自分だけの四畳半を持っているのです。

少し古い話だが球界が揺れに揺れていたあの時代のことをよく覚えている。プロスポーツではほとんど表に出てくることのないフロント部門の働きがチームの成績を左右することを改めて感じた。身も蓋もないかもだけどなんぼ現場が頑張ってもいい選手がいなけりゃ勝てないし、環境がよくなけりゃいい選手が来ないのよ。

著者はインターネットというインフラを黎明期から支えてきた。普段の生活から災害時まで今やインターネットがなけりゃなんもできん時代になりました。作者は日本のインターネットについて、技術的に世界をリードできていない現状だが、逆に誰も置いてきぼりを作らないデジタル社会を目指して「周回遅れの先頭ランナー」を走ることができる国だと述べている。最近の新書は、日本やばいでしょ、みたいなことばかり言って日本人の自信を根こそぎ持っていくので希望を持たせてくれる書き方で少しほっとした。